司馬遼太郎
『街道をゆく 2 韓のくに紀行』★★★
本書は1978年10月に刊行された朝日文庫の新装版
朝の通勤時、東西線で司馬遼太郎
渋っ(笑)
ちょうど『チョンウチ』をみてて
そこで「倭館」(ウエグアンと読)が出てきて時代背景が分かった。
---
「韓国の美人というのは世界一だと思います」
なんだか韓国のひとというのは激しさがあって、激しさにおかしみがある。
新羅の一時期には後世の日本や西洋のような、騎士または武士に相当する階級があり、花郎とよばれていた。花郎には騎士道や武士道に相当する美学的な行動律があり、新羅の華麗さをいっそう彩り多くする。
P151
急速な資本主義的発展をとげたソウルと、なお李朝的停滞のなかにある農村とのあいだには、五百年か千年のひらきがあるように思われる。ソウルでは地下鉄をつくる計画がすすめられているというのに、農村では一般に電灯もないのである。日出レバ耕ヤシ日没スレバ憩ウといったふうに上代以来の農耕生活がつづいており、工の環境と自然の循環になずみきっている農民の貌には、いままで出遭ったどの農民も、資本主義的競争社会が生みだすあの険しさやいやしさがない。