山本周五郎
『あとのない仮名』★★★+
メルカリでGETした本
表紙から庭師のオトコの哀愁?が伝わる。
新潮文庫 や - 2- 27 (番号的には中盤)
--------(抜粋)
江戸で五指に入る植木職でありながら、妻とのささいな感情の行き違いがもとで、職を捨て、妻子も捨てて遊蕩にふける男の寒々とした内面を虚無的な筆致で描いて、周五郎文学に特異な位置を占める最晩年の傑作「あとのない仮名」、夫婦の変らぬ愛情を、枯死するまで色を変えない竹柏に託した武家ものの好編「竹柏記」ほか、「主計は忙しい」「桑の木物語」「しづやしづ」など、全八編を収める。
--------
・討九郎馳走
馳走番に選んだ主君の真意!?
そこに疑問が・・(^▽^;)ホント?
・義経の女
超短編でここまで読ませる腕には恐れ入ります。
・主計は忙しい
得意のおかしみ物語
・桑の木物語 ★★★★+
(「キング」昭和24年11月号)
お風呂でホロリ泣くオンナでした。。
---
「人間の寿命はわからない、どんな名医にも人間の寿命を当てることはできまい、しかし五代も続いて早逝し、躰質が似ているものとすれば、——おそれ多いことだが、いちおう御寿命とみなければならぬ」
---
・竹拍記
中編に近い(半年間雑誌に掲載)
電車移動中集中し過ぎて、北鎌倉駅で降りる予定が乗り過ごした(^▽^;)
もう世界に入り込んで現実が見えてなかった。
そんな力を持った場面がある一作でした。
周五郎さんはホント読ませるのです。
・妻の中の女
伏線がバッリチ分かった。
読み込んでいるだけあるなと自画自賛
・しづやしづ
何で!?どうして!?
つい見悶えしてしまった。おしづや何処?
解説にもあったけど、不仲の奥さまの描写が全くなくて一方的に感じた。
・あとのない仮名
もう既に、腕のある植木職人が職も妻子も捨てて、遊蕩にふけるってあらすじを知っているので・・
それを前提に読むから微妙?文庫本の定め(どうせ先に解説読んじゃうくせにね)
ハードカバーだと余計な情報がなくて、どきわくするんだけど。
今まで読んだ物語の中でも異質かもしれない。
随分とグダグダ内面永遠こじれ物語
よい意味でも、悪い意味でも周五郎さん最晩年で深みにハマった!?どほん。
これは代表作になるの?って感じな標題作でした。
毎度の木村さんの解説 熱く語っております。
時代小説じゃなく、現代小説だと周五郎さんは言っていたそう。
---
つぎの言葉はより注目さるべきであろう。〈現在、こういうアトム(原子)時代の生活をしながら、私の、その小説から、読者の共感をよびおこすことができた、とするならば、それはまさしく現代小説であって、背景になっている時代の新旧は、問うところではない、と思うのであります〉
この講演は昭和36年5月に行われたものである。
---
「わたしの作品は、頭に丁髷こそ乗ってはいるが、全部、現代小説のつもりなんだよ」山本はよくそうわたくしに語った。
---
(予約投稿)