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『大江健三郎全小説11』完読

2025-01-07 | 大江健三郎

 



大江健三郎全小説11


2019年7月10日 第一刷発行
株式会社講談社

 

--------(抜粋)
 
 
「自分のなかに『祈り』と呼ぶほかないものが動くのを感じてきた。生涯ただ一度書きえる、それを語りかける手紙。その下書きのように、この小説を書いた。故郷の森に住んで、都会の「僕」の師匠(パトロン)でありつづける友。かれは事故のようにおそう生の悲惨を引き受けて、荒あらしい死を遂げる。かれは新生のため、また自分のもう一つの生のために、大きい懐かしさの場所をつくらねばならない(著者『懐かしい年への手紙』)


【収録作品】
河馬に噛まれる
懐かしい年への手紙
キルプの軍団

──理想郷の建設・学生運動


--------



・キルプの軍団


--------(抜粋)


高校生の「僕」は、刑事の忠叔父さんとディケンズの小説『骨董屋』を原文で読み進めていくうちに、
まるでそのストーリーが反映するかのように、とてつもない「事件」に巻きこまれてしまう。
――人間の悪とは、罪とは何か。そしてそれをのり越える「ゆるし」、「癒し」とは何かを追究した大江文学の結晶


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まず冒頭からディケンズを引用していて、そのディケンズが気になってしまった。
そう名前は知っているけど読んだことのないディケンズ

話の流れは問題ないけど、『骨董屋』を知らないばかりか入り込めない感

主人公は高校生のオーちゃん=「僕」
大江さんの子供目線
そして「僕」の父の弟である「忠叔父さん」
四国松山にある警察署で暴力犯係の刑事をしている。
はい。毎度の四国です。

兄弟は障害を持つ兄と二歳違いの妹
まさしく大江家

その僕と忠叔父さんが一緒に読むのがディケンズ
『骨董屋』の原書
その引用が次々と出てくる。
幼きネルの涙涙の物語(。-_-。)。。

さて現実へ戻り、ある日僕は叔父が自宅近くの駅で、美しい女性と話し込む様子を目撃
その女性「百恵さん」(私的に浮かんだ山口百恵・・)を追跡する男からタクシーに乗せ逃した叔父
百恵さんとは子供の頃出逢った叔父
サーカスで一輪車に乗っていた百恵さん
未だにつながりがあり、サラリーマン金融から逃亡中の百恵さんであった。

オリエンテーリング部に入っている僕
百恵さんが送って来た地図を片手に小田原へ向かう。
そこで百恵さんの旦那さん「原さん」と幼児の「タロー君」と出逢う。

原さんは百恵さんを主演とした映画を撮る計画を立てていた。
(出た~映画製作!結末は頓挫するパターン)

 
ドストエフスキー『虐げられし人びと』にネリーという女の子が出ている。
それは『骨董屋』のネルをモデルにしたといわれている。
ドストエフスキーはディケンズの愛読者だったそう。
 
 

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「オーちゃんは、あいかわらずディケンズの勉強とオリエンテーリングをいたしております!」


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もうお話云々よりイーヨーが登場することによりほっこりさせられる。
それに尽きるかな(笑)



「結局何が言いたかったんですかね?」
説明出来ず毎度私的に「??」な、難解な大江ワールド



後日談
ディケンズ『骨董屋』を読むことになったけど、
結局その引用から大江さんが何を言いたかったかは分からなかった。
「こじつけ」で流される始末でした(^▽^;)



しばらく大江さん休憩します。
 

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