平野啓一郎
『ある男』★★★+
『マチネの終わりに』がせつなくて、
他の作品も読みたいなと思ってすっかり忘却の彼方
次作の『ある男』を手に取ってみた。
最初の感じがあの『熱帯』と酷似?
一体この物語はどこへ連れてゆくんだろうと不思議な気持ちに。
この日は電車移動が多くて、
初めて乗った多摩モノレールから京王線そして西武線
移り行く景色を感じながらの移動読書
多摩モノレールは富士山が綺麗で見とれてしまった。
高幡不動で下車
ちょっとした事があったけど、うわの空
この物語が浮かんでは消え、浮かんでは消え、 ぼけっとした街歩き(★100山)
いつもの同じパターン?
独りなんだけど孤独じゃない。
感情の赴くままに、一息 深呼吸はつかない。
関係が壊れたらそれまでと思った。
後々後悔するとしても。
見知らぬ街(多摩ニュータウン)は寒々としていた。
休憩兼ねて日向ぼっこ
ベンチでページをめくるも寒風で続かず。
ムートン手袋大活躍
ハードカバーって重いけどこのずっしりした感じもよき。
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彼は、ウォッカで酔ってゆく時の角度を愛していた。 素潜りのように、深い酩酊の淵に向けて、 まっすぐ一直線に沈んでゆく。途中の道行きは澄んでいて、 言葉は決して追いつかず、風味さえ、 振り返った水面に遠く輝く光のようだった。
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「林業に携わっていて、最後はその現場で亡くなったんです。」
と言い、更に差し障りのない範囲で説明をした。小菅は、 腕組みをして、口を半開きにしたまま聴いていた。柳沢も、 顎に梅干しの種のような皺を作って相槌を打っていた。
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誰も、他人の本当の姿など、知ることは出来ないはずだった。 自分の目の前にいない時、その人が、どこで何をしているのかも。 いや、たとえば目の前にいたとしても、本心などというものは、 わかると考える方が思い上がっているのだろうか。・・・
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やはりこの方グッとくる。
読後お友達に教えようとしたら名前が出てこなかった。
「・・えーと『マチネの終わりに』書いた名前がながい作家さん」
知らんがな。
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