宇江佐真理
『糸車』★★★★
My本棚からの一冊(未読本)
最近は風野さんに翻弄されたお江戸物語が続いていたから
宇江佐さんで安定したホッとする人情物を楽しみたいかなと・・(笑)
--------(抜粋)
深川の長屋で独り暮らしのお絹。三年前までは、松前藩家老の妻だったが、夫を殺され息子勇馬は行方不明。小間物の行商をして、勇馬を探し続けている。商いを通じて、同心の持田、茶酌娘などと親交を深めるうち、様々な事件に巻き込まれ、それぞれの悩みに共感し奔走するが…。船宿の不良娘と質屋のどら息子の逃避行、茶酌娘の縁談、そしてお絹に芽生えた静かな愛。
下町の人情が胸に染みる時代小説
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母は強し!しかし探し始めて3年目に見つけ出した息子は陰間に身を落としていた。
そう人生そう簡単に上手くはゆかないと宇江佐さんは厳しさをも描いている一作
とんとん拍子と何の苦労もなく収まる人生ばかりじゃない。
息子の勇馬はそれでも心の奥では、父の仇討ちを誓っていた。
お江戸物語ではかならず仇討ちが出てくる。
もう慣れたもので何の違和感もないんだけど、よくよく考えるとスゴイことではある。
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倖せと不倖せは紙一重である。今が倖せでも、その先がどうなるのかわからない。持って生まれた運にも左右されるだろう。
肝腎なのは何があっても折れない気持ちを持つことだ。そして、何事も決めるのは自分である。人に相談したところで始まらない。
迷いながら死んだお君は本当のところ、どうしたかったんだろうか。その答えは永遠にわからず仕舞いとなってしまった。
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野分(台風)
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野分と言えば・・