阿部和重
『ブラック・チェンバー・ミュージック』★★★
初作家さん
伊坂幸太郎との共著『キャプテンサンダーボルト』未読
阿部和重 - Wikipedia
『グランド・フィナーレ』で芥川賞受賞 全然知らなかった(^▽^;)無知
目を惹く装丁から何も読み取れなかった。
単純に音楽系?
冒頭
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わたしは政治家でなかったら、映画監督になっていたでしょう
金正日『人間の証し—』
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ん?興味がわく。読んでみることにした。
初出 「毎日新聞」2019年8月1日~2020年12月3日
単行本化にあたり加筆修正をしました。
全P478
一つ突っ込み
なぜに三度目の横口健二にふりがなが??
一夜にして一気に読み進めて週末突入
キーワードはヒッチコック
編集者の知り合いを渡り歩き、映画論を専門とする大学教授に辿り着いたあたりから進展
大学教授のキャラ濃い愛人?恋人あたりから繋がり、神保町の古本屋さんへ。
その店主がまさかのバイト風
お互いの意思疎通が取れ愛の告白(独白)
拷問病院への拉致で睡魔に襲われ、そこからの脱出
探し物は沢口のバッグ(!?)
キャリーバッグだとは想像がつく。
そして再び神保町の古本屋さんの店主との対面
P280
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「自分の意思で選んだことですから問題ありません。それにわたしは、どんなリスクがあっても事実を知ることにこだわってしまうタイプの人間なので、なにもかもつつみかくさず打ちあけてくださればあとはそういうものだと納得します。」
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新潟ヤクザのヒッチコック論探しの露呈
やはり初作家さんは先読みも、パターンも未知だから展開の想像が出来ない。ブラック・チェンバー・ミュージック
そしてハナコお別れの時
新潟から船出の場面で再び睡魔・・( ゚Д゚)ネムヒー
結局失敗して戻ることになり密入国者用の宿舎で療養
尾行者のリアル
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「調査協力?」
「はい」
「なんの調査でしょう?」
「横口さんは先月下旬から密入国者をかくまってらっしゃいますね?」
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真偽が反転している鏡の世界
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トランプ大統領の隠し子!?
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「ただ、どちらにしても確たる証拠がありません。伝聞と想像の組みあわせただけでは説得力を持ちませんから、結局なにも動かせない。せいぜいこんな窓もない密室みたいな部屋にこもって、部外者のあなたひとりに向かって世間話のように推論を語りつぐことくらいしかできません。それ以上の行動は今のわたしには許可されていませんから、あいにくここで全部おしまいにせざるをえないのです」
「今後は二度とお会いするつもりはないと先にことわってありますが、ただ正直、わたしは無理を押して長時間あなたのご要望に応えたわけです。これは結構な貸しをつくったと理解してよろしいのではないでしょうか」
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浅草での鬼ごっこ
そして大団円
最後は相合傘でEND///
共著を出しているぐらいだから伊坂幸太郎系
ちょっとしたドタバタ劇(殺し屋風ヤクザも出てきたしね)
お天気が微妙な週末に映画を観たような読後感
たまにはゆっくり過ごすのもよき。
お部屋の中は仏壇に飾ってある百合の花の香りが広がっている。