チャンネル銀河放送。
「小さな駅を訪ねる韓国ローカル鉄道の旅」イム・ビョングク著、金光英美訳、平凡社を読んでいたら、紹介されていました。
鉄道が出てくる映画らしいので、見てみました。
まー、ヘビーな映画でした。
人生に絶望した男が、鉄橋の上で、向かってくる列車に「もう一度、あの日に戻してくれ!」と叫ぶ。
映画は男の過去をさかのぼる。
そこに、彼の絶望の秘密があったという映画です。
キム・ヨンホ役の主演ソル・ギョングのうまさが光ります。
「ペパーミント・キャンディー」のエピソードがうまいです。
3日前、初恋の人ヤン・スニムを見舞いに行くとき、ヨンホははっか飴を買っていく。
意識のないスニムに、ヨンホは「君にもらったはっか飴持ってきたよ。大事に取っておいたんだ」と語りかける。
19年前、スニムが、徴兵され軍にいたヨンホに送った手紙に入っていたはっか飴。
ヨンホはそのはっか飴を大事にしまっていた。
しかし、緊急出動の際、はっか飴は床にちらばり、軍靴に踏みにじられる。
20年前、工員たちのピクニック、スニムがヨンホにはっか飴をあげる。
「はっか飴好き?、私も好きになろうと努力しているの…、だって1日1000個も包んでいるんですもん」
あー、工場って、製菓工場だったのかーって、この時ちょっとびっくりしました。
はっか飴って、単なる初恋のアイテムじゃなかったんですねー。
ヨンホやスニムの無垢だった頃の気持ちの象徴だったんですねー。
ただ日本語タイトルは「ペパーミント・キャンディー」じゃないだろうって思いました。
どう考えても「はっか飴」の方が内容にふさわしいです。
でも「はっか飴」じゃ、だれも映画を見に行かないでしょうけれど…。