少し 時間がたってしまったのですが おばあちゃんを手術室に見送って私は
新宮の姉と病室横の談話室のような ホールにテレビが置かれたところに座って
いつ終わるかわからない手術を待っていました。たわいのない話をしていて、姉が
面白い動画を見つけたと、スマホを出して見せてくれたのですが、画面にでてきた
のは 茶色い一匹の猫、茶トラと称される猫だというのですが、いきなりその猫が
しゃべりだしたので 思わず椅子から落ちそうになりました。猫の口元は 人間が
しゃべるようにパクパクと動くのです。よく見ていれば 猫の写真にしゃべるアプリ
を入れてしゃべらせているのだとわかるのですが、最初の十秒くらいは 一瞬言葉
が出てきませんでした。高めの声で「みなしゃーん、うめしゃんですよ~。きょうも
愚痴りますね~」とイントネーションは 関西弁。姉は 「この猫はうめしゃんと言っ
て、面白いんや。」と説明してくれるのだけど、私はそのうめしゃんなる猫が話す内容
がおもしろすぎてもうたまらないのです。うめしゃんは 大好きなちゃおちゅーる
(猫のことは知らないので イナバという会社の猫用おやつ)は おかしゃん(おか
あさん)から朝に一本、昼に一本、夜に一本と三本貰っていたのだけど、友達の猫さ
んに聞いたら、一日四本までいいんだって、うめしゃん初めて知ったそうな。その時
ぼーぜんとしたらしい。今までずっと三本しかダメだって思っていたから それが
四本食べてもいい、食べているネコさんがいる、あとの一回はいつどのタイミングで
食べているのかショックのようだった。その語り口がめちゃくちゃおもろいのだ。
このときほど、あ~関西人でよかったわぁ と思ったのだ。うめしゃんは普段
おかしゃんとおっさんとで暮らしているのだけど、よく しゃおり(さおり)と
ちびしゃいの(さおりの息子)が遊びに来るらしい。うめしゃんをしゃべらすのは
このしゃおり さんなんだと思うけど、うめしゃんは しゃおりが好きくない のだ。
おかしゃんとまったりしていたいのに しゃおりがやってくると 落ち着かないし
ちびしゃい息子としゃおりの兄マコトとその一家が来たら 猫の生活が狂わされる
ため 二階のしゃっぶい部屋でおこた(こたつ)もつけてもらえず ふるえて階下が
静まるのをまっているんだと ある日のうめしゃんは愚痴りまくっていた。
なかなか面白い動画、YouTubeなのだが姉がもう一つ見せてくれた動画は
頭に黄色いものをかぶっている こちらはうめしゃんではない別の猫がコロナに
怒っているのだ。こちらもしゃべり方が 関西のおばさんっぽいのだが、
「(コロナに対し) あんたも人に熱を出させたり 咳を出させたりするように
育てられてへんやろ。」と誰を悟らせているんじゃい・・とつっこみたくなるほど笑え
てしまう。ちなみに 頭にかぶっているのは バナナだと、その猫は言うのだ。
私はこんなものをかぶらされてるんだと。人を笑わせて楽しくさせるものだとも
おっしゃる。私は YouTubeをほとんどみないので こんなことができるんだと
思ったのだが ≪本家おしゃべりペット うめしゃん≫で出てきます。
うめしゃんは茶トラだから 間違えないでください。うめしゃんがおもしろく、かわい
いので それを悪用して別人がアップしていると うめしゃん(しゃおり)が抗議して
も聞き入れてくれないとぼやいていました。悪いことするやつおんねんな・・・
そういうことで、おばあちゃんを待っている間、私は うめしゃんに癒されまくって
その辺の猫は嫌いだけど、うめしゃんは大好きな猫になった。
そして、これ以来 時々姉から新しいうめしゃんの動画が送られてくるのだけど、
うめしゃんをおもしろく愚痴らせるしゃおりさんに 私は敬服しているのだ。