こげの耳に★ねんぶつ★

たわいない日々の思うことと愛犬こげと花が咲いていたら花の写真など

入院生活

2014-02-14 05:30:00 | 我が家
              
                                     タチツボスミレ

寒かったり暖かかったりの日が続きます。家でいると寒く感じる日でも病院の中では、適温に設定されているのでしょう、どこを歩いても上着がいらないくらいです。季節がら、インフルエンザが流行っ

ているので、出入り口には≪マスク着用のお願い≫や電動消毒液機が設置されています。いままでおじいちゃんの診察で来ていた時でも、マスクや手の消毒なんてしたことはなかったけれど、この頃は

どちらもしています。風邪を病院内に持ち込んでは・・・、病気を家に持ち帰っては・・・と思うから。今週で4週目になるのですね。あっという間の時間の経過で、それでも家族と身内でなんとか

かんとかやってきたなぁと思います。

倒れたその日も、おじいちゃんは普段と変わらず軽トラでホームセンターで買い物に行き、食事もお風呂もすませていました。「よく運転中でなくてよかった・・・」と私たちは思っています。

ただ、おじいちゃんが入院した翌日姉夫婦たちと見舞ったときに「また元気になって車、運転せな、ね」と励ましたら、おじいちゃんは弱々しく動く右手をあげてひらひらと振ります。「もぅ運転は

できん」とモゴモゴ話します。本人も前々から私たちに「車の運転はやめたほうがいい」と言われていたのを押し切っていたのを反省したんだろう、これで車を降りるだろうと家族は喜んだのですが

どうも、最近はそれに否定的なことを言い始めたりします。かといって、運転できるかと言えば現実的には絶対無理な状態なんですがね。本人がそういう気持ちがあればリハビリにも積極的になるので

はないかと、今度は「うん、そうやね。また運転しようね」と励まします。倒れてからおじいちゃんの運転免許証を探しました。おじいちゃんは 車に乗り込むときにどこからか免許証を出してきて

乗っていたのですが、毎回違うところに(自分がわかっている場所に)置いているので、それがジャンバーの内ポケットだったり、ズボンのポケットだったり、車のダッシュボードだったりと家族も

わからないところから出してきていたので、それをみつけるのにみんなで家捜しです。思い当るところ、探してもみつからないので本人に聞けばいいだろうと聞いてみたのですが、おじいちゃんは

喋りにくい口で「・・・やと思うけど」その・・・がこちらには全然わかりません。「わかるところには置いてない」とまで言うのです。そういう日が数日続いたのですがあるとき「車の中にある」

と言います。「車のダッシュボードも 座席も探したけどなぁ」と半信半疑の私たちに「飴とか入れたとこや」というので、ダッシュボードしかありません。家に帰っておばあちゃんと何度目かの

捜索になったのですが、ダッシュボードの中には好きなカラオケのテープや愛飲のリポビタンDの瓶、爪切りにティッシュ、ハンカチ、眼鏡ふきなどに加えて小さなお菓子や飴がびっしり、手を突っ込む

とそれらがダッシュボードの底までぎっしり。「これを機会に取り出しておこう」とひとつずつ出していたら、一番底から運転免許証が出てきたのです。「あったー」と同時に爆笑です。そりゃ、

これなら自分以外にはわからへんわ・・・。運転免許証が見つかったことを報告したら「それはよかった」と安堵の表情になったので、本人も気にはなっていたようです。また、車を処分されないかと

それも気になるのか「車はあったか?ちゃんと家の前の駐車場に止めてあるのか」と言ったり。どうも、記憶が過去と現在とごっちゃになったりするようだ。じっくり聞いていたらえらい昔のことを

思い出してきて「・・・五人も六人もいて、みんな死んで残ったのが自分だけで」と指で自分を指すのだ。これは自分の兄姉が上にいたけど戦死や病死で皆他界していることを言っている。私は

「みんな会いに来た?」と冗談で言ってみた。つまりおじいちゃんをお迎えに来たのか?と聞いたのだ。おじいちゃんは首を振ったので「よかったやん。まだ来なくてもいいんやて」と笑ったらうん

うんとうなずいてきたので、安心したら「・・・こうなったのがいいのかどうか・・・」とマイナスなことを言い出したりしてきた。義兄が「お義父さん、最近は木の値段も少し動いてきたようですよ

」と言うと、いきなり目を見開いて「そぅ、それはよかった」とはっきり返事をした。私はこの人は、ほんまに山のことが懸念なんだと思いつつ、次に何を言うのかと聞いていたら「・・・公団造林して

・・・」義兄が「公団?」と聞き返すので私が「うちの山、公団造林で植えてもらってん」と教えていたら「・・ねん・・・伐れない」とおじいちゃん。私が「でもそれは育って伐れるようになる

には50、60年から。つまり私らの子供か孫くらいの話。先でどうなるかわからんけど、ね」と義兄に言ったら「お義父さん、今度その山、連れて行ってくださいよ」おじいちゃんはうなずき

「どのくらいの広さなんです?」「・・ひゃく・・・」「100町歩ですか?」ここでおじいちゃんは大あくびをして目をつぶってしまった。眠たくなって会話の途中で疲れたようだ。この話は正確で

間違ってはいないし、年齢からくる物忘れ的な症状はあるけど、そう記憶には損傷もなさそうだし、家族を見て誰かわからないということもない。ただ、元来気ままな性格なので、家にいるときと同じ

振る舞いや言動をするため、看護師さん泣かせの患者のようだ。我慢はできない、文句はいう、動く手で壁や備品をたたく・・・昼間起きている分、夜間の睡眠が浅く声を出すので着替えを持って

行ったら部屋を変えられていた(泣)。今までも、入院した時に同じような態度をしていたから家族は「またやってるのか」と思うけど、自分の体が動かせない状況にいることをわかっていたら、もう

少し控えめにしていてくれればいいのになぁ・・・と思うのだ。
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする