
おじいちゃんが倒れたとき、私の愛車は家にはいなかった。
新年になってちょうど鏡開きの日に愛車の塗装と板金をお願いして車屋さんに預けていたのでした。もう13年も乗っているから あちこちに痛みもあり、すり傷もはっきりと見えます。ボンネットは
塗装がはげて、白っぽく見え何らかの傷から腐食が進み鉄板自体が浮き上がってきています。車庫で眠れる身ならば、もう少しましだったと思うけど暑い日も寒い日も台風中も、ずっとひとりで外で
耐えてきた私の車は 相当に痛んでいる(涙)。もう新しい車に乗りかえても誰も文句は言わないんだけど、おじいちゃんだって元気な時に病院に行くときはこの車に乗ってしみじみと、
「この車はどのくらい乗るんな?」「もう13年やて。乗りかえてもいいんやけど(内心はウソ)、買ってくれる?」と運転しながら聞くと黙ってしまい「そうかぁ、そんなになるんか。軽トラと
どっちが古いんやろ・・・」と言ういつもの答えで話は終わっていた。私はテレビで何度も流れる新車のCMには目ざとく 関心も十分あるんだけども≪これだ!この車に乗りたい!!≫とワクワクする
気持ちになる車がないの。4月からの増税にホント、買い換えるなら今や!と何度も思ったけどいざ、どれにしようか・・・と思うんだけど。4月までのカウントと決められない焦りがごちゃまぜに
なって、新車を買った場合の金額と、この際気になっている箇所の塗装と板金をした場合の金額を比べて、まだまだ乗りたいから板金塗装でいまは乗り越えよう・・・となったのでした。
古座の車屋さんにお願いしに行ったら、快く引き受けてくれたけどそこから連携の塗装屋さんに回るので、そっちの仕事の段取りと代車が用意できたら連絡します・・となったのです。
用意できたというので車を持って行ったら 板金塗装のほうの車屋さんも来てそこで見積もりをしてくれます。金額的には 予想より少しオーバー気味になるけど、意に沿わない新車を買って乗ることを
思えば、そりゃしかたないなぁ・・・と思うしかないですよね。まぁ、まだ何年かはこの車で乗りたいし来年車検があって、また来年悩むかもしれないけど私自身どうしてもまだ乗りたい気持ちがある
のよね。それは、町内で同じ型の車が増殖してきたのだっぴょーん!しかし、私の乗っている車はグリルを少し変更したりくらいで2年くらいで廃盤?になってしまったのでした。発売当時はドアや
ボンネットが好みの色で変えられる、という当時は画期的すぎてドアの色が替えられてつけられている車を見たのは、二度きりしかない。かたちは当時流線型が流行りだしてきたのもあり、愛車のよう
な「四角い車です!」は少なかったし、町内でも色違いでワイン色・オリーブ・ホワイト・シルバーの数台しか走っていなかった。一番最初に消えたのがホワイト。。。ワイン色も出雲のほうから走って
いたのが、いつのまにか古座のほうから走ってくるのを見かけるようになったので引っ越したのかもしれないなぁ・・とよその車だけど、同じかたちの車の心配をしたりして、そのうちダークグリーン
も加わったり、他府県ナンバーの同型車を見かけたら「ようこそ、軽でこんな地の果てまでも」と拝んでしまうこともありました。最近、なんかよく見かけるなぁと思い「でもこの車、もぅ作られて
ないし」と観察してたらナンバープレートが「和歌山○○○」と三桁になっていた。私のは「和歌山50」だ。同世代のも二桁だから「はは~ん、三桁のは中古車なのか」と理解したのだ。
中古車でも、見てくれは私のよりずっときれいでピッカピカしている。どんだけきれいに洗って、ワックス掛けても寒天下・炎天下・雨天下にさらされたらやはりつらいとこがある・・・
あまりにみすぼらしくなったから意を決して塗装に出したら、二人の車屋さんは「・・・・だいぶみすぼらしいね。言ったらなんやけど・・・」って口をそろえていうのです(笑)ボンネットは持ち上
げて裏面をみたら「これはおなじのを探して付け替えやね」・・・そっか・・・この部分はどこかの誰かのボンネットに替わるのか・・・車屋さんは「ホイルも吹いて揚げたって」と塗装屋さんに
言っている。「ホイルをきれいにしたらだいぶ違うで。まだまだ乗れる」と言ってくれるんだけど、頭の中でお札が一枚二枚と飛んでいく・・・。いや、新しいのを買うことを思えばその何分の一かの
出費だ!と思うことしかない。ワイパーも塗装がはげてさびているので黒く塗ってもらい、まぁそんなとこかな・・・と思っていた。車屋さんたちがナンバープレートを覗き込んでいたので、
「文字が薄れてるやろ・・よけいにみすぼらしく思うけど、かといって自分でマジックででも塗ったりしたらあかんでしょ(よくしらないけど改造車になるんじゃないかな)」とヘラヘラ言ったら
「これ、新しいのに替えられるよ」「え?同じ番号で?」「うん、一枚6000円くらいかな、ね」と塗装屋さんにふると「あぁできるよ」というじゃん。「でも、一枚6000円は・・」とまた
お札鳥がピヨピヨと飛んでいく・・・それは断念したのでした。
だもんで、救急車の後ろをついて走ったのもそれから何度も田辺に走ったのも、代車でした。塗装の間だけならそう給油もしなくてよかったのに、返すまでに三度満タンに。でも、出来上がってきた車は
「お~!ピカピカじゃん!」と思わずニヤケテしまうくらいきれいになって、想定外にナンバープレートも文字がくっきり・すっきりになっているやん。「ナンバーも・・・」と言ったら、車屋さんが
「それは息子がね、磨いて書いたんや」と。そう、車屋さんの息子さんはうちの長男君と高校で同じクラスだったのだ。お父さんの車屋さんとはうちのおじいちゃんと長いあいだ自動車保険関連や、軽ト
ラの修理なんかで知っていたけど、息子さんとまた知り合いになるとは思っていなかった。息子さんにはこの車、もう2度ほどあちこち診てもらっている。請求書はまだきてないけど、「中は問題ない
けど、ブレーキ部品がすり減ってるんでそれはまた三月にでも」って言われたので、あちゃぁ・・・人間同様 車も年をとるとあちこち無理も利かなくなってくるんだと痛感したのでした。増税前になん
とかしないと、あぁこの国はいったい、私のへそくりをどうして痛めつけるんだろう・・・・