2月21日 土曜日。晴天のこの日 串本町で県が企画する企業の森事業が行われると南紀森林組合さんから連絡があり見学に行ってきました。この事業は森林事業が高齢化と林業に
携わる人口が激減し、山が荒廃化するのを防ぐために企業と森林組合、山主らが協力して植林して山・川・海を守るための事業です(かいつまんで言うと)。山が荒れると土砂が川に
流れ、堆積し 大雨などでそれが海に流れこみ漁場を痛めてしまいます。一度土砂が海に流れてしまうとエサや産卵場所が無くなってしまい漁業も困窮するということです。
県が企業の森として 参加する企業を募りますが やはり植林プラス遠くから来るのでそのあとの温泉や観光も・・・という希望もあるらしく、比較的白浜や熊野古道に近い山が
求められるらしく、なかなか串本町には白羽の矢も飛んではこなかったのですが、昨年≪漁民の森≫として漁連が参加してくれるという話になったわけです。
植林伐採してから数年以上経っている山にスギやヒノキを植えるのではなく 広葉落葉樹を植えてもらうのです。日本木材は 有名産地のものは今でも高値になるけど なかなかその他は
需要も厳しく、一度伐採すると新たに植林を行うというのは育つ年数を考え、後継者問題を考え、50年後に見合う値になるかと考えると二の足も三の足も踏むよね・・・
柱や建築木材として使われる部分より、木質チップとして燃料需要にと、日本中の荒れた山の倒木をかき集めれば原子力発電の一基分はできるそうだけど倒木を集めるまでの道の整備や
人員確保にはまだまだ時間がかかり、立ち木を伐採するとその跡を放置できず何かしら植えていかねばなりません。まぁ火力発電しすぎたら二酸化炭素の量が増えて温暖化を助長するんじゃ
と思うんだけど、なかなか難しく先の見えない林業事業です。おじいちゃんは常々 立ち木だけでなく山ごとすっぽり買ってくれる人がいたらいいのに・・と言っていますが、
北海道やあちこちで水資源を求めてかの国が買い求めているなんて週刊誌の記事なんか見ると、誰彼かまわずというのもできませんね。平地の土地ではなく 山って一つの山でもこっちは
うちで、あっちは誰それ、山の尾までは誰々で、谷は誰と線引きも難しい。昔の人なら 山に入って自分で植えて体で覚えていったけど、チンプンカンプンな世界だ。
森林組合さんからの連絡では 60名ほどと組合員が現地で植林の説明をしてサポートしながらやっていきます・・ということだ。総数 約1,000本の広葉落葉樹の苗木を植えるわけ
です。
漁民の森
青いネットで囲んだところに植える
中腹に上がって行く道もつけている。私たちが到着した時は森林組合さんたちしか来ていなかったけど時間をつぶすというか 植林にも参加しない私たちはだいぶ離れた場所で待機して
30分後に行くと、もう植えてくださる漁連関係の人の車で路肩が埋まっていました。
県から出向いてきたかたなのか、ハンドマイクで主旨の説明とお礼を述べていました。そのあと 森林組合長さんと組合参事さんが挨拶や 植え方の説明。
全国植樹祭でその県の子供たちが 未来の山のためにドングリを蒔いて育てた苗を 企業の森にも植えることになっているということをスピーチで言っていました。この日は一人当たり
20本くらいの予定にそのドングリ苗が一本プラスされ21本くらいのお仕事だそうです。
手に手にクワと苗木を持って山に上がっていきます。たぶん この山の土は 石がゴロゴロの穴を掘るのも大変だと思います。頑張ってください。おじいちゃんが元気だときっと
先頭きって上がって行くはず。この企画のことは倒れる前に説明を受けていて了解済みですが いまはあまり思い出せないふうなことを言っていましたが・・・