もう6月に入りました。
私も頑張って 恒例の草刈り期に突入しています。今年は なんだかスローペースで
こんなことしてちゃ 真夏にまでかかるのではないかと危惧しながら。そして 人々
(ご近所さん)に、「こんな暑い時に無理したらあかんで」と言われながら、有難い心配
してくれている言葉に愛情を感じてはいるものの、「でもね、やらなきゃならないの」と
うつむくしかありません。やっと 一枚の田んぼを終えて、いま 旧こげのグラウンド
に取り掛かっていますが、昨年同様 午前中刈って、午後はその草をメッシュ網で
囲った柵の中に運び入れる・・・を繰り返しているわけで もう紫外線どうのこうのと
言うほど 若くもないし(笑)、日々ばてないよう休み休み刈っています。
二週間ほど前、そんな草刈りを終えて家に戻った時に愛車のタイヤの横に 見慣れ
ない 鳥のひながたたずんでいました。「なんだ、こいつ。こんなところにいるという
ことは巣から落ちたのか?くちばしの黄色いやつやな」こういうものは 見てしまった
ら最後、気になる。いまは ヘビやカラスがそこかしこにいて この小さい命を狙って
いる。なんて名前の鳥かは知らないし 下手に助けても私は鳥に詳しくはない。
野鳥も勝手に手を出してもいけないらしいから でも ヘビやカラス 猫に襲われる
のも見たくない。畑にいたおばあちゃんも お昼時なのにこのままでは昼食もとれな
いと嘆く。そこに 行商の魚屋さんがやってきて事情を話すと「そいつは焼き鳥に
できるのか?」と言い出し、なんてかわいそうな・・・と話していたら 「ぴよぴよぴー
ぴよぴよぴー」と頭上でけたたましく鳥が鳴いた。
「親がいるみたい」と電線でとまる親鳥を発見。どうやら 親が物騒な私たちに
警戒せよ!とひなに知らせている。飛行体験中だったのか、それとも昆虫の捕獲体験
中だったのか炎天下でひなが行動範囲を狂わせてしまったのかもしれない。
親が頭上で鳴くし、ひなはその声でなんとか我が家の外壁の上に飛び上がろうと
もがくように飛び上がっている。捕まえて運んであげればいいのだろうが やはり
人間が手を出すべきものではないだろう。外壁は1メートル60センチくらいか、
何十回も飛んでは落下を繰り返している。もう少しなのに 力尽きて落ちてくる。
何かが近くでさーっと舞い降りてきたと思ったら 親のもう一羽が そのイソヒヨに
猛進し 体当たりをして ひなから離そうとしている。鳥というのは 小さいほど
外敵が多くて 成鳥になるのはほんと大変だなと思った。群れで行動する鳥なら
命を落とす危険も減少するだろうけど こういう核家族の鳥は親も よくぞ親に
なれたものだと拍手してあげなければいけない。
こうして 飛び上がり 落ちるを繰り返して生きていくのだ。がんばれと言うしか
できないが、がんばって生きてくれ・・・
しかし、勝手なもので 私もこの繰り返される光景に少々飽きてきた。
草を刈って おなかもすいているのだ。家に入ろうとしたらおばあちゃんが
突っ立って見続けている「狙われたらあかんやろ」と思いっきりの慈悲心。
その気持ちが通じたのか ひなが畑のほうに飛んだ。「ありゃ 真上に飛び上がる
のは厳しかったけど 横方向にはなんとか飛べるんや」いっしょに電線にいた親も
畑に舞い降り 緑に茂った雑草の中からまたぴよぴよぴー ぴよぴよぴーと呼んで
いる。草むらでしばし休もうとするのか 私たちギャラリーも引きどきのようだ。
草むらには虫がいっぱいいるから落ち着いてから またどこかにいってくれることを
願ったのでした。