「このマリンバンドは当たり!」とか「ハズレ」という言葉をよく聞いたり、みたりします。
個人的には慣らしをしてもコームが飛び出てくるMarineBandClassicはハズレと思っています(製造時の木目の選び方次第だと思うんだけど、それだけじゃないんだろうなぁ。外見からではあまりわかりません)。
「ベンドしやすい」「ベンドのつながりが良い」「鳴りが良い」等といった事もよく聞きます。
評判のモデルを買ってみても人によっては「デカイ音が出せない」「小さな音では鳴らせない」「プラスティックなのに息漏れがひどい」「ベンドのコントロールがし難い」「固い」と意見がバラバラ。。。
また、同じモデルなのにキーによっても違うし(Ebって何故か固いものが多い気が)、同じキーでも違ったりと結構ブルー入ります。
なので、息の合うハープと出会うと大切に使いたいと思いながらも、出番も多くなります。
当たりハープの感触に味をしめ当たりを引くまで同じモデルを買い続けるとか、「付合ってられっかー、ハープなんか辞めちゃえー」と思う人もいるかもしれません。
まぁ、色々要因があるのかと思います。
■製品としてのバラつき
工業製品だからどうしても、バラつきはでます。不良品だってありますが製品管理が進んだ現在では不良品は殆ど無いでしょう。
ハーモニカをばらしてリードプレートをみてみれば分かりますが、凄く単純な構造です。しかしリードは微妙な円弧を描いていたりします。
ハーモニカは、このリードの反り方ひとつで吹いた感じが全然ちがってくるのです。しかも凄く微妙な調整で、一度ぴしゃりと調整したつもりでも時間がたつと結構かわったりするものなんです。
工場で調整をされている方はそういった事を見越した調整をされているのかと思いますが仕様として許容される範囲のバラつきが人によってはハズレに感じるのかもしれません。
#まぁ、気になるから私も調整するのですが。。。
■吹き方がなっとらん(ぷんぷん)!
これが一番の要因かと思います。自分がそうでしたので。
「俺様はベンドできるぜぇ~、なのにベンドできないのは、このハーモニカが駄目なんだろぉ」なーんて思い上がってしまうのも人間です。
田中光栄さんの「初歩の初歩 入門」には正しいベンドの判断基準として「~楽に軽々とできること」とあります。
この教則本は大変良く出来ていて教則本フェチの私としてはベンドが出来ている人にもお奨めしたいです。
各穴毎のベンドの仕方や、音色を良くするための様々な工夫が書かれているので時々見返しては「あーっ、おーっ」と振り返ってみたりしています。
「フーッ」と冷ます息ではなく「ハーッ」と熱い息で!という表現をしている教則本は他にはあまりありません(あったり。。ちょっと弱気です)。
話が逸れましたが、ハーモニカを吹けているようで実は楽器を鳴らせていないという事は多々あります。実際アルバム中でプアな音色の演奏が商品として通っています(まぁ味と言えば味ですし、音楽はそれだけじゃないもんね)。
そんなカリスマやタレント性の無いアマチュアはリッチな音色で吹けるにこしたぁことは無いんです。プアな音は直ぐにでも出せますので。因にどうやるかって?リキめば良いんです。
ここでは説明しませんので、カッコいいと思う音を沢山聞いて、気に入った教本、YouTube(JasonRicci様がお奨め)等をみつけて腰を据えて吹き方、音色を研究してみては如何でしょうか。
音は研究すれば必ず今より良い音になります!そんでもって今より吹き易くなります。
■メーカが想定しているスタイルと自分の吹き方がマッチしていない
FireBreathが出た時は「ベンドがムチャクチャし易い!」と思いましたが、TomboのFolkBlues2は「スーカ、スーカ、シテマース、シテマース」と思わず連呼してしまいました(音色は好きです)。
FolkBluesが悪い訳ではありません。FireBreathはOverBlowをし易くするため「あげみ」というリードとプレートの距離を低くしているので、少ない息の量でリードコントロールをし易い製品です。それが、その時の私のスタイルと合っていたのだと思います(今でも良いと思いますよ)。
FolkBluesは調律が純正律(しかもちょっと変わっている)ということからOverBlowは殆ど考えず、強くブローする事を想定しているようです。
FolkBluesが吹き易いと感じる人にはFireBreathは「デカい音が出し難い」「音が詰まりがち」と感じるかもしれません。
意外ですが、MeisterMSは結構スカスカ(悪くいっているのでは無いのです。大好きな機種です)。MarineBandClassicやOldStandbyeは何もせずにOverBlowできたりするものがあったり、見た目のイメージと一致しない個体もたまにあります(HohnerのClassicシリーズとHeringのリードはOverBlowの時にキーッという音が出難いです。出ない訳ではないです)。
またOverBlowが出来るから良い機種でもないのです(良い機種が多いには違わないが)。。自分のやりたい事と楽器が一致しているかが重要なわけです。多分。
さぁ、疲れてきました(笑)。
疲れたので極論します(おいおい)。
吹き方は別として「ハーモニカの吹き易さ」はリード調整でどうにでもできます。
自分のスタイルに合うように調整してしまえば、ハズレのハープも当たりにできますし、スタイルが変わったら調整すれば良いのです。
楽器のコンディションはなんとか出来るのです。あとはそれを吹く人間様の問題。
「スタイル~?そんなのまだないよー」イエス!
昔に比べて私も随分マシになりましたが、音色は未だ発展途上!
昔吹き易いと調整したハープが、急に息詰りを感じたりだってします。
「明日はもう少し良い音色になっているかも」とポジティブに考えるなら、現時点で吹き易いようにリードを調整し、楽器に胸を借りつつも互いで一つになって上を目指していくのも一つの手かと思います。
もちろん「吹き方」がきちんとしていないのに、リードばかりいぢっても仕方ありませんので、調整をすすめられるのは中級以上の方になるかと思いますが、ある程度きちっとしてきたら、考えてみるのも悪くないかと思います。
ということで、ぼちぼちリードの調整編へと進みます(予定)。
写真は山下公園の遊歩道から見える一般人出入り禁止のところで仲良く丸まっているネコです。たまにじゃれてパンチ合戦していたりします。
楽器も人間も互いに支え合い、ほのぼのいきたいもんです。
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