先日、WOWWOWで錦織圭&伊達公子の今、を放映していました。
2013年シーズンは二人とも順調な滑り出しでしたが、後半になり伸び悩み、よい成績を残せませんでした。
番組内での錦織君のプレイ分析。
・トップ選手と比較して、試合時間が長い。このため、シーズン後半に疲れが蓄積して体の切れが悪くなる。
・その原因は、決め球の不在。ショットの鋭さがないために、ラリーが長引いてしまう。
・長いラリー中に根負けしてしまうゲームも目立った(フレンチオープンのナダル戦がよい例)。
その後、コーチを1990年代の名選手マイケル・チャンへ依頼しました。
チャンは身長175cmと錦織君よりも小柄ながら、フレンチオープン優勝(1989年、17歳2ヶ月の最年少記録)経験者で、最上位世界ランキングは2位を記録しています。
コートを縦横無尽に走りまわり、ボールを拾いまくる姿が目に焼き付いています。ネットに出てきた相手選手の頭上を越えるロビング・ショットのコントロールも絶妙でした。
彼は錦織君のプレイを見て「エースを取れるフォアがあればランキング上位に食い込める」と判断し、一歩踏み込んで振り切る練習をトコトンやらせています。
錦織君が「いじめられてます」と豆だらけの手を見せてくれました。
でも、その表情は充実感に満ちているようにも見えました。
2014年1月13日、全豪オープンが始まります。
昨シーズンとはひと味違う錦織選手に注目!
■ 錦織に全仏王者の教え コーチにマイケル・チャン氏
(2013年12月26日:朝日新聞)
師走に世界のテニス界が注目するニュースが飛び込んだ。錦織圭(23)が4大大会の男子シングルス最年少優勝記録(17歳3カ月)をもつマイケル・チャン氏(41)=米国=をコーチに迎えると発表した。トッププロを指導した実績がないチャン氏が、錦織のラブコールを受けた理由は何か。新シーズンの開幕直前、米フロリダ州ブラデントンを訪ね、錦織とチャン氏に胸の内を聞いた。
――チャン氏にコーチを打診した理由は。
「目標である世界ランキングのトップ10入りを果たし、その位置を保つには、その厳しさを経験で知る人の助言を受けたい気持ちが芽生えてきた。僕よりも背が低いし、プレースタイルも似た面がある」
――2年前、東京で開かれたチャリティーイベントで対決したのが縁ですね。
「あのとき、トップ選手と戦う上で『相手を尊敬しすぎて、気後れするな』などと心構えを話してくれた。プレーで感じたのはミスをしない。穴がないオールラウンダーという印象でした」
――契約が本格的に動き出したのは秋ごろとか。
「そうですね。メールで『苦手な選手は誰だ?』と聞かれ、映像を取り寄せて分析してくれたり。真剣さと情熱を感じた」
――12月前半、チャン氏の自宅がある米カリフォルニアでの2週間のトレーニングは相当きつかったそうですね。
「午前は9時~11時半、午後は2時~4時がコートでの練習。その後2時間ほどジムやプールに場所を移し、さらにマッサージ。部屋に戻るのは、午後7時半ぐらいでした」
――日本の中学、高校の「部活」の合宿のようなイメージですね。
「へばってましたね。カリフォルニアでも、ブラデントンに戻っても、練習から帰って寝るだけ。疲れて家族とも話せないような日々が続きました」
――精神面での助言というより、完全に技術、肉体の強化がメーンですね。
「僕自身、トップ10に入るための気持ちの持ち方とかを伝授してもらうイメージだったけど、指導を受けて、技術面の相当細かいところまで直された」
――予想外でしたか。
「直さなきゃいけないところが、こんなにあるんだとショックもあったけど、今までにない充実感というか、ちょっと感動しましたね。すべてが新鮮で、指摘に納得できる」
――自身のブログでチャン氏を「世界のトップ3のコーチに入る」と最大級の称賛をしています。例えば?
「サーブだとトスを上げる位置。今までは真上に上げていたのを、少しだけ右斜め前に。より、ボールに力が伝わりやすいと」
「フォアハンドでベースラインと並行して足を置いていたショットでも、ほんの少し左足を前に置くことで、腰の回転が利いて威力が増すとか。よく細かい点に気づくなと思う」
――これまで自分で培ってきた技術の土台を崩す怖さはないか。
「多少ありましたね。フォームをいじるとき、今までの自分の概念と全く違うときは」
――反論はしない?
「少しは言います。でも、今のところ、ほとんど言い負かされている……。押しつけじゃなく、一つひとつ丁寧に論理的に説明してくれるし、実際に言われたとおりに打ってみると、納得できることが多い」
――心理面で教わったことは?
「一番心に残っているのは、練習でどれだけ自分を追い込むかによって、試合を楽に戦える、と。練習はきついですけどね。いじめられてます。ただ、今までにないやる気というか、光は見えてきた気がします」
――体の状態は? 腰、右足首、左ひざも大丈夫?
「体の不安はないです。今までにない充実感で約3週間過ごせたので、シーズン最初の大会に、自信を持ってスタートできます」
2013年シーズンは二人とも順調な滑り出しでしたが、後半になり伸び悩み、よい成績を残せませんでした。
番組内での錦織君のプレイ分析。
・トップ選手と比較して、試合時間が長い。このため、シーズン後半に疲れが蓄積して体の切れが悪くなる。
・その原因は、決め球の不在。ショットの鋭さがないために、ラリーが長引いてしまう。
・長いラリー中に根負けしてしまうゲームも目立った(フレンチオープンのナダル戦がよい例)。
その後、コーチを1990年代の名選手マイケル・チャンへ依頼しました。
チャンは身長175cmと錦織君よりも小柄ながら、フレンチオープン優勝(1989年、17歳2ヶ月の最年少記録)経験者で、最上位世界ランキングは2位を記録しています。
コートを縦横無尽に走りまわり、ボールを拾いまくる姿が目に焼き付いています。ネットに出てきた相手選手の頭上を越えるロビング・ショットのコントロールも絶妙でした。
彼は錦織君のプレイを見て「エースを取れるフォアがあればランキング上位に食い込める」と判断し、一歩踏み込んで振り切る練習をトコトンやらせています。
錦織君が「いじめられてます」と豆だらけの手を見せてくれました。
でも、その表情は充実感に満ちているようにも見えました。
2014年1月13日、全豪オープンが始まります。
昨シーズンとはひと味違う錦織選手に注目!
■ 錦織に全仏王者の教え コーチにマイケル・チャン氏
(2013年12月26日:朝日新聞)
師走に世界のテニス界が注目するニュースが飛び込んだ。錦織圭(23)が4大大会の男子シングルス最年少優勝記録(17歳3カ月)をもつマイケル・チャン氏(41)=米国=をコーチに迎えると発表した。トッププロを指導した実績がないチャン氏が、錦織のラブコールを受けた理由は何か。新シーズンの開幕直前、米フロリダ州ブラデントンを訪ね、錦織とチャン氏に胸の内を聞いた。
――チャン氏にコーチを打診した理由は。
「目標である世界ランキングのトップ10入りを果たし、その位置を保つには、その厳しさを経験で知る人の助言を受けたい気持ちが芽生えてきた。僕よりも背が低いし、プレースタイルも似た面がある」
――2年前、東京で開かれたチャリティーイベントで対決したのが縁ですね。
「あのとき、トップ選手と戦う上で『相手を尊敬しすぎて、気後れするな』などと心構えを話してくれた。プレーで感じたのはミスをしない。穴がないオールラウンダーという印象でした」
――契約が本格的に動き出したのは秋ごろとか。
「そうですね。メールで『苦手な選手は誰だ?』と聞かれ、映像を取り寄せて分析してくれたり。真剣さと情熱を感じた」
――12月前半、チャン氏の自宅がある米カリフォルニアでの2週間のトレーニングは相当きつかったそうですね。
「午前は9時~11時半、午後は2時~4時がコートでの練習。その後2時間ほどジムやプールに場所を移し、さらにマッサージ。部屋に戻るのは、午後7時半ぐらいでした」
――日本の中学、高校の「部活」の合宿のようなイメージですね。
「へばってましたね。カリフォルニアでも、ブラデントンに戻っても、練習から帰って寝るだけ。疲れて家族とも話せないような日々が続きました」
――精神面での助言というより、完全に技術、肉体の強化がメーンですね。
「僕自身、トップ10に入るための気持ちの持ち方とかを伝授してもらうイメージだったけど、指導を受けて、技術面の相当細かいところまで直された」
――予想外でしたか。
「直さなきゃいけないところが、こんなにあるんだとショックもあったけど、今までにない充実感というか、ちょっと感動しましたね。すべてが新鮮で、指摘に納得できる」
――自身のブログでチャン氏を「世界のトップ3のコーチに入る」と最大級の称賛をしています。例えば?
「サーブだとトスを上げる位置。今までは真上に上げていたのを、少しだけ右斜め前に。より、ボールに力が伝わりやすいと」
「フォアハンドでベースラインと並行して足を置いていたショットでも、ほんの少し左足を前に置くことで、腰の回転が利いて威力が増すとか。よく細かい点に気づくなと思う」
――これまで自分で培ってきた技術の土台を崩す怖さはないか。
「多少ありましたね。フォームをいじるとき、今までの自分の概念と全く違うときは」
――反論はしない?
「少しは言います。でも、今のところ、ほとんど言い負かされている……。押しつけじゃなく、一つひとつ丁寧に論理的に説明してくれるし、実際に言われたとおりに打ってみると、納得できることが多い」
――心理面で教わったことは?
「一番心に残っているのは、練習でどれだけ自分を追い込むかによって、試合を楽に戦える、と。練習はきついですけどね。いじめられてます。ただ、今までにないやる気というか、光は見えてきた気がします」
――体の状態は? 腰、右足首、左ひざも大丈夫?
「体の不安はないです。今までにない充実感で約3週間過ごせたので、シーズン最初の大会に、自信を持ってスタートできます」