冬休みが開けてから2週間くらいするとインフルエンザが流行するのが例年のパターンです。今シーズンもそろそろかと思われます。
注意を喚起する記事を2点紹介します;
■ インフルエンザ 新学期の大流行を防ごう
(2012.1.10 産経新聞)
ほとんどの学校で、連休明けから新学期が始まる。寒さもさらに厳しくなる。インフルエンザの本格的流行を防ぐために手洗いやうがいを徹底して、十分な睡眠と栄養補給を心掛けたい。
流行性感冒と呼ばれるように、インフルエンザは急速な広がりが特徴だ。学校から家庭や社会へ大流行すれば、社会機能が麻痺(まひ)してしまうことさえある。これを防ぐには、まずは一人ひとりができる限りの感染予防に努めることが重要となる。
厚生労働省によれば、今冬の流行は昨年12月初旬に始まった。全国約5千の定点医療機関からの報告(1週間に1機関を訪れた患者数)が1を超えると「流行開始」とみなされる。冬休みに入った週(12月19~25日)の全国平均は、3・34だった。
この数字が10を超えると注意報に、30超で警報となる。現在、最も多いのは宮城県の25・47で、愛知と三重が10を超えている。宮城の突出ぶりに関しては、「東日本大震災後の厳しい生活環境の影響ではないか」との見方がある。
新学期に入ると、子供たちが再び一つの教室内で長い時間を過ごす。感染機会もぐんと増え、流行が拡大するのが例年の傾向だ。しかも、今冬は大陸から強い寒気が断続的に流れ込み、気温は全国的に低く空気も乾燥している。大流行の条件がそろってきた。
子供たちが学校で感染すると、各家庭にも広まる。高齢者や幼児ら健康弱者を中心に、2千人近い死者を出したこともある。ここが通常の風邪と大きく異なる点である。侮ってはならない。
とくに被災地では、慣れない土地に移って避難生活を強いられるお年寄りなども少なくない。周囲は十分に注意してほしい。
厚労省は「せきエチケット」の励行やワクチンの接種を呼びかけている。通勤電車など人混みではマスクを着用したい。自身の予防のためだけではなく、罹患(りかん)した場合に周囲の人々にうつさないようにする気遣いでもある。
家に戻ったら、うがいや手洗いを励行したい。夜更かしも禁物だ。万一具合が悪くなったら、無理をせずゆっくり休むことだ。
ワクチンに即効性はないが、いま打てば来月には効果が出て、感染しても症状の悪化を食い止められる。厳しい冬だが、元気で乗り切れる工夫をしよう。
もう一つは気象予報士さんの書いた記事。
現在、インフルエンザの流行する条件(低温、乾燥)が揃ってますね。
■ インフルエンザ、天気を知ってしっかり予防
(2012年1月10日 tenki.com)
1月9日は成人の日でしたが、風邪の日でもありました。
なぜ9日が風邪の日かというと、1795年の9日、第四代横綱で63連勝の記録を持つ近代無比の名横綱・谷風(谷風梶之助)が1794年の年末にインフルエンザで倒れ、高熱のため死去したことから風邪の日と言われています。
そこでインフルエンザのことを「風」にひっかけて「谷風」と呼ぶようになったともいわれています。=「無敵の風邪」という意味です。
今シーズンもインフルエンザの増加が続いています。
厚生労働省が取りまとめた1月1日までのインフルエンザ発生状況によると、今シーズンのインフルエンザの定点当たり報告数は2011年10月17日以降増加が続いており、12月26日~1月1日の定点当たり報告数は3.75(患者報告数17,802)となっているということです。
※ 定点あたりの報告数とは、全国に約5000ヵ所あるインフルエンザの定点医療機関での、受診した患者数の平均です。
都道府県別では愛知県(17.62)、三重県(15.36)、宮城県(14.35)、岐阜県(10.29)、香川県(9.78)、岡山県(8.89)、山口県(7.75)、沖縄県(7.19)の順で多くなっています。インフルエンザが急増している愛知県、宮城県や北海道では警報も発表されています。
インフルエンザは温帯地方では、冬季に感染が広がります。南半球では、7月~8月の冬に流行します。
つまり、インフルエンザが流行する気象条件に、
★気温の低下
★空気の乾燥
★降水がない
が挙げられます。
このところの天気は、というと太平洋側や九州ではほとんど雨の降っていません。北関東や九州・中国地方の多くの地点で、ここ30日間1mm以上の降水がありませんでした。
東京では今日まで26日間連続で乾燥注意報が発表されています。
次に太平洋側に雨が降るのは、南岸低気圧のやってくる15日以降の予想です。それまでは空気はカラカラの状態が続くでしょう。
そして、この先一週間は寒い日が続きます。今日から強い寒気が流れ込んできています。日本海側は広い範囲で雪となり、太平洋側は平年よりも低い気温となるでしょう。冷たい空気は15日以降、西から来る南岸低気圧によって解消される見込みです。
つまり、インフルエンザは、空気が冷たく乾燥する16日までは要警戒となります。
天気を知ることで、感染が抑えられることがあります。
学校などではインフルエンザが流行した時期に空気が乾燥し気温が低い日がしばらく続くときは、早めに対策を立てると良さそうです。
個人ではうがい手洗いや体調管理の徹底をしましょう。
■風邪ひき指数は、ウィルスへの感染のしやすさを表した指数です。指数が高い日は特に注意して、予防しましょう。
また、加湿器などを利用して湿度を50%以上に上げましょう。体温を下げないように暖かい服装や食べ物・飲み物を飲むなどの工夫をすることもできます。
体調を崩さず冬を乗り切りたいですね。(日直予報士 河島みれい)
注意を喚起する記事を2点紹介します;
■ インフルエンザ 新学期の大流行を防ごう
(2012.1.10 産経新聞)
ほとんどの学校で、連休明けから新学期が始まる。寒さもさらに厳しくなる。インフルエンザの本格的流行を防ぐために手洗いやうがいを徹底して、十分な睡眠と栄養補給を心掛けたい。
流行性感冒と呼ばれるように、インフルエンザは急速な広がりが特徴だ。学校から家庭や社会へ大流行すれば、社会機能が麻痺(まひ)してしまうことさえある。これを防ぐには、まずは一人ひとりができる限りの感染予防に努めることが重要となる。
厚生労働省によれば、今冬の流行は昨年12月初旬に始まった。全国約5千の定点医療機関からの報告(1週間に1機関を訪れた患者数)が1を超えると「流行開始」とみなされる。冬休みに入った週(12月19~25日)の全国平均は、3・34だった。
この数字が10を超えると注意報に、30超で警報となる。現在、最も多いのは宮城県の25・47で、愛知と三重が10を超えている。宮城の突出ぶりに関しては、「東日本大震災後の厳しい生活環境の影響ではないか」との見方がある。
新学期に入ると、子供たちが再び一つの教室内で長い時間を過ごす。感染機会もぐんと増え、流行が拡大するのが例年の傾向だ。しかも、今冬は大陸から強い寒気が断続的に流れ込み、気温は全国的に低く空気も乾燥している。大流行の条件がそろってきた。
子供たちが学校で感染すると、各家庭にも広まる。高齢者や幼児ら健康弱者を中心に、2千人近い死者を出したこともある。ここが通常の風邪と大きく異なる点である。侮ってはならない。
とくに被災地では、慣れない土地に移って避難生活を強いられるお年寄りなども少なくない。周囲は十分に注意してほしい。
厚労省は「せきエチケット」の励行やワクチンの接種を呼びかけている。通勤電車など人混みではマスクを着用したい。自身の予防のためだけではなく、罹患(りかん)した場合に周囲の人々にうつさないようにする気遣いでもある。
家に戻ったら、うがいや手洗いを励行したい。夜更かしも禁物だ。万一具合が悪くなったら、無理をせずゆっくり休むことだ。
ワクチンに即効性はないが、いま打てば来月には効果が出て、感染しても症状の悪化を食い止められる。厳しい冬だが、元気で乗り切れる工夫をしよう。
もう一つは気象予報士さんの書いた記事。
現在、インフルエンザの流行する条件(低温、乾燥)が揃ってますね。
■ インフルエンザ、天気を知ってしっかり予防
(2012年1月10日 tenki.com)
1月9日は成人の日でしたが、風邪の日でもありました。
なぜ9日が風邪の日かというと、1795年の9日、第四代横綱で63連勝の記録を持つ近代無比の名横綱・谷風(谷風梶之助)が1794年の年末にインフルエンザで倒れ、高熱のため死去したことから風邪の日と言われています。
そこでインフルエンザのことを「風」にひっかけて「谷風」と呼ぶようになったともいわれています。=「無敵の風邪」という意味です。
今シーズンもインフルエンザの増加が続いています。
厚生労働省が取りまとめた1月1日までのインフルエンザ発生状況によると、今シーズンのインフルエンザの定点当たり報告数は2011年10月17日以降増加が続いており、12月26日~1月1日の定点当たり報告数は3.75(患者報告数17,802)となっているということです。
※ 定点あたりの報告数とは、全国に約5000ヵ所あるインフルエンザの定点医療機関での、受診した患者数の平均です。
都道府県別では愛知県(17.62)、三重県(15.36)、宮城県(14.35)、岐阜県(10.29)、香川県(9.78)、岡山県(8.89)、山口県(7.75)、沖縄県(7.19)の順で多くなっています。インフルエンザが急増している愛知県、宮城県や北海道では警報も発表されています。
インフルエンザは温帯地方では、冬季に感染が広がります。南半球では、7月~8月の冬に流行します。
つまり、インフルエンザが流行する気象条件に、
★気温の低下
★空気の乾燥
★降水がない
が挙げられます。
このところの天気は、というと太平洋側や九州ではほとんど雨の降っていません。北関東や九州・中国地方の多くの地点で、ここ30日間1mm以上の降水がありませんでした。
東京では今日まで26日間連続で乾燥注意報が発表されています。
次に太平洋側に雨が降るのは、南岸低気圧のやってくる15日以降の予想です。それまでは空気はカラカラの状態が続くでしょう。
そして、この先一週間は寒い日が続きます。今日から強い寒気が流れ込んできています。日本海側は広い範囲で雪となり、太平洋側は平年よりも低い気温となるでしょう。冷たい空気は15日以降、西から来る南岸低気圧によって解消される見込みです。
つまり、インフルエンザは、空気が冷たく乾燥する16日までは要警戒となります。
天気を知ることで、感染が抑えられることがあります。
学校などではインフルエンザが流行した時期に空気が乾燥し気温が低い日がしばらく続くときは、早めに対策を立てると良さそうです。
個人ではうがい手洗いや体調管理の徹底をしましょう。
■風邪ひき指数は、ウィルスへの感染のしやすさを表した指数です。指数が高い日は特に注意して、予防しましょう。
また、加湿器などを利用して湿度を50%以上に上げましょう。体温を下げないように暖かい服装や食べ物・飲み物を飲むなどの工夫をすることもできます。
体調を崩さず冬を乗り切りたいですね。(日直予報士 河島みれい)