いよいよ来週、当院でもインフルエンザワクチン接種がはじまります。
私自身は先頭を切って昨日接種しました。
ちょっと痛かったけど、今日は腫れていないし全然大丈夫。
さて、本日紹介する論文は「インフルエンザワクチンが軽症化に役立つ」という報告です。
「ワクチンは病院に入院するレベルのインフルエンザ陽性肺炎患者を57%減らす効果がある」という内容;
■ ワクチン未接種の患者が多いインフルエンザ関連肺炎による入院
(2015.10.08:メディカル・トリビューン)
米・Vanderbilt UniversityのCarlos G. Grijalva氏らは,市中感染肺炎により入院した患者のうち,インフルエンザ関連肺炎の患者は,インフルエンザ非関連肺炎の患者と比べ,小児・成人ともにインフルエンザワクチン未接種が多いことが分かったとJAMA(2015年10月5日オンライン版)で報告した。
□ インフルエンザ関連肺炎のみで検討
米国における季節性インフルエンザの流行による入院は年間平均22万6,000件で,死者数は3,000~4万9,000人に上る。肺炎は,米国において主要な感染症入院と死亡の原因となっており,インフルエンザの合併症としても一般的で,かつ重症化する場合が多いが,インフルエンザワクチン接種により市中肺炎による入院リスクが減少するか否かは不明であった。肺炎全般に焦点を当てた研究は過去にもあったが,インフルエンザウイルスを原因とする肺炎は一部であり,ワクチンの有効性を肺炎全般で評価するには無理がある。今回の症例対照研究では,ワクチン接種とインフルエンザ関連肺炎との相関のみに焦点を当てた。
2010年1月~12年6月に米国の4地域(テネシー州ナッシュビルおよびメンフィス,シカゴ,ユタ州ソルトレークシティー)8施設で市中肺炎入院患者を追跡した多施設前向き観察研究EPICの一環として,生後6カ月以上で検体検査によりインフルエンザ感染が確認された患者のデータを用い,インフルエンザ陽性の肺炎患者(症例群)と陰性の肺炎患者(対照群)の間で,さまざまな因子(人口統計学的因子,合併症,季節,地域,発症時期)を調整後のインフルエンザワクチン接種率を比較した。最近の入院患者,長期療養施設入居者,重度の免疫抑制患者は除外した。
□ 症例群の接種率は57%低い
合計2,767例の入院患者が登録基準に合致し,そのうち162例(5.9%)が検体検査でインフルエンザ陽性で(症例群),2,605例が陰性であった(対照群)。インフルエンザの予防接種を受けていたのは,対照群では29%(766例)であったのに対し,症例群では17%(28例)であった。背景因子を調整後の症例群におけるインフルエンザ接種率のオッズ比は0.43(95%CI 0.28~0.68)で,ワクチンの推定有効性は56.7%(同31.9~72.5%)であった。
Grijalva氏らは「市中肺炎により入院した小児と成人において,検体検査でインフルエンザ関連肺炎が確認された患者のワクチン接種率は,インフルエンザ非関連肺炎患者の接種率と比べて低かった」と結果をまとめ,「今回の研究は,インフルエンザ感染の判断に前向きかつシステマチックな方法を用い,肺炎入院の定義も標準化している。今回示された症例群と対照群の間のワクチン接種率の差と,ワクチンの有効性に関する情報を基に,ワクチン接種により全米で回避できる肺炎入院数を推算できるであろう」との考察を述べている。
私自身は先頭を切って昨日接種しました。
ちょっと痛かったけど、今日は腫れていないし全然大丈夫。
さて、本日紹介する論文は「インフルエンザワクチンが軽症化に役立つ」という報告です。
「ワクチンは病院に入院するレベルのインフルエンザ陽性肺炎患者を57%減らす効果がある」という内容;
■ ワクチン未接種の患者が多いインフルエンザ関連肺炎による入院
(2015.10.08:メディカル・トリビューン)
米・Vanderbilt UniversityのCarlos G. Grijalva氏らは,市中感染肺炎により入院した患者のうち,インフルエンザ関連肺炎の患者は,インフルエンザ非関連肺炎の患者と比べ,小児・成人ともにインフルエンザワクチン未接種が多いことが分かったとJAMA(2015年10月5日オンライン版)で報告した。
□ インフルエンザ関連肺炎のみで検討
米国における季節性インフルエンザの流行による入院は年間平均22万6,000件で,死者数は3,000~4万9,000人に上る。肺炎は,米国において主要な感染症入院と死亡の原因となっており,インフルエンザの合併症としても一般的で,かつ重症化する場合が多いが,インフルエンザワクチン接種により市中肺炎による入院リスクが減少するか否かは不明であった。肺炎全般に焦点を当てた研究は過去にもあったが,インフルエンザウイルスを原因とする肺炎は一部であり,ワクチンの有効性を肺炎全般で評価するには無理がある。今回の症例対照研究では,ワクチン接種とインフルエンザ関連肺炎との相関のみに焦点を当てた。
2010年1月~12年6月に米国の4地域(テネシー州ナッシュビルおよびメンフィス,シカゴ,ユタ州ソルトレークシティー)8施設で市中肺炎入院患者を追跡した多施設前向き観察研究EPICの一環として,生後6カ月以上で検体検査によりインフルエンザ感染が確認された患者のデータを用い,インフルエンザ陽性の肺炎患者(症例群)と陰性の肺炎患者(対照群)の間で,さまざまな因子(人口統計学的因子,合併症,季節,地域,発症時期)を調整後のインフルエンザワクチン接種率を比較した。最近の入院患者,長期療養施設入居者,重度の免疫抑制患者は除外した。
□ 症例群の接種率は57%低い
合計2,767例の入院患者が登録基準に合致し,そのうち162例(5.9%)が検体検査でインフルエンザ陽性で(症例群),2,605例が陰性であった(対照群)。インフルエンザの予防接種を受けていたのは,対照群では29%(766例)であったのに対し,症例群では17%(28例)であった。背景因子を調整後の症例群におけるインフルエンザ接種率のオッズ比は0.43(95%CI 0.28~0.68)で,ワクチンの推定有効性は56.7%(同31.9~72.5%)であった。
Grijalva氏らは「市中肺炎により入院した小児と成人において,検体検査でインフルエンザ関連肺炎が確認された患者のワクチン接種率は,インフルエンザ非関連肺炎患者の接種率と比べて低かった」と結果をまとめ,「今回の研究は,インフルエンザ感染の判断に前向きかつシステマチックな方法を用い,肺炎入院の定義も標準化している。今回示された症例群と対照群の間のワクチン接種率の差と,ワクチンの有効性に関する情報を基に,ワクチン接種により全米で回避できる肺炎入院数を推算できるであろう」との考察を述べている。