新型コロナが流行してから、小児科医の目が釘付けになった疾患です。
ここではMIS-C(ミスシー)と表記します。
子の病気の症状を見ると、
いわゆる「川崎病」とほぼ一致します。
川崎病は全身の血管の炎症を起こす乳幼児の病気で、
重症の場合、心臓の冠動脈に後遺症を残す、
やっかいな病気です。
しかし原因がずっとわからないままでした。
今回の新型コロナウイルス感染とMIS-Cがリンクしたことで、
学会レベルで、川崎病のウイルス感染説が俄然盛り上がると思われます。
MIS-Cについてこちらの動画「小児におけるコロナ後遺症の実際」(森内浩幸Dr.)を参考に紹介します。
引用は主に「新型コロナウイルス感染症COVID-19診療の手引き.第8.1版」からです。
▢ MIS-C;
・新型コロナウイルス感染後に、多臓器にわたる強い炎症を起こす病態
【経過】
・無症状もしくは軽症の新型コロナウイルス感染症罹患から2-6週後に、
高熱、下痢、嘔吐、腹痛などの消化器症状
・前後して血圧低下、ショック、心不全
・しばしば川崎病に類似した症候群(※)を伴う
※ 発疹、眼球結膜充血、口唇・口腔粘膜の発赤やいちご舌、指趾の発赤など
・日本での報告は欧米に比べて少ない
※ 11例(2021年7月-2022年1月)
・・・注意すべきは「無症状」の新型コロナ感染の場合にもあり得るということ、
つまり感染歴がないからといって、除外するわけにはいかないのです。