徒然日記

街の小児科医のつれづれ日記です。

アメリカで百日咳、オランダで麻疹の大流行?

2013年09月06日 18時06分16秒 | 小児科診療
 先進国では予防接種が進んでおり対象疾患の流行は制圧されているはず・・・と思いきや、意外なタイトルのニュースが飛び込んできました。

百日ぜき、大流行の恐れ 米テキサス州で患者急増
(共同通信社 2013年9月6日)
 【オースチン(米テキサス州)UPI=共同】米南部テキサス州で百日ぜき患者が急増しており、保健当局は現在のペースで患者が増え続ければ約50年ぶりの大流行になる恐れがあると懸念している。
 地元紙フォートワース・スター・テレグラムは3日、今年に入ってからの患者数は8月27日現在、1935人に上り、うち2人が死亡し、年末までに2009年の3358人を突破する恐れがあると報じた。
 米国ではワクチンの普及で百日ぜきが流行することはほとんどなくなったが、テキサス州ではワクチンを有害なものと懸念する親が子どもに予防接種を受けさせなかったり、初回接種だけして追加接種を受けなかったりするケースがあり、これが流行の原因とみられている。


 ただ、百日咳で命を落とすのは生後間もない赤ちゃんです。自分の意思ではワクチンを接種できない弱者を守らない選択をした大人達をつくづく残念に思います。
 あ、日本政府が胎児の先天性風疹症候群対策に及び腰である事実も、同じことですね。

 次は一ヶ月前のニュース。

はしか流行拡大の恐れ オランダ、新学期控え懸念
(共同通信社 2013年8月13日)
 【ハーグ(オランダ)新華社=共同】オランダの感染症対策センター当局者は12日、地元メディアに対し、同国内ではしかの流行が一段と拡大する恐れがあるとの懸念を表明した。
 当局者によると、感染者の大半はこれまでのところ、同国中部地方に限定されているが、新学期が始まって子どもらが学校に戻ると、流行拡大のリスクが増すことが予想されるという。
 はしかの流行は5月下旬、キリスト教保守派の信者が多く住む中部の「バイブル・ベルト」(聖書地帯)と呼ばれる一帯で報告された。オランダでは1976年以降、国が導入した制度により、ほとんどの国民がはしかワクチンの接種を受けているが、バイブル・ベルトの一部住民は、宗教的な理由から接種を拒否している。


 接種しなければ感染症に罹る、集団で接種を拒否すれば流行する・・・当たり前のことです。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 18人目の先天性風疹症候群 | トップ | 炭酸飲料をたくさん飲むと子... »

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

小児科診療」カテゴリの最新記事