徒然日記

街の小児科医のつれづれ日記です。

口コミに答えて(2023.6.14)

2023年06月12日 19時35分12秒 | 小児科診療
当院は小児科開業医です。
先日、某サイトに以下の口コミがありましたので紹介します;

「こどもの直腸脱でかかりました。 内科系疾患ではないため門前払いもあり得ると考え、症状を診ていただけるかの確認の電話を事前にしました。 受付の方から看護師に代わり、「診れると思いますよ〜」とのことだったので来院しました。(思います?大丈夫か?と思いつつ) 予約システムがあるので待ち時間は少なかったです。長所はそこだけですね。 診察では、紹介状を出すと言われました。そして最後に質問をすると「分かりませんね。そういう質問されたことないので」とぶっきらぼうな返しでした。絶句で、一言も返せず診察室を出ました。一応漢方が処方されました。診察内容から不安が残ったので薬局で聞くと、元気の出る薬だそうですw 最後にただ1人女性の方だけが親身になって診察室での件を謝罪してくださり、少し安心できました。他の方は受付含め特に愛想があるわけでもなく、もう行かないと思います。 そして口コミを全て読みましたが、私は元々愛想がなくうんたらかんたらと返信されていますが、こんなところで反論してるんだったら笑顔の練習1つでもしたらどうでしょう?1人でやってるんなら勝手に愛想悪くしてれば良いですが、ご自身の元で働いてくださってる従業員の生活もかかってるんですから。 今回の件を受けてもう行かないと思う私のような人間もいれば、口コミを見て行かないと決める方もいるでしょう。事前の電話確認も信じないほうがいいと思います。」

ひとことで言えば「クレーム」ですね(^^;)。
返信を書いたのですが、どうも消されてしまうシステムがあるらしく残らないので、
こちらのサイトに書き写すことにしました。

まずは不快な思いをさせてしまい、申し訳なく思っています。
季節外れの風邪の流行で診療枠の2倍の患者さんを受け入れたため、
すでに1時間以上お待ちの方もいて、
説明は必要最低限にせざるを得ず、
言葉が足りなかったと反省しています。

さて、小児科開業医は、病気の種類にかかわらず、
子どもの健康に関する相談事に幅広く対応しています。
なので原則、当院では明らかな外科疾患でなければ相談事をすべて受け入れています。
実際に診療し当院で解決することがほとんどですが、
自分の専門外で診療経験のない病気であれば信頼できる専門家へつないでおり、
それが当院の役割の一つと思っております。

口コミを書いた方にも、問い合わせの電話の際に、
「診療して当院で解決できない場合は、
 専門施設へ紹介することがあります」
と説明があったはずですが、
不安から耳に入らなかったのでしょう、
「よかった、ここで解決できる」
と思い込んだ様子、これはよくあることです。

そして今回、診療の結果、
内科的には解決できず専門医につなげる必要があると判断し、
私は近隣の総合病院へ紹介状を書きました。

相談された病気は、おそらく他院を受診しても、
「うちでは診ることができません」
「他へ行ってください」
という類いのものです。

私は「他に行ってください」とは言わず、
「ここに行けば解決できます」という道案内をし、
責任を全うしたと考えています。

いくつか質問を受けましたが、
この病気の診療経験がない小児科医の私には答える知識がなく、
「わかりません」
「紹介先の専門医に聞いてください」
とコメントするしかありません。

それにお怒りのようですが、
わからないことをわかったようにごまかして説明することは、
私のポリシーに反すること。
熟知している病気については、
しつこいほど説明をすることたびたびありますが。

当院を受診され、専門医につながったことは、
お子さんにとってよかった。
紹介先で診療を受けて解決し、
ご家族に笑顔が戻ることを祈っております。

処方した漢方薬は「元気の出るくすり」として有名ですが、
肛門脱に有効な、数少ない漢方薬のひとつです。
薬局の薬剤師さんはそこまで知らなかったと思われます。
「肛門脱」「漢方」で検索していただければおわかりいただけると思います。


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