現在、日本列島はインフルエンザ流行のピークを迎えています。
■ インフルエンザ:猛威、全国警報レベル 2週連続、200万人突破
(毎日新聞社 2015年1月24日)
国立感染症研究所は23日、18日までの1週間に全国約5000の定点医療機関を受診したインフルエンザの患者は平均37人で、全都道府県で警報レベルの30人を超えたと発表した。医療機関内での集団感染による死亡例や高齢者の重症化が目立つことから、専門家は抗ウイルス薬の予防投与を呼び掛けている。
感染研によると、この間のインフルエンザ患者数は推計201万人で、2週連続で200万人を超えた。九州地方での増加が目立ち、1医療機関当たりの患者報告数は宮崎県99・58人▽沖縄県84・78人▽熊本県73・59人▽佐賀県69・74人▽大分県66・47人――など。
検出されたウイルスはA香港型(H3N2)が最も多い。他の型に比べ、高齢者や小児で重症化しやすいと言われる。報告された入院患者の66%が60代以上で、22%が9歳以下だった。
最近話題になった、病院/施設でのインフルエンザ集団感染のニュースをピックアップしました。
(報道年月日)所在地 ー 病院/施設 ー 感染者数(患者・入所者/職員)ー 死亡者数(患者/職員)ー 施行していた感染予防対策
(1.24)広島県八千代市 ー 八千代病院 ー 25人(16/9)ー 1(1/0) ー 不明
(1.24)滋賀県草津市 ー 特老「ぽぷら」ー13(8/5)ー 1(1/0)ー 不明
(1.23)愛媛県西条市 ー 西条中央病院 ー 29(17/12)ー 4(4/0)ー ワクチン(ほとんどの患者と職員)
(1.22)大阪府寝屋川市 ー 結核予防会大阪病院 ー 31(不明)ー 2(2/0)ー 不明
(1.21)福岡県北九州市 ー 鳥巣病院 ー 51(41/10)ー 2(2/0)ー 不明
(1.21)愛媛県八幡浜市 ー 市立八幡浜総合病院 ー 36(24/12)ー「マニュアルに従って対策を講じてきた」
(1.20)大阪府箕面市 ー 箕面市立病院 ー 12(9/3)ー 2(2/0)ー 不明
(1.19)長野県松本市 ー 国立病院機構まつもと医療センター松本病院 ー 25(21/4)ー 2(1/1)ー 不明
(1.18)香川県観音寺市 ー 高齢者施設「とよはま荘」ー 22(19/3)ー 不明
(1.10)広島県竹原市 ー 安田病院 ー 93(66/27)ー 1(1/0)ー 不明
(2014.12.30)宮崎県高千穂町 ー(高齢者施設)ー 30(20/10)ー ワクチン(全員)
これらの中で、感染拡大の原因にまで言及した記事はほとんどありません。
メディアはキチンと情報収集して報道していただきたい!
・・・そんな中、なんとか二つ見つけました;
■ インフル感染後も「鼻水程度の症状」で勤務続行(2015年01月24日:読売新聞)
愛媛県西条市朔日市の西条中央病院でインフルエンザの集団感染が起き、入院患者4人が死亡した問題で、23日の記者会見で、感染拡大を防げなかった病院の体制の甘さが明らかになった。会見で、高田泰治院長らは、感染していた職員が勤務を続けたため、職員同士で感染が広がったと説明した。「職員は予防接種を受けていて、鼻水程度の症状はあったが仕事を続けた」として、当初、職員には感染の自覚がなかったことがわかった。
■ インフルエンザ 施設の対策 再点検を(2015.1.25:信濃毎日新聞より抜粋)
松本市の国立病院機構まつもと医療センター松本病院でインフルエンザの集団感染が発生し、入院患者と看護師が亡くなった。
亡くなったのは、重症の白血病で入院していた70代の男性と、病棟でインフルエンザ患者を担当していた40代の女性看護師だ。病院の説明では、今月10日にインフルエンザの患者3人が入院して以降、入院患者21人と看護師4人に感染が広がった。
病院はマスクの着用や手洗いの励行など例年通りの予防を実施。感染拡大が確認されてからは、面会を制限し、新たなインフルエンザ患者を受け入れないなどの対策を進めたという。
2年前、上田市の病院で集団感染が発生し、高齢の入院患者2人が亡くなった。発症した患者、職員は全員が予防接種を受けていたが、防げなかった。この時、早めの検査や疑わしい段階で抗ウイルス薬を投与することが今後の課題として挙がった。こうした教訓が共有され、生かされたのか。病院だけでなく県も検証すべきだ。
厚生労働省は「インフルエンザ施設内感染予防の手引き」を示し、施設の特性に応じた対策を求めている。例えば、感染の拡大防止では、流行期に可能な限り空いた個室を用意しておき、患者が発生した場合に使うといった危機管理を挙げている。足元の対策に盲点がないか。病院や高齢者施設は確かめる必要がある。
今回、医療従事者の間に波紋を広げているのは、健康だったとされる看護師がインフルエンザ脳症で亡くなったことだ。
インフルエンザで最も重い合併症である脳症の発症は、これまで乳幼児に集中していた。まれに大人が発症するのは、持病があるケースだった。2009年にも鹿児島県内の看護師が新型インフルエンザの脳症で亡くなっているが、脳や甲状腺に持病があった。持病がなく、予防接種も受けていた大人がなぜ、重症化し死亡に至ったのか。解明し、対策に生かすことも欠かせない。
「ワクチンを接種していたから大丈夫と思った」と病院側が認識していたら、それはプロとして甘いと云わざるを得ません。
また、日本では「鼻水くらいでは病気のうちに入らない、高熱で寝込む以外仕事を休むなんてあり得ない」というのが一般常識。これを変えない限り、集団感染のリスクはなくならないでしょう。難しいですね・・・。
当院でも先週はスタッフが2人インフルエンザに感染し、約1週間隔離措置(学童と同じ基準を適用)として休んでいただきました。おかげでやりくりが大変になり、医師の私は元気だけどスタッフがいないため、あわや臨時休診となる危機に見舞われました(苦笑)。
あ、もちろん私を含めてスタッフ全員、毎年せっせとワクチンを接種しています。
■ インフルエンザ:猛威、全国警報レベル 2週連続、200万人突破
(毎日新聞社 2015年1月24日)
国立感染症研究所は23日、18日までの1週間に全国約5000の定点医療機関を受診したインフルエンザの患者は平均37人で、全都道府県で警報レベルの30人を超えたと発表した。医療機関内での集団感染による死亡例や高齢者の重症化が目立つことから、専門家は抗ウイルス薬の予防投与を呼び掛けている。
感染研によると、この間のインフルエンザ患者数は推計201万人で、2週連続で200万人を超えた。九州地方での増加が目立ち、1医療機関当たりの患者報告数は宮崎県99・58人▽沖縄県84・78人▽熊本県73・59人▽佐賀県69・74人▽大分県66・47人――など。
検出されたウイルスはA香港型(H3N2)が最も多い。他の型に比べ、高齢者や小児で重症化しやすいと言われる。報告された入院患者の66%が60代以上で、22%が9歳以下だった。
最近話題になった、病院/施設でのインフルエンザ集団感染のニュースをピックアップしました。
(報道年月日)所在地 ー 病院/施設 ー 感染者数(患者・入所者/職員)ー 死亡者数(患者/職員)ー 施行していた感染予防対策
(1.24)広島県八千代市 ー 八千代病院 ー 25人(16/9)ー 1(1/0) ー 不明
(1.24)滋賀県草津市 ー 特老「ぽぷら」ー13(8/5)ー 1(1/0)ー 不明
(1.23)愛媛県西条市 ー 西条中央病院 ー 29(17/12)ー 4(4/0)ー ワクチン(ほとんどの患者と職員)
(1.22)大阪府寝屋川市 ー 結核予防会大阪病院 ー 31(不明)ー 2(2/0)ー 不明
(1.21)福岡県北九州市 ー 鳥巣病院 ー 51(41/10)ー 2(2/0)ー 不明
(1.21)愛媛県八幡浜市 ー 市立八幡浜総合病院 ー 36(24/12)ー「マニュアルに従って対策を講じてきた」
(1.20)大阪府箕面市 ー 箕面市立病院 ー 12(9/3)ー 2(2/0)ー 不明
(1.19)長野県松本市 ー 国立病院機構まつもと医療センター松本病院 ー 25(21/4)ー 2(1/1)ー 不明
(1.18)香川県観音寺市 ー 高齢者施設「とよはま荘」ー 22(19/3)ー 不明
(1.10)広島県竹原市 ー 安田病院 ー 93(66/27)ー 1(1/0)ー 不明
(2014.12.30)宮崎県高千穂町 ー(高齢者施設)ー 30(20/10)ー ワクチン(全員)
これらの中で、感染拡大の原因にまで言及した記事はほとんどありません。
メディアはキチンと情報収集して報道していただきたい!
・・・そんな中、なんとか二つ見つけました;
■ インフル感染後も「鼻水程度の症状」で勤務続行(2015年01月24日:読売新聞)
愛媛県西条市朔日市の西条中央病院でインフルエンザの集団感染が起き、入院患者4人が死亡した問題で、23日の記者会見で、感染拡大を防げなかった病院の体制の甘さが明らかになった。会見で、高田泰治院長らは、感染していた職員が勤務を続けたため、職員同士で感染が広がったと説明した。「職員は予防接種を受けていて、鼻水程度の症状はあったが仕事を続けた」として、当初、職員には感染の自覚がなかったことがわかった。
■ インフルエンザ 施設の対策 再点検を(2015.1.25:信濃毎日新聞より抜粋)
松本市の国立病院機構まつもと医療センター松本病院でインフルエンザの集団感染が発生し、入院患者と看護師が亡くなった。
亡くなったのは、重症の白血病で入院していた70代の男性と、病棟でインフルエンザ患者を担当していた40代の女性看護師だ。病院の説明では、今月10日にインフルエンザの患者3人が入院して以降、入院患者21人と看護師4人に感染が広がった。
病院はマスクの着用や手洗いの励行など例年通りの予防を実施。感染拡大が確認されてからは、面会を制限し、新たなインフルエンザ患者を受け入れないなどの対策を進めたという。
2年前、上田市の病院で集団感染が発生し、高齢の入院患者2人が亡くなった。発症した患者、職員は全員が予防接種を受けていたが、防げなかった。この時、早めの検査や疑わしい段階で抗ウイルス薬を投与することが今後の課題として挙がった。こうした教訓が共有され、生かされたのか。病院だけでなく県も検証すべきだ。
厚生労働省は「インフルエンザ施設内感染予防の手引き」を示し、施設の特性に応じた対策を求めている。例えば、感染の拡大防止では、流行期に可能な限り空いた個室を用意しておき、患者が発生した場合に使うといった危機管理を挙げている。足元の対策に盲点がないか。病院や高齢者施設は確かめる必要がある。
今回、医療従事者の間に波紋を広げているのは、健康だったとされる看護師がインフルエンザ脳症で亡くなったことだ。
インフルエンザで最も重い合併症である脳症の発症は、これまで乳幼児に集中していた。まれに大人が発症するのは、持病があるケースだった。2009年にも鹿児島県内の看護師が新型インフルエンザの脳症で亡くなっているが、脳や甲状腺に持病があった。持病がなく、予防接種も受けていた大人がなぜ、重症化し死亡に至ったのか。解明し、対策に生かすことも欠かせない。
「ワクチンを接種していたから大丈夫と思った」と病院側が認識していたら、それはプロとして甘いと云わざるを得ません。
また、日本では「鼻水くらいでは病気のうちに入らない、高熱で寝込む以外仕事を休むなんてあり得ない」というのが一般常識。これを変えない限り、集団感染のリスクはなくならないでしょう。難しいですね・・・。
当院でも先週はスタッフが2人インフルエンザに感染し、約1週間隔離措置(学童と同じ基準を適用)として休んでいただきました。おかげでやりくりが大変になり、医師の私は元気だけどスタッフがいないため、あわや臨時休診となる危機に見舞われました(苦笑)。
あ、もちろん私を含めてスタッフ全員、毎年せっせとワクチンを接種しています。