学問空間

「『増鏡』を読む会」、第10回は3月1日(土)、テーマは「二条天皇とは何者か」です。

『インカとスペイン 帝国の交錯』

2018-06-29 | 「大山喬平氏の中世身分制・農村史研究」

投稿者:鈴木小太郎 投稿日:2018年 6月29日(金)10時26分18秒

マヤからメキシコ壁画運動に移り、増田義郎氏の『メキシコ革命』(中公新書、1968)を経て同氏の『古代アステカ王国』(中公新書、1963)に遡り、更にインカに南下しているところなのですが、ここは網野さんの本拠地ですね。
網野さんといっても善彦氏ではなく御子息の徹哉氏の方ですが、徹哉氏の「講談社創業100周年記念出版 興亡の世界史」シリーズ第12巻『インカとスペイン 帝国の交錯』(2008)は次のように始まります。(p13)

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 クスコ大広場〔プラザ・マヨール〕。ケチュア語でハウカイパタ。ここをインカ史探求の旅の出発点としてみよう。空から俯瞰すると、ピューマの形をしているとされるペルー南部の都市クスコだが、広場はちょうどこの動物のおなかのあたりに抱かれている。町は三四〇〇メートルもの高度に位置する。南アメリカ大陸を南北に走るアンデスの山々に囲まれているが、南東方向、ピューマの背に沿うようにして少しずつ降りていくと、そのずっと先には、聖なる谷が広がっている。なんと青い空だろうと思っていると、突然さーっと雨が落ちてきて、気がつくと大きな虹がかかっている。
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徹哉氏の文体は、父・善彦氏のようにところどころでハッタリをかましつつ、キビキビと力強く論証を進めて行くスタイルとは違って、少し甘い香りが漂いますね。
このあたりはもしかすると中沢新一氏の影響を多少受けているのかもしれません。
中沢新一氏にとっては網野善彦氏が『僕の叔父さん』ですが、「徹哉君」にとっては、従兄弟とはいっても10歳も年上の中沢新一氏(1950生)が「僕の叔父さん」ならぬ「変なおじさん」なのかもしれません。

相生山「生駒庵」の謎(その1)~(その3)
https://blog.goo.ne.jp/daikanjin/e/0141ae1bd6e55dc08e9e822e3f56971b
https://blog.goo.ne.jp/daikanjin/e/e231c5ca3b2e83a351118759975e9e42
https://blog.goo.ne.jp/daikanjin/e/5db8b93cf3b3c7fab312fdfee1b35bee
『血族』の世界
https://blog.goo.ne.jp/daikanjin/e/09bcdc10aadd78cf2dde13b4772e1802

>筆綾丸さん
>キラーカーンさん
また、新しい観光地の誕生ですね。
市長さんも実は狙っていたりして。

https://twitter.com/koldinni/status/1011258841605005314

https://www.theguardian.com/world/2018/jun/26/second-spanish-church-falls-prey-to-well-intentioned-restorer-st-george-ecce-homo-monkey-christ
https://www.nytimes.com/2018/06/26/world/europe/spain-estella-church-statue.html

※筆綾丸さんとキラーカーンさんの下記投稿へのレスです。

輪廻転生 2018/06/27(水) 20:39:03(筆綾丸さん)
https://www.bbc.com/news/world-europe-44619416
https://edition.cnn.com/style/article/spanish-church-restorer-st-george-intl-trnd/index.html
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%81%96%E3%82%B2%E3%82%AA%E3%83%AB%E3%82%AE%E3%82%AA%E3%82%B9
たんに画に関連するだけの話で恐縮ですが、ここまで「修復」すると、もう犯罪ですね。こんな顔では、竜を退治できません。下の方の絵は、Ecce Homo から Monkey Jesus への華麗なる輪廻転生です。??

RE:輪廻転生 2018/06/28(木) 01:22:32(キラーカーンさん)
https://matome.naver.jp/odai/2137644250058123801

この一件以来、スペインはこの手の「魔修復」を
キラーコンテンツにしようとしているのではないか
と邪推したくなります。
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