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新幹線の前に・・・ サルベージ@「へんこつ」

戦後間もない頃に営業をはじめ、平成になった頃、京都駅の北東地域の区画整理で京都タワーのすぐ裏に移転したお店。

もう時効でしょうが、高校時代に山陰本線や奈良線などの撮影に来ていた頃。もちろん新幹線はありましたが、貧乏学生の身では「超特急」は高嶺の花。
少しでも安い手段で移動して、浮いたお金をフィルム代に回すといった貧乏高校生時代、夜行列車や深夜のハイウェイバスは大変ありがたい交通手段でした。

夕方までの撮影を終えて、駅周辺で時間つぶしをするときに、よく立ち寄ったのがこの「へんこつ」。

当時はバラック建ての半分屋台のような感じの飲み屋でしたが、お酒が安い(おいおい高校生が?)のと、煮込みが旨いので度々訪れたお店です。

数年前、駅周辺をふらふら歩いていた時、ピンと感じるものがあってお店に入りお品書きを見てビックリ!
場所も変わり、店内も綺麗になっていましたが、あのバラックだった「へんこつ」にン十年ぶりで再会したのでした!

テーブルを囲んだオジサン達に聞いたところ、「そうやで、前は塩小路の『向こう』んとこにあったんや」「店は汚いけど、煮込みは旨いで~」「女将もホンマの婆ぁになったけど元気やで~」

行こう、行こうと思いながらも、限られたスケジュールで夕方訪れる機会がないまま数年。念願かなって店内へ!

で、タイトルの「サルベージ」がこちら


牛のモツやテールを何年も注ぎ足している八丁味噌ベースの大鍋で煮込みます。
(手前のピンボケがテール)
鍋底からすくうので「サルベージ」
トロトロになった牛「肉」?が絶品!

この他に豆腐や竹輪などの「おでん」がありますが、絶対のお勧めは「生レバ」。
常時あるとは限りませんが、行く機会があれば是非お勧め!

常連さんは「豆腐の浅いとこ!」とか、お替り(こちらでは同じお皿に足してくれる)を頼むとき、「(皿に少しだけ残ってる)肉放るなよ!」など、言いたい放題!でも、長年のお付合いがあればこその会話で好感が持てます。

こちらの写真は11月16日号の「週刊新潮」。「変わらない この人、この店」という巻末の連載に紹介されたもの。


最初お店に入った時写真の女将さんが見当たらなかったので、「お年もお年だから亡くなったのかな?」などと勝手な想像をして聞けなかったのですが、記事を見て聞いたところ「ぁ お婆ちゃん お使いに出とるわ~」
前にパチンコ好きと聞いていたので「また隣?(隣が駅前のパチンコ屋)」と聞くと笑っていました。

写真の髭のご主人と、向日町(京都近郊の客車区)に昔の在来線の「こだま」を見に行った話などに花を咲かせた一日の終りでした。
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