「花嫁のパパ」第1回のシナリオを分析。
★基本構造
宇崎賢太郎(時任三郎)の娘への過度の愛情とそれをうざいと感じる宇崎愛子(石原さとみ)の対立。
対立はどんどん深まっていくが、ある事柄で共感。
ある事柄とはキャッチボール。
愛子は思い出す。賢太郎とキャッチボールした時、楽しかったこと。そういった思い出づくりの大切さ。
この共感は同時に事件も一件落着させる。
子供服ブランド立ち上げのパーティでは失敗してしまったが、キャッチボールをしたことのない少年・努の孤独を愛子たちは、その父親に伝える。
『対立→共感→事件解決』
この構造を覚えておきたい。
これはいわばドラマの定石。ドラマづくりでいろいろ応用できるだろう。
★設定を分からせる方法
第1回目ということで視聴者はキャラクターも人間関係も真っ白な形で見る。
そこで設定をわからせるために作家は「門限」という素材を使った。
社会人・愛子の門限は7時→これで賢太郎の過保護ぶりがわかる。反発する愛子でそれを彼女が面白く思ってないことも。
一方、賢太郎も必ず7時に帰ってくる→愛子もせりふで「これだからヒラ社員なのよ」と言っていたが、これで賢太郎が仕事優先の父親でないことがわかる。
過保護親子の対立を朝の家の中だけで「門限」という素材で表現した。
なかなかうまい。
★キャラクターの描き方
賢太郎の娘への愛を表現するエピソードが随所に盛り込まれている。
紅白饅頭、家の前での記念写真、愛子の会社での挨拶、「ドンマイアイコ」のお赤飯のお弁当、キッズ携帯……。
愛子の反応はひたすらウザい。愛子の会社の先輩社員の反応もキモい。
しかし、これを別の側面からも描いてみせた。
賢太郎の会社の若い女の子は、食事の誘いも断って「娘が帰ってきますから」と言って定刻に帰る賢太郎を「かっこいい」と言う。(同じく娘がいるという職場の所長には冷たい)。
同じ事象を180度違った形で描くこと。
これもキャラクターを豊かに描くための効果的な方法だ。
★しんみりさせる
ずっとハイテンションばかりでは視聴者は疲れてしまう。
そこで描かれるのはしんみりしたシーン。
冒頭、門限のことでバトルを演じた愛子と賢太郎。
愛子は賢太郎の用意した赤飯で父親の愛情を感じ、しんみりする。
★モノローグの使い方1
子供時代の回想シーンに移るために、愛子はモノローグでこう言う。
「わたしの父はずっとこんな感じ。20年間ずっと子供扱いされてきた」
★モノローグの使い方2
愛子の会社への出勤シーンではこんなモノローグで。
「わたしは今日、父から卒業する」
駅を歩く愛子。
「もう父の言いなりにはならない」
道を歩く愛子。
「新しい世界で思う存分羽ばたいてやる」
会社のビルを見上げる愛子。
モノローグを重ねることで、単なる移動シーンにしていない所がいい。
もっともこれらモノローグで表現されていることは、前の芝居で十分語られているので、いささかくどい感じもするが……。
★終わらせ方
キャッチボールのことで共感し合えた様に見えたふたりだったが、ここでわかり合えたらドラマは終わってしまう。作家はさらなる亀裂、ドラマを発展させなくてはならない。
そこで用意したのは、愛子を怒らせての「わたし、結婚します!」宣言。
これで視聴者は次が見たくなる。
★名せりふ
賢太郎「服の汚れは洗えば落とせるけど、子供と遊んだ記憶は一生なくならない。子供が笑ってくれたら、それでいいでしょう?」
愛子「子供って楽しかったこと覚えているんですよ」
愛子と賢太郎が同じことをセットで語っている所が感動的。
★基本構造
宇崎賢太郎(時任三郎)の娘への過度の愛情とそれをうざいと感じる宇崎愛子(石原さとみ)の対立。
対立はどんどん深まっていくが、ある事柄で共感。
ある事柄とはキャッチボール。
愛子は思い出す。賢太郎とキャッチボールした時、楽しかったこと。そういった思い出づくりの大切さ。
この共感は同時に事件も一件落着させる。
子供服ブランド立ち上げのパーティでは失敗してしまったが、キャッチボールをしたことのない少年・努の孤独を愛子たちは、その父親に伝える。
『対立→共感→事件解決』
この構造を覚えておきたい。
これはいわばドラマの定石。ドラマづくりでいろいろ応用できるだろう。
★設定を分からせる方法
第1回目ということで視聴者はキャラクターも人間関係も真っ白な形で見る。
そこで設定をわからせるために作家は「門限」という素材を使った。
社会人・愛子の門限は7時→これで賢太郎の過保護ぶりがわかる。反発する愛子でそれを彼女が面白く思ってないことも。
一方、賢太郎も必ず7時に帰ってくる→愛子もせりふで「これだからヒラ社員なのよ」と言っていたが、これで賢太郎が仕事優先の父親でないことがわかる。
過保護親子の対立を朝の家の中だけで「門限」という素材で表現した。
なかなかうまい。
★キャラクターの描き方
賢太郎の娘への愛を表現するエピソードが随所に盛り込まれている。
紅白饅頭、家の前での記念写真、愛子の会社での挨拶、「ドンマイアイコ」のお赤飯のお弁当、キッズ携帯……。
愛子の反応はひたすらウザい。愛子の会社の先輩社員の反応もキモい。
しかし、これを別の側面からも描いてみせた。
賢太郎の会社の若い女の子は、食事の誘いも断って「娘が帰ってきますから」と言って定刻に帰る賢太郎を「かっこいい」と言う。(同じく娘がいるという職場の所長には冷たい)。
同じ事象を180度違った形で描くこと。
これもキャラクターを豊かに描くための効果的な方法だ。
★しんみりさせる
ずっとハイテンションばかりでは視聴者は疲れてしまう。
そこで描かれるのはしんみりしたシーン。
冒頭、門限のことでバトルを演じた愛子と賢太郎。
愛子は賢太郎の用意した赤飯で父親の愛情を感じ、しんみりする。
★モノローグの使い方1
子供時代の回想シーンに移るために、愛子はモノローグでこう言う。
「わたしの父はずっとこんな感じ。20年間ずっと子供扱いされてきた」
★モノローグの使い方2
愛子の会社への出勤シーンではこんなモノローグで。
「わたしは今日、父から卒業する」
駅を歩く愛子。
「もう父の言いなりにはならない」
道を歩く愛子。
「新しい世界で思う存分羽ばたいてやる」
会社のビルを見上げる愛子。
モノローグを重ねることで、単なる移動シーンにしていない所がいい。
もっともこれらモノローグで表現されていることは、前の芝居で十分語られているので、いささかくどい感じもするが……。
★終わらせ方
キャッチボールのことで共感し合えた様に見えたふたりだったが、ここでわかり合えたらドラマは終わってしまう。作家はさらなる亀裂、ドラマを発展させなくてはならない。
そこで用意したのは、愛子を怒らせての「わたし、結婚します!」宣言。
これで視聴者は次が見たくなる。
★名せりふ
賢太郎「服の汚れは洗えば落とせるけど、子供と遊んだ記憶は一生なくならない。子供が笑ってくれたら、それでいいでしょう?」
愛子「子供って楽しかったこと覚えているんですよ」
愛子と賢太郎が同じことをセットで語っている所が感動的。