平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

ホテリアー 第1話

2007年04月21日 | 職業ドラマ
 まず主人公の小田桐杏子(上戸彩)の人物造型がいい。
 公式HPから引用すると……
「東京オーシャンホテルのフロントアシスタントマネージャー。出生の秘密を知って自暴自棄になり荒れた生活を送っていたが、偶然出会った緒方の助けで、東京オーシャンホテルで働くようになった。実の娘のようにかわいがってくれるホテルの北野社長夫妻の愛情に応えようと、懸命に働いている。正義感が強く仕事熱心なあまり、時に熱くなり過ぎることも」
 杏子にとってはオーシャンホテルの人たちは家族。
 その家族を守るために働き、闘う。
 実にわかりやすい。

 このドラマの目的も明確だ。
 緒方耕平(田辺誠一)が友人シン・ドンヒョク(ペ・ヨンジュン)に語った夢。
「杏子がホテルウーマンとして成長していくのを見守っていきたい。杏子といっしょにオーシャンホテルを世界一のホテルにしていきたい」
 つまりこのドラマは ★杏子の成長物語 ★世界一のホテルにする物語。
 実にわかりやすい。

 杏子を取り巻く人物たちもわかりやすい。
 味方は新社長のみつ子(片平なぎさ)、料理長の黒岩輝夫(塩見三省)など。
 敵は『東京オーシャンホテル』の買収を企む大日東開発・森本会長(竹中直人)。総支配人の座を狙う岩間武彦(東幹久)は緒方との関係で敵になりそう。
 面白いのは味方になるのか、敵になるのかわからない人物がいることで、「貴方に会うためにここに来ました」と言う水沢圭吾(及川光博)、森本の娘(サエコ)。みつ子の息子・洋介(佐藤祐基)なども面白い存在になりそう。

 作劇テクニックで面白いのは、ヨン様のシン・ドンヒョク。
 杏子と緒方の間を繋ぐ。
 杏子には緒方が語っていた夢を語り、緒方には杏子の必死な思いを告げた。
 結果、緒方はオーシャンホテルに戻ることに。
 こういう役割のキャラがいると物語がスムーズに展開する。

 偶然の使い方もこうすると不自然でなくなる。
 緒方を捜す杏子。
 なかなか緒方は勤めを辞め、住んでいた所を追い出され居所がわからない。
 では杏子をどの様に緒方に会わせるか。
 作家はこんな方法を使った。
・奪われる杏子のバッグ。
・窃盗犯を追う杏子。
・窃盗犯を追いかけるために杏子、水沢の車に。
・車の窓から緒方を発見。
 これくらいの手順を踏むと偶然も偶然に見えない。
 いろいろ応用できるテクニックだ。


コメント (1)
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