平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

LOST 第36~40話

2007年04月28日 | テレビドラマ(海外)
 「LOST」の物語の構造は次の3つになる。

★愛へのとらわれ
 登場人物たちはみんな愛する人を何らかの形で失っている。
 ジャックは妻と離婚し、ケイトは自分のせいでかつての恋人を死なせてしまった。サイードもそう。
 そしてチャーリーのクレアに対する気持ちの様にみんな、愛し愛されることを求めている。しかし、それがなかなかうまくいかない。
 第37話「天使の言葉」、チャーリーはクレアに拒絶される。チャーリーは家族を求めていた。だからクレアと息子のアーロンと家族になれることを望んだ。しかし、弱さゆえに持っていたマリア像のクスリのためにクレアの信頼を失って拒絶されて。彼の心の歯車が狂い始める。
 愛を求めて満たされない主人公たち。
 だからローズ夫婦の再会やジンとサン、クレアの出産といったエピソードが温かく感動的になる。
 また一方で愛する者を得ることは苦しみも伴う。
 第36話「境界線」、マイケルは息子のウォルトを連れ戻すために敵地に向かう。
 第40話「記憶の扉」、クレアは息子アーロンが伝染病にかかったと思い、ジャングルを狂気にとらわれてさまよう。彼らは自分の思いにとらわれて、他人の意見に耳を貸さない。彼らに心の平安はない。愛の苦しみだ。

★過去へのとらわれ
 登場人物たちは自分の犯した過去にとらわれている。
 第38話「詐欺の手口」、ソーヤは詐欺師。自分を愛し信じてくれた女性を裏切ってその財産を奪った。彼は心の底では優しいナイーブな性格だから、騙したことに罪の意識を抱いている。結果、彼はワルを装い、人(ケイト)に愛されると拒絶して逃げてしまう。
 第39話「捕らえられた男」のサイードもそう。イラクの共和国防衛隊の兵士だった彼は米軍に利用され騙されて、仲間に拷問を行う。彼はまわりがすべてウソの世界に生きてきた。みんなが自分を利用して騙そうとしている。人を信じて裏切られる。だから「他の者たち」と思われる男を拷問して言う。「どうしてウソをつくんだ?どうしてウソばかりなんだ?」それは悲痛な叫び。
 みんな過去にとらわれて、新しい自分に踏み出せない。

★島の謎
 現状では島の謎はその断片が示されるだけで明らかにされていない。
 ダーマ・イニシアチブ。他の者たち。さらわれる子供。108分の数字入力。運命。黒い煙の様な物体。
 かれらの断片が繋がってどんな絵が描かれるのだろう。
 それは「愛にとらわれること」「過去にとらわれること」と無関係ではないような気がする。


コメント
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