平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

タロットカード殺人事件

2009年04月29日 | 洋画
★ウディ・アレンとスカーレット・ヨハンソン。
 このふたりがコンビになって『タロットカード殺人事件』の容疑者を追う。

 軽妙なミステリーコメディに仕上がっていますね。
 そしてウディのヨハンソンへのLOVE、崇拝が見え隠れする。
 役者として共演してせりふのやりとりをし、監督としてカメラを通して美しく描く。
 作品を作りながら、ウディは彼女と恋愛しているのかもしれません。
 そう言えば同じミステリーコメディの『マンハッタン殺人ミステリー』ではウディとダイアン・キートンのコンビでしたね。
 ダイアン・キートンにミア・ファローにスカーレット・ヨハンソン……ウディ・アレンは本当に美しい女性が大好きな様です。
 
★今回面白かったのは、ラストの死後の世界に行くウディの演じたマジシャン・シドニーですね。
 死神の乗る船に乗ってあの世に行くシドニー。
 彼は同じく死んであの世に行く同乗者にジョークを言う。
 「もし英国が左側通行でなかったら自分は彼女を助けてヒーローになっていた」
 シドニーは、ジャーナリスト志望のサンドラ(スカーレット・ヨハンソン)を助けるため車を走らせるのですが、英国がアメリカと違う左側通行なので自動車事故で死んでしまう。
 それをジョークにしたのがこのせりふ。

 ウディ・アレンが演じる人物はみんな常に死に脅えているのですが、このシドニーは自分の死を淡々と受け入れている。
 これはウディ・アレンの出した<死>に対するひとつの答えかもしれませんね。
 つまり
 『死なんてそんなに大したことはありませんよ。同じく死んで自分のジョークを聞いてくれる人もいるわけだし。そりゃあ、サンドラのヒーローになれなかった未練は少しはありますが』みたいな。

 そして若いサンドラはジャーナリストとして未来を生きていく。
 シドニーのことは心の片隅に少し残して。

 深読みするとこの作品はウディの死生観を描いている様な気がします。

※追記
 この作品でウディが演じているマジシャン・シドニーもいつもウディが演じている典型的な人物。
 小心でいつも女性に振りまわされていて、早口でジョークを連発。
 ジョークで相手を煙に巻くのは襲いかかる世界から自分を守る手段。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする