平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

必殺仕事人2009 第11話

2009年04月11日 | 大河ドラマ・時代劇
 何と残酷で美しい映像。

 夜の桜。
 首を吊られているお富(浅野ゆう子)。
 その地面には最期の技でお富を葬り、自らも絶命している源太(大倉忠義)。

 静かな死でしたね。
 仕事人の死は戦いの中<動>で描かれるのが多いのですが。

 源太の殺し技は遠距離攻撃。
 これが彼の人柄を現している。
 すなわち近距離では人を殺せない。
 近くで殺せば、殺された人間の苦痛に歪んだ顔やうめき声が襲いかかってくる。
 優しすぎる彼にはそれは耐えられないことなのでしょう。

 また殺す相手に情が入ってしまうと殺せないんですね。
 仕事人はあくまで被害者や仕事の依頼者に感情移入しなければならない。
 被害者の<怒り>や<憎しみ>を引き受け、自らがその権化とならなければならない。
 ところが今回の源太の場合は<愛>だった。
 こういう場合、愛は弱いんですね。
 「外道を甘く見るんじゃないよ!」とお富が言った様に<外道>には<外道>で対抗するしかない。
 仮に<愛>で闘っても<外道>に効いてくるのは時間が経ってから。
 愛はジワジワと効いてくるもの。
 もしお富に源太の想いが伝わるとしたらしばらくしてからの何気ない瞬間。
 「そう言えばあたしに説教したバカなやつがいたねえ。あいつだけだったねえ、あたしのことを真剣に考えてくれたのは」みたいな感じ。

 今回の仕事人は深いですね。
 通常の仕事人だと源太が再び下手人として追われ命を落とすという展開。
 それを見事に裏切ってくれた。
 最初は「2話連続といっても別の話か」と思ってがっかりしていたのだが。

 さて今後の展開はどうなるんだろう?
 源太に代わる新仕事人が登場するのか?
 谷村美月ファンとしては如月の活躍を期待するのだが、彼女には殺しは似合わない。


コメント
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