平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

ダンダリン労働基準監督官~『リーガルハイ』の古美門先生と比べてみた

2013年10月03日 | 職業ドラマ
 波風を立てない<事なかれ主義>って退屈だ。
 自分が間違っていると思うことは徹底してこだわって、戦ってみるといい。
 おかげで真鍋(佐野史郎)や土手山(北村一輝)、南三条(松坂桃李)たちは、ほふく前進や逮捕当日の服装のこと、捕まえた鴨光社長(でんでん)をどう車に乗せるかなど、イキイキと過ごすことが出来た。
 家族や娘に「退屈だ」と言われず、楽しく話せる武勇伝も出来ただろう。

 この作品や『半沢直樹』など、現在は<自己主張する時代>に入ったのかもしれない。
 大きな力に泣き寝入りせず、個人が声をあげる時代。
 そして臨検や行政指導、逮捕までの力を持つ国家公務員(この作品の場合は労働基準監督官)は、事なかれ主義に陥らず、どんどん職務に与えられた権利を行使すべき。

 もっともこの権利の行使には危うさもある。
 主人公・段田凛(竹内結子)のように正義が暴走してしまう危険。
 なぜなら段田凛が行使する法律は絶対ではないからだ。
 土手山が言うとおり「法律は法律でも現実は現実だ! お前が張り切れば張り切るほど傷つく人だっているんだよ!」という現実がある。
 法律を厳格に行使してしまったがゆえに不幸になる人も出てくる。
 たとえば、今回鴨光社長が逮捕されたけど、会社の経営は大丈夫なのかな? 潰れてしまったら従業員はどうなるんだろうとか? 西川修(渡辺いっけい)は最後に手を上げたけど大丈夫か? など。

 この点、次週から裏番組になる『リーガルハイ』は大人だ。
 主人公・古美門研介は「法律は依頼人のためにある」として、時には黒いものを白にする。
 正義なんかは信じておらず、<自分の利益>と<現実的な落とし所>を見つけて、戦っていく。
 古美門研介と段田凛のどちらが好きかと言えば、古美門先生かな。
 段田凛には、『リーガルハイ』のガッキーが演じる黛 真知子に通じるものがある。

 この作品が描く<事なかれ主義の否定>には賛成だが、段田凛のロボットのような<正義の暴走>には違和感を感じる。
 もっともこの違和感が、今後のこの作品のテーマになっていくのでしょうが。

コメント (4)
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