平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

嫌われる勇気~アドラー心理学×ミステリー! 皆さんがどう思おうが、それは私の課題ではありません

2017年01月13日 | 推理・サスペンスドラマ
 アドラー心理学×ミステリー。
 面白い発想ですね。

『すべての悩みは対人関係の悩みである』
『他者がいなくなれば、あらゆる悩みはなくなる』

 アドラーは<他人の目を気にするから悩みが生まれる><幸福になるためには他人の目から解放されなくてはならない>と説いている。
 これを刑事・庵堂蘭子(香里奈)ふうに言うと、こうなる。

『皆さんがどう思おうが、それは皆さんの課題であって私の課題ではありません』

 現実にはかなり難しいでしょうが、こう他人に言い切れる境地にはなりたいですね。
 徹底した個人主義
 天上天下唯我独尊
 ……………

 さて、第1話の犯人は、
 モデルの天野真紀(南野陽子)が社会的に偉大な存在であることが自分のステイタスになっている人間だった。
 だから真紀が落ちぶれそうになると、出版社に脅迫文を送ったり、ライバルのモデルを蹴落とそうとする。
 挙げ句の果てにはライバルのモデルを殺してしまった。
 犯人にとっては、天野真紀はつねに輝く偉大な存在でなくてはならないのだ。

 哀しくてつらい人物ですね。
 まず、自分が他人からどう見えるかというステータスにこだわっている所が自由でない。
 しかも、その拠り所が<天野真紀>や<ブランド品のコート>であるなんて。
 完全に自分を生きていない。

 もっとも、こうした心象は現代日本に多く見られる。
 たとえば、日本をやたら礼賛する人。
 日本が偉大な国であれば、自分も偉くなったような気分になっている。
 現実の自分はちっぽけな存在でしかないのに。
 これは結構イタい。

 そう言えばアメリカでも「偉大なアメリカを取り戻す」と主張したトランプ氏が大統領になるんだよな~。
 世界はあきらかに国家主義的な方向に向かっている。
 こうした流れの中で、徹底した個人主義を唱える<アドラー心理学>が注目されることは有効だろう。

コメント
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