平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

おんな城主直虎 第4回~われは亀の竜宮小僧になる!  それには何をしたらいい?

2017年01月30日 | 大河ドラマ・時代劇
「われは僧として亀を助ける!
 亀の竜宮小僧になる!
 それには何をしたらいい?」

 おとわ(新井美羽)がアイデンティティを見出した瞬間だ。
 人はアイデンティティを見出した時、強くなり、やるべきことが見えてくるんですね。
 たとえば、女性が〝母親〟になった時の強さと言ったらハンパない。
 おとわもそうだった。
 もともと行動力のある子だから、〝亀の竜宮小僧〟になると決めたら突っ走ることができる。
 僧としての修行も苦にならない。
 ……………

 千賀(財前直見)は〝井伊家の御台所〟であり、〝おとわの母〟だった。
 だから、寺での修行がつらくて戻ってきたおとわに「戻ってこられては困るのじゃ」と、井伊家存続のために突き放す。
 しかし、母親だから、突き放した自分がつらくて、「男たちが不甲斐ないからこうなるのです」と当ってしまう。
 千賀は〝御台所〟と〝母親〟というふたつのアイデンティティの間で揺れている。
 そして、強い。

 一方、直盛(杉本哲太)。
 直盛は周囲の状況に流され、自分を見失っている。
 今川にこのまま忍従していていいのか?
 謀略に目をつむり、小野和泉守(吹越満)を暗殺させるべきか?
 直盛は迷う。
 完全なアイデンティティの喪失状態だ。
 そんな直盛が最後に見出した結論は……
・小野和泉守を救うこと。
・同時に、小野に「直満(宇梶剛志)の所領を受け取るのは半分にしろ」と言い、小野が不服を言うと、「あの男(直満)がわしの心であったことがわからぬか!」と叱ることだった。

 直盛が見出したアイデンティティは、〝やさしさ〟なんですね。
 新野左馬助(苅谷俊介)が「殿の花はお優しうございますね」と語ったように、直盛は〝やさしさ〟という自分を見出した。
 だから小野和泉を救った。
 これにはアイデンティティに裏打ちされた強さがあるから、暗殺者に「武勇の誉れ高き井伊も地に落ちたものじゃ」と蔑まれても揺るがない。
 小野和泉を救ったことは、〝憎しみ〟や〝今川を怖れた弱腰〟からではない。
 あくまで〝やさしさ〟なのだ。
 一方で言うべきことは言う。
「あの男(直満)がわしの心であったことがわからぬか!」
 亡き直満への思いも直盛のアイデンティティなのだ。

 今回のことで直盛は変わりましたね。
 自分をしっかり取り戻した感じ。
 ……………

 最後は南溪和尚(小林薫)。
「あの子は蝶よ、花よと育てるものではない。そう思えたのじゃ」
 敢えて、おとわに厳しい試練を与える南溪和尚。
 和尚は、おとわが強く、試練を与えれば何らかの結論や結果を出してくることを知っている。
 前回の今川の駿府城でもそうだった。

 試練は人を強くする。
 もちろん、人には違いがあって、過酷な試練を与えると潰れてしまう人もいるので一概には言えないが、おとわの場合は大丈夫なようだ。
 南溪和尚の試練が、おとわに戦国時代を生き抜く強さを与えたのだろう。
 
コメント (4)
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