平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

おんな城主直虎 第2回「崖っぷちの姫」~井伊を潰さず、鶴とも夫婦にならない方法

2017年01月16日 | 大河ドラマ・時代劇
「井伊を潰さず、鶴とも夫婦にならない方法」
 おとわ(新井美羽)はひたすら考える。
 父親や母親のように思考停止にはならない。
 おとわは「答えはひとつ」ではなく、山の頂上に登るにはいくつものルートがあることを知っているのだ。

 自分の父親が犯した罪に悩む鶴丸(小林颯)に対しても、
「それは鶴がやったことではなかろう。鶴の父親がやったことで、鶴を恨むことではなかろう」
 と、しっかり区別して考えている。

 聡明なおとわ。
 和尚(小林薫)など、周囲の大人たちの言葉をスポンジのように吸収する理解力もある。

 腹も据わっている。
 今川の武将に問い詰められても目をそらさない。
 亀之丞(藤本哉汰)を逃がすために囮になった件でも、
「竜宮小僧を捜しておったのです」
 と言ってのける。

 それと行動力。
 こうと決めたら、迷うことなく突っ走る。
 亀之丞に笛を届け、囮になり、自分の存在が障害になると考えれば家出をし、「井伊を潰さず、鶴とも夫婦にならない方法」として髪を切る(=男になる。出家する)。
 これがヒロインなんですね。
 いささかデキすぎな感じもするが、君主やリーダーになる資質を備えている。
 おとわはどんな大人になるのだろう?
 現在は直虎登場までのネタをいろいろ仕込んでいる感じ。
 ………………

 作品としては、どこかファンタジーな雰囲気があるなぁ。
 竜宮小僧や井伊谷の自然のせいだろうか?
 和風ファンタジーのプリンセスが山の中を駆けまわっている感じ。
 このあたりは従来の大河ドラマファンには違和感がありそう。

 井伊直虎に関しては、資料がほとんどないらしい。
 脚本の森下佳子さんもインタビューで、
「年表もすっかすか。どうすんねん! って思った」
 と語っている。
 つまり森下さんは、すっかすかな分、おとわやまわりの人々を自由に描けるのだ。

 森下佳子さんの代表作と言えば、『仁-JIN-』や『天皇の料理番』。
 主人公を歴史や歴史上の人物と絡めて描くのがお得意な脚本家さん。
 この作品『おんな城主直虎』も、井伊直虎という資料的に真っ白な人物を戦国時代に放り込んだら、どんなドラマが生まれるかというモチーフで描かれているのだろう。
 こうした大河ドラマには、『花燃ゆ』や『八重の桜』があるが、果たしてどうなるか?

コメント (4)
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