平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

下町ロケット ガウディ編 再放送~技術者、医者、ジャーナリストのプライドと情熱

2017年01月04日 | 職業ドラマ
『下町ロケット ガウディ編』の再放送。
 すでに見ている作品なので少しだけ見るつもりだったのだが、結局、最後まで見てしまった。
 やはり『下町ロケット』は燃える!

 再見して思ったのは<仕事をする人間のプライドと情熱>だ。
・技術者は少しでも良い品をつくるために精魂を傾ける。
・医者は患者の命を救うために全力を尽くす。
・ジャーナリストは弱者のために権力に立ち向かい、正しいことを報道する。
・官僚(PMEAの審査員)は公正平等な判断をおこなう。
・経理担当者(佃製作所の経理部長)は会社の正確な財務状況を経営者に伝え、やりくりする。

 こんなふうに、それぞれが自分のフィールドでプライドと情熱を持って仕事をしていれば、社会はより良くなるだろう。
 しかし、現実は……

・データ偽装
・出世争い
・権力への迎合、忖度(そんたく)
・接待と賄賂
・粉飾決算

 日々のニュースを見ていると、これらのことがはびこっているように思える。
 権力を持っている強者は圧倒的に強く、弱者は泣き寝入りか、媚びを売るか、排除されるしかない。
 これでは<希望に溢れる社会>など、つくれるわけがない。
 ………………

 <規制緩和>についても言及がなされた。
 サヤマ製作所の椎名直之(小泉孝太郎)は、物事に100%はなく、10人の患者のうち4人が命を落とすかもしれない薬を使うべきだ、と語る。
 その薬を使えば、4人は命を落とすかもしれないが、6人は救われるからだ。
 だから規制だらけの日本はダメなんだ、とも語る。
 これに対して、佃航平(阿部寛)は明確な反論ができない。
 技術者として100%に近づける努力をするだけだ、とだけ語る。
 確かに佃が反論できなかったように、白黒を明確にすることは難しいだろう。

 ただ、椎名の考え方には危険がともなう。
<大きなものを生かすために小さなものは犠牲になってもいい>
 という発想に発展する可能性があるからだ。
・会社を守るために個人が犠牲になる。
・国家を守るために個人が犠牲になる。
 これらのことが当たり前になる社会になってはいけない。
 そうした社会にならないために、個人の自由や人権にこだわらなくてはならない。
 ………………

『下町ロケット』の世界は、ある意味、理想社会だ。
 技術は裏切らず、ロケットや心臓の弁は成功するし、悪は罰せられる。
 皆が自分の仕事に誇りを持っている。
 この作品を見ることで、人は自分の仕事を見直し、社会をもう一度、信じてみようという気になる。

コメント
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