井伊家の後見問題。
直虎(柴咲コウ)は闘っている。
その闘い方はこうだ。
①味方と敵を欺く。
今川の襲撃を受けて直虎は言う。
「但馬、直虎は後見から引くことにしたと駿府伝えてくれ。
かように怖ろしいのはもうたくさんじゃ」
だが、これは敵の襲撃をかわすウソだった。
②法律で闘う。
直虎は、寺社領には手を出せないという『今川仮名目録』の定めを使って、自分の判断の正当性を主張した。
そう、闘うというのは武力を使うことだけではないのだ。
法律も立派な武器になる。
③論理で攻める。
寿桂尼(浅丘ルリ子)が「すみやかに徳政をおこなわれよ」と言ったことを受けて、直虎は「わたしに徳政をおこなえと。それは、わたしが徳政をおこなうに相応しい者、後見とお認めになったということですが、さように受けとめてよろしいのでしょうか?」
いさかか屁理屈に聞こえるが、ディベートとしては悪くない。
④正論を言う。
国を治める方法を問われて、直虎は言う。
「民が潤うことがなければ国が潤うことはない」
「民が潤えば井伊が潤い、井伊が潤えば今川が潤う」
そして最後は、
⑤民の信頼を得ている。
民は、直虎が後見になることを望む書状を書いた。
直虎が民の支持を得ている証拠だ。
まさに『民の信なくば立たず』
これが<外交>であり、<政治>なんですね。
問題があれば言葉で説得し、説明をする。
武力で解決するのは最後の手段。
このように直虎は政治家として少しずつ成長している。
民の書状に助けられるなど、まだまだ頼りない部分はあるが、立派な領主になりつつある。
今回は部下の中野直之(矢本悠馬)の心も掴んだみたいだし。
この作品は、直虎が人として、政治家として、成熟していく様をていねいに描こうとしているようだ。
前回も書きましたが、ちょっと教科書的なんですけどね。
今回、出てきた<新しく耕した土地を自分のものにでき、年貢が一定期間、免除される>というのも〝蓄財〟〝資本の集積〟という教科書に出てくる経済理論だし。
来週は、木綿を育てて新たに産業を興すらしい。
この作品、1話~13話は<仏教講座>で、14話~は<政治経済学講座>って感じですかね。
………………
政次(高橋一生)に関しては、その真意がなつ(山口紗弥加)よって語られた。
「兄上は、井伊を今川から守る盾になろうとしている」
南渓和尚(小林薫)もこれを受けて、
「本意を読まれれば盾にはなれぬ」
政次の行動は、すべて、おとわと井伊を守るためだったようだ。
そう言えば、政次はこんなことを言っていた。
「おとわ、今からでも遅くはない。
後見をやめると言わんか?」
〝殿〟ではなく、〝おとわ〟と言ってしまう所に政次の本音が現われている。
政次の中には、幼少期の〝おとわ〟〝鶴〟〝亀〟の関係がしっかり存在しているのだ。
直虎(柴咲コウ)は闘っている。
その闘い方はこうだ。
①味方と敵を欺く。
今川の襲撃を受けて直虎は言う。
「但馬、直虎は後見から引くことにしたと駿府伝えてくれ。
かように怖ろしいのはもうたくさんじゃ」
だが、これは敵の襲撃をかわすウソだった。
②法律で闘う。
直虎は、寺社領には手を出せないという『今川仮名目録』の定めを使って、自分の判断の正当性を主張した。
そう、闘うというのは武力を使うことだけではないのだ。
法律も立派な武器になる。
③論理で攻める。
寿桂尼(浅丘ルリ子)が「すみやかに徳政をおこなわれよ」と言ったことを受けて、直虎は「わたしに徳政をおこなえと。それは、わたしが徳政をおこなうに相応しい者、後見とお認めになったということですが、さように受けとめてよろしいのでしょうか?」
いさかか屁理屈に聞こえるが、ディベートとしては悪くない。
④正論を言う。
国を治める方法を問われて、直虎は言う。
「民が潤うことがなければ国が潤うことはない」
「民が潤えば井伊が潤い、井伊が潤えば今川が潤う」
そして最後は、
⑤民の信頼を得ている。
民は、直虎が後見になることを望む書状を書いた。
直虎が民の支持を得ている証拠だ。
まさに『民の信なくば立たず』
これが<外交>であり、<政治>なんですね。
問題があれば言葉で説得し、説明をする。
武力で解決するのは最後の手段。
このように直虎は政治家として少しずつ成長している。
民の書状に助けられるなど、まだまだ頼りない部分はあるが、立派な領主になりつつある。
今回は部下の中野直之(矢本悠馬)の心も掴んだみたいだし。
この作品は、直虎が人として、政治家として、成熟していく様をていねいに描こうとしているようだ。
前回も書きましたが、ちょっと教科書的なんですけどね。
今回、出てきた<新しく耕した土地を自分のものにでき、年貢が一定期間、免除される>というのも〝蓄財〟〝資本の集積〟という教科書に出てくる経済理論だし。
来週は、木綿を育てて新たに産業を興すらしい。
この作品、1話~13話は<仏教講座>で、14話~は<政治経済学講座>って感じですかね。
………………
政次(高橋一生)に関しては、その真意がなつ(山口紗弥加)よって語られた。
「兄上は、井伊を今川から守る盾になろうとしている」
南渓和尚(小林薫)もこれを受けて、
「本意を読まれれば盾にはなれぬ」
政次の行動は、すべて、おとわと井伊を守るためだったようだ。
そう言えば、政次はこんなことを言っていた。
「おとわ、今からでも遅くはない。
後見をやめると言わんか?」
〝殿〟ではなく、〝おとわ〟と言ってしまう所に政次の本音が現われている。
政次の中には、幼少期の〝おとわ〟〝鶴〟〝亀〟の関係がしっかり存在しているのだ。