平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

前川・前事務次官の記者会見~その言葉に共感した。読売新聞の報道に関しては官邸が関与か?

2017年06月24日 | 事件・出来事
 昨日、文科省の前川・前事務次官の記者会見がおこなわれた。
 やはり〝理知的な記者会見〟はいいな。

 どこかの総理大臣の〝ウソと言い訳の会見〟とは大きな違い。
 しかもプロンプターを見まくりで、まったく自分の言葉でしゃべっていない。
 記者からの質問もあらかじめ用意されていたものに答えただけ。

 …………………

 さて記者会見の内容。

 前川氏の出会い系バーを報じた読売新聞については官邸の関与があったらしい。
 前川氏はこう語っている。

「読売新聞の記事が出たのは5月22日のことでした。5月20日と21日に読売新聞記者からアプローチがありました。私の私的な活動について、報じるつもりでコメントがほしいということでしたが、私は答えませんでした。正直申し上げて、読売新聞がそんな記事を書くとは思いませんでした」
「一方、同じ21日に、和泉総理補佐官から、文科省の某幹部を通じて、『和泉さんが話をしたいといったら応じるつもりがあるか』と打診を受けました。私は『少し考えさせて』と言ってそのままにしておきました」
「私は報道が出たとしても構わないというつもりだったので、報道を抑えてほしいと官邸に頼もうということは思っていませんでした。私は、読売新聞のアプローチと、官邸からのアプローチは連動していると感じました」

 なるほど。
 和泉総理補佐官が「報道を抑えてやるから何もしゃべるな」と脅してきたのか。
 こういう脅しや揉み消しは日常的におこなわれているんだろうな。

 さて、この告発に和泉総理補佐官はどう答える?
 どうせ「そんなことはしていない」と言ってゴマかすんだろうけど。
 このやりとりを録音していたら決定的だったのにな。
 暴力議員・豊田真由子の件でわかったが、今やICレコーダーは身を守るための大きな武器。
 証言や文書だけでは<憶測><怪文書>で片づけられ、揉み消されてしまう。
 本当に醜い世の中になったね。
 …………………

 マスコミについても危機感を表明されていた。

 先程の読売新聞のことに関しては、
「もしこういうことが、私以外の人にも起きているとするならば、それは大変なことだと思います。監視社会化とか、警察国家化が進行する危険性がある。権力が私物化され、第四の権力であるメディアまで私物化されるということになるとすれば、日本の民主主義は死んでしまう。その入り口に立っているんじゃないかという危機感を持ったんです」

 テレビに関しては、
「報道番組を見ておりますと、コメンテーターの中には、いかなる状況証拠や文書が出てきたとしても、官邸の擁護しかしないという方がいらっしゃいます」
「お名前は差し控えますけれども。森友問題の時にもそういうことが繰り返されていましたが、森友学園問題で官邸擁護のコメントを出し続けた方の中には、ご本人の性犯罪が検察・警察によってもみ消されたのではないかという疑惑を受けている方もいらっしゃるわけです」

 官邸擁護のジャーナリストの筆頭は、田崎史郎だね。
 性犯罪が警察に揉み消されたと疑惑を持たれているジャーナリストは、山口敬之。
 さあ、彼らはどう反論する?

 NHKに関しては、
「加計学園に関わる文書の信ぴょう性ですとか、官邸からの働きかけといった問題について、私に最初にインタビューを行ったのはNHKです。ところが、その映像はなぜか放送されないままになっております」

 これに対してもNHKはどう回答するんだろう。
 無視して、うやむやかね?

 今回の前川さんの指摘はすべてのマスコミに向けられている。
 彼らはこれにどう応えるのか?
 ジャーナリストとしての矜恃が試されているのだが、相変わらず〝権力の犬〟のままかね?
 情けない。
 本当に情けないオトナたちだ。
 …………………

 後輩の国家公務員に対してもこんなメッセージ。
「国家公務員は滅私奉公ではなく、一人一人は尊厳ある個人であり、信念、思想信条、良心は自分自身のものとして持っていなければならない。そして全体の奉仕者である一方で、主権者である国民の一人でもある。その立場で、おかしいことはおかしいと何らかの形で伝えていくべき」

〝組織と個人の関係〟は小説やドラマなどで扱われる永遠のテーマだが、組織が間違った方向に行っていたら個人は声をあげるべきだろう。
 粉飾を重ねていった東芝が良い例。
 あとは個人の矜恃と良心。
 官僚もマスコミも議員も、それぞれがこれらに従って仕事をしていれば、社会はそんなに悪い方向に向かわないはず。
 
 最後に署名を求められて、前川氏が書いた言葉は、
『個人の尊厳 国民主権』

 象徴的ですな。
 今ほど、これらが失われようとしている時はない。

コメント (2)
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