平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

西郷どん 第30回 「怪人 岩倉具視」~在野で復権の時を虎視眈々とうかがう、したたかな人物かと思っていたら、そうでもなかった

2018年08月13日 | 大河ドラマ・時代劇
 さて、鶴瓶さんが演じる岩倉具視の登場である。

 在野で復権の時を虎視眈々とうかがう、したたかな人物かと思っていたら、そうでもなかった。
 逆境に負け、世を拗ねて、恨み節。
 自棄になって吉之助(鈴木亮平)に当たり散らす。
 やはりお公家さんなのかなあ。
 朝廷の権威を失うと完全に無力。
 この点、組織の背景をもたず徒手空拳で戦う坂本龍馬は立派だね。

 描写で上手かったのは〝着物〟を小道具に使ったこと。
 手入れされたきらびやかな着物。
 岩倉はあきらめていない。
 いつかこの着物を着て帝のもとに戻ることを夢見ている。
 ………………

 吉之助は〝天命〟を信じているのか。
「自分が生かされているのはやるべきことがあるから。これは天命だと思うちょります」

 まあ、客観的にみれば〝天命〟なんて個人の勝手な思い込みなんだけど、これを素直に信じられる人は強いよね。
 でも、ちょっと自己愛が強い気もする。
 そう言えば、今話題のボクシングの山根会長も同じようなことを言ってたな。

 薩摩の若手藩士が岩倉のもとに「先生!」と馳せ参じるのはどうなんだろう?
 岩倉の策は、薩摩と長州が手を組むことであり、倒幕であり、久光の考えとは違っている。
 動機も、国のため、民のためというよりは〝自らの復権〟にあるような気がする。
 こんな人物を慕うのだろうか?

 桂小五郎(玉山鉄二)は薩摩と手を組むことを拒みましたね。
 一蔵(瑛太)には、
「天子様、天子様ち、長州の天子様への思いはまるでつれない女子に男が思いを寄せるようなもんじゃ。あちらは毛嫌いされていらっしゃる」と言われる始末。
 この時代は〝尊皇〟の気運が一気に高まった時代なんでしょうね。
 少し前までは見向きもしなかったのに、誰もが「天子様、天子様」と言う。
 日本の歴史ではこんなふうに時折、天皇が担ぎ出され、利用されてきた。
 現在も日本会議とか自民党の右翼議員から「天皇を国家元首に」みたいな動きが出て来てるけど、今の天皇は象徴天皇制を是とする方だから彼らのこと嫌いだよね。

 最後はふき(高梨臨)。
 慶喜(松田翔太)はふきの目に〝恨みがましい目〟〝西郷の目〟を感じるらしい。
 慶喜には負い目があるんでしょうね。
 自分のしていることが時代に逆行していることを無意識に感じている。
 心の底では、ふきや吉之助を求めているのに素直になれない。

 というわけで断片的な感想になってしまいましたが、今回のエピソードは大きな歴史のうねりが始まる前の前フリ。
 これらがぶつかり合って、どんなドラマになっていくのだろう?

コメント (2)
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