平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

いだてん 第17回 「いつも2人で」~四三は金メダルの代わりに『駅伝』を得た。妻スヤを得た。大切なのは走り続けること!

2019年05月06日 | 大河ドラマ・時代劇
「見つかったか、オリンピックに代わる新たな目標が!」

 四三(中村勘九郎)の完全復活である。
 やはり四三は目標に邁進している姿がいい。
 スッスッハッハッと走っている姿がいい。
 過去、四三は走ることで復活してきた。

 今回は孤独な戦いからの解放でもある。
 スヤ(綾瀬はるか)という伴走者を得たのだ。
 現に足袋屋から走るシーン。
 四三の傍らには自転車で伴走するスヤがいた。

 もはや四三は孤独な戦いには戻れない。
 目標にしていた『ベルリンオリンピックの断念』は四三にとってあまりにもつらく過酷だった。
 その身を切るようなつらさは、ひとりで戦う気力を四三から奪った。
 あの孤独な戦いをもう続けることができない。
 だから四三は人生で伴走してくれる相方=スヤを求めた。

 孤独な戦いからスヤと共に戦うことへの方向転換。
 これが『駅伝』を生み出すきっかけになった。
「互いに助け合い、励まし合う仲間がいれば50キロ走ることもつらくない」
 この発想はスヤという伴走者を得たことで見出したもの。

 上手い作劇ですね。
『駅伝』と『スヤといっしょに人生を走ること』がリンクしている。
 仲間といっしょに走ることがつらくないように、スヤと助け合い、励まし合って走れば人生は喜びになるのだ。
 だから子供もできちゃった!

『駅伝』はマラソンの理解やマラソン人口の増大にも繋がる。
 たくさんの人が応援し、大喜びするスポーツイベントでもある。
 嘉納治五郎(役所広司)の理想が、日本オリジナルの『駅伝』という形で実現された。
 体育という面でも永井道明(杉本哲太)の思いが実現されたかな?

 四三はオリンピックで『金メダル』を取れなかったが、『駅伝』を得た。
『駅伝』が今でも愛され、日本の一大イベントになっていることを考えると、金メダルを取れなかったことの方がよかったのかもしれない。
 ベルリンオリンピックで日本人初の金メダリストになることは『日本スポーツ界の黎明の鐘』になっただろうが、『駅伝』もまた『黎明の鐘』である。
 人生、何が幸いするかわからない。

 大切なのは、走り続けること。
 孝蔵(森山未來)に少年だった田畑政治が浜名湖に放り込まれたように、大切なのは、ためらわずに水に飛び込むこと。
 そこから見えてくる世界がある。
 立ちはだかる壁があれば、ぶち壊し、乗り越えればいい。
『ベルリンの壁』は壊されたのだ。

コメント (2)
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