平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

いだてん 第20回 「恋の片道切符」~「君、金栗じゃないの? 池部なの?」 金メダルを獲ってスヤを紹介するという四三のプランはかくして瓦解した!

2019年05月27日 | 大河ドラマ・時代劇
 アントワープオリンピック。
 四三(中村勘九郎)たちの闘いは『結果報告会』という形で描かれた。
 つまり、オリンピックは『結果』だけを求められるフェイズに入ったのだ。
 結果を出せなければ、責任を問われる。
「国際舞台で赤っ恥をかいた!」「非国民!」と罵られる。
 ここには『世界平和の理想』も『国を越えた友情』も『選手の努力・奮闘に対する賞賛』もない。

 まあ、二階堂トクヨ(寺島しのぶ)や記者たちは第三者で、四三たちの努力や奮闘を見て来たわけではないので、こうなってしまうのはある程度、仕方のないことなのだが。
 そんな中、スヤ(綾瀬はるか)は叫ぶ。
「せからしか! 金栗選手は負けとらんたい!
 しまいまで走ったとでしょうが!
 42キロ、日本人で初めて完走ばしたとでしょうが!
 16位、ばってん、うちにとっては大勝利。金メダルたい!
 金栗四三は金メダルたい!」

 というわけで、金メダルを獲って皆にスヤを紹介するという四三の夢もこのような形になってしまった。
 ていうか、英国に入る時の入国審査でバレてしまった(笑)
「君、金栗じゃないの? 君、池部なの?」
 治五郎先生、面白い!
 役所広司さんって、こういうユーモラスなやり取りをやらせると絶品ですよね。
 同時に現実とは、思い描いているように上手くいかないものなのかもしれない。
 劇的というのはドラマだけのもので、現実は案外、平凡でグダグダ。

 これが脚本・宮藤官九郎さんのリアリズムでシャイさの表れなんだろうけど、ドラマに劇的なものやカタルシスを求めている視聴者には物足りない。
 史実だから仕方ないのだが、もし、ここで四三が金メダルを獲っていればドラマとして弾みがつく。
 スヤがいくら「せからしか!」と叫んでも、視聴者にはモヤモヤが起きる。
 テレビの前のお茶の間は普通の家庭が多いだろうから、家にも帰らず、職も捨ててマラソンにのめり込む四三に共感しにくい。
 せめてメダルでも獲ってくれれば受け入れられるのだが、それもない。
 金栗四三は主人公として非常に難しい人物であることは確かだろう。

 小ネタはこんな感じだった。

『マラソンバカ・金栗四三の心を射貫いた女性』
① 冷水ぶっかけ女w
② 女高師のじゃじゃ馬w
③ ミルクホールの女w

 スヤは美川(勝地涼)のことを覚えていなかった!w
 前々回、あれほど「美川に言ってもしょうがなかばってん」を繰り返していたのにw
 美川は自分が四三とスヤを結びつけたと思っているのにw

 さて、ドラマとしては治五郎先生と永井道明(杉本哲太)が一線から撤退。
 次回は四三の髪がふさふさになるようだし、ドラマは新しいフェイズを迎えるのか。

コメント (2)
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