頼朝(大泉洋)を助けて平家を打倒し、鎌倉幕府を作る北条家の物語である。
伊東祐親(浅野和之)は平家派。平家の恩恵を受けている。
北条家は伊東家の配下にあり、
当主・時政(坂東彌十郎)は現状維持派。
一方、長男・宗時(片岡愛之助)は平家の横暴に怒っている反平家。
主人公・義時(小栗旬)はどちらかと言うと現状維持派で、間に入って振りまわされる役まわり。
他にこの土地の豪族として、三浦氏がいる。
これらの点を押さえておけば、今作を愉しめるだろう。
では、なぜ北条家が主人公なのか?
幕末は倒幕。
戦国時代は信長・秀吉・家康の天下取り。
今作は平家を打倒しての天下取り。
脚本・三谷幸喜さんとしては「どうして源氏の天下取りの物語が大河ドラマ化されないのだろう?」という思いがあったのだろう。
……………………………………
おおっ! と唸るシーンがふたつあった。
ひとつは頼朝の描写。
「千鶴丸は死ぬ運命にあったのだ」
「天が私を生かしておくのは何故か?
おそらく、この世でなすべきことが私にあるのだろう」
「立つか立たぬかは私にはわからない」
これらのセリフだけを見ると、頼朝は「運命論者」なんですね。
すべては運命の命じるまま。
ただ流されて生きていくだけ。
ところが、シーンが変わると──
「祐親を殺せ……! 伊東の祐親だけは絶対に許せん……!」
頼朝は千鶴丸を殺されたことが許せなかったんですね。
「死ぬ運命にあったのだ」と言いながら、裏でははらわたが煮えくりかえっていた。
この二面性!!
実は頼朝には強い意思があった。
これで頼朝というキャラが輝く。
キャラの二面性は他にも。
父・時政も頼朝をかくまっていたら伊東祐親に「首ちょんぱ」されるとうろたえながら、
頼朝を寄こせと言って来た祐親に対し、
「わしがおらんと言えばおらんのだ!」
ラストのシーンもよかったですね。
おおっ! と唸ってしまった。
ドラマの大半を使って、北条氏と伊藤氏の「小競り合い」を見せながら、
ラストで平家打倒を狙う信濃源氏の棟梁・木曽義仲(青木崇高)を登場させ、
平氏とは独立した勢力の奥州・平泉の藤原秀衡(田中泯)とそこに身を寄せる義経(菅田将暉)を登場させた。
これで作品が「地方豪族の小競り合い」から「全国規模の物語」にヴァージョンアップした。
源平時代のスター揃い踏みという感じ。
清盛(松平健)、後白河法皇(西田敏行)という妖怪・ラスボスも登場した。
さて、今後どんな平氏打倒の物語を見せてくれるのだろう?
※追記
ラストの逃走シーンのBGMで、ドボルザークの「新世界」が使われていた。
今後もクラシックが使われるのかな?
伊東祐親(浅野和之)は平家派。平家の恩恵を受けている。
北条家は伊東家の配下にあり、
当主・時政(坂東彌十郎)は現状維持派。
一方、長男・宗時(片岡愛之助)は平家の横暴に怒っている反平家。
主人公・義時(小栗旬)はどちらかと言うと現状維持派で、間に入って振りまわされる役まわり。
他にこの土地の豪族として、三浦氏がいる。
これらの点を押さえておけば、今作を愉しめるだろう。
では、なぜ北条家が主人公なのか?
幕末は倒幕。
戦国時代は信長・秀吉・家康の天下取り。
今作は平家を打倒しての天下取り。
脚本・三谷幸喜さんとしては「どうして源氏の天下取りの物語が大河ドラマ化されないのだろう?」という思いがあったのだろう。
……………………………………
おおっ! と唸るシーンがふたつあった。
ひとつは頼朝の描写。
「千鶴丸は死ぬ運命にあったのだ」
「天が私を生かしておくのは何故か?
おそらく、この世でなすべきことが私にあるのだろう」
「立つか立たぬかは私にはわからない」
これらのセリフだけを見ると、頼朝は「運命論者」なんですね。
すべては運命の命じるまま。
ただ流されて生きていくだけ。
ところが、シーンが変わると──
「祐親を殺せ……! 伊東の祐親だけは絶対に許せん……!」
頼朝は千鶴丸を殺されたことが許せなかったんですね。
「死ぬ運命にあったのだ」と言いながら、裏でははらわたが煮えくりかえっていた。
この二面性!!
実は頼朝には強い意思があった。
これで頼朝というキャラが輝く。
キャラの二面性は他にも。
父・時政も頼朝をかくまっていたら伊東祐親に「首ちょんぱ」されるとうろたえながら、
頼朝を寄こせと言って来た祐親に対し、
「わしがおらんと言えばおらんのだ!」
ラストのシーンもよかったですね。
おおっ! と唸ってしまった。
ドラマの大半を使って、北条氏と伊藤氏の「小競り合い」を見せながら、
ラストで平家打倒を狙う信濃源氏の棟梁・木曽義仲(青木崇高)を登場させ、
平氏とは独立した勢力の奥州・平泉の藤原秀衡(田中泯)とそこに身を寄せる義経(菅田将暉)を登場させた。
これで作品が「地方豪族の小競り合い」から「全国規模の物語」にヴァージョンアップした。
源平時代のスター揃い踏みという感じ。
清盛(松平健)、後白河法皇(西田敏行)という妖怪・ラスボスも登場した。
さて、今後どんな平氏打倒の物語を見せてくれるのだろう?
※追記
ラストの逃走シーンのBGMで、ドボルザークの「新世界」が使われていた。
今後もクラシックが使われるのかな?