平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

どうする家康 第2回「兎と狼」~厭離穢土欣求浄土。この世は地獄だが、抗い、あがき、立ち向かうのだ!

2023年01月16日 | 大河ドラマ・時代劇
「道を開け!」
 おおっ! 元康(松本潤)、言葉だけで松平昌久(角田晃広)を撃退してしまった!
 自分を殺せば、岡崎の松平の兵1000人と今川家が黙っていない、と恫喝したのだ。
 おそらく「窮鼠猫を噛む」、困った末に搾り出した言葉だろうが、
 元康にはやはり名将の才がある。
 追い詰められると、それは出て来る。
 それは瀬名(有村架純)をめぐって今川氏真(溝端淳平)と格闘した時もそうだった。
 見え隠れする元康の「虎」の片鱗。

 そんな元康の資質については、信長(岡田准一)も認めている様子。
 信玄(阿部寛)も元康について調べ始めた。
 上手い主人公の見せ方ですね。
 これで視聴者は、元康が信長も信玄も一目置く存在になりつつあることがわかる。

 元康のすごさに気づいたのは三河の家臣たちも。
 特に本多忠勝(山田裕貴)。
 今まで命を賭ける主君ではないと否定的だったのだが、昌久を恫喝した元康を見て、
「道を開け!」
 忠勝は少し元康のことを認めた様子。
 これも上手い見せ方だ。

 榊原小平太・康政(杉野遥亮)の登場のさせ方も上手かった。
『厭離穢土欣求浄土』
 元康はこの言葉を
「現世は穢れた地獄だから死んで安らかな浄土の世界に行こう」と解釈したが、
 康政はそれは間違った解釈で「この世を浄土にすることだ」と解釈した。
 そして、これで榊原康政の存在が大きくクローズアップされた。
 こうして揃っていく三河の家臣団。

『厭離穢土欣求浄土』
 調べると、正確には以下のような意味らしい。
「争いに満ちた穢れた世の中を嫌い、平和な浄土を求めるなら、仏の加護を得てそれが達成できる」
 これが家康の旗印になるわけだが、
 元康を変えた言葉にもなった。

 この世は地獄。
 それを嘆いて死んでいくのか?
 少しでも抗い、足掻き、格闘して生きていくのか?
 元康は後者の道を選んだようである。
 信長も元康にそれを求めていたようだ。
 信長は試していた。
 元康が、地獄を嘆いて死んでいくだけの器なのか、立ち向かう器なのか?
 もっとも信長にとって、元康は相変わらず楽しく遊べるおもちゃのようだが。

 どうする家康。
 今作は主人公が毎回さまざまな選択を迫られる作品のようだ。
 今回は駿府か? 岡崎か?
 嘆いて死ぬのか? 立ち向かうのか?

 最後は今川氏真。
 氏真は元康が生きていた事を喜んだ。
 岡崎城入りにも異を唱えなかった。
 偏狭ではなく、なかなか器の大きい人物であるようだ。
 元康も氏真に信頼を寄せているようだ。

コメント (6)
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