平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

「星を継ぐもの」 J.P.ホーガン~SF作家の壮大な空想力! 第5惑星が消滅して解き放たれた衛星が月になった!

2023年04月13日 | 小説
 SF作家の想像力というのは果てしない。

 J.P.ホーガンの『星を継ぐもの』
 この作品の前半では、月がどのように出来たのかが描かれている。

 月の誕生に関しては3つ学説がある。
①誕生時の地球に巨大な天体が衝突して、その残塊から生まれた。
②地球の誕生時に分離した~いわゆる兄弟星説。
③飛来した星が地球の引力に取り込まれて月になった。

 現在の研究では①が有力だとされている。
 しかし、J.P.ホーガンは③の説を採用して壮大なSF小説を書いた。

 ご存じのように太陽系の天体の配列はこうだ。
 太陽→水星→金星→地球→火星→小惑星群(アステロイドベルト)→木星→土星……

 ホーガンは、小惑星群(アステロイドベルト)は実は太陽系の第5惑星だった、と空想する。
 戦争が起こり、第5惑星は小型ブラックホールの兵器で粉々に砕かれたのだ。
 第5惑星には衛星があり、引力から解き放たれた衛星は地球に飛来。
 地球の引力に取り込まれて「月」になった。

 楽しいな、こういう空想は!
 ……………………………………………………………

 SF作家はさらに空想を膨らませる。

「月」がない時の地球はどのような状態だったか?
 地球の自転は現在の3倍で、1日は8時間。
 3倍のスピードで自転しているので、狂風が吹き荒れている。
 重力は遠心力が働いて現在の1/3。

 こんな状況下、生物が海からあがって来るのは大変だっただろう。
 それでも何とか陸上にあがってきた生物が進化して「恐竜」になった。
 恐竜が重いのは狂風に吹き飛ばされないため。
 重力が1/3なので体重が重くても問題がない。
 恐竜は長い首と尾を風向きに合せて舵を取る帆船のように使い、移動していた。
 あるいはトリケラトプス。首の襟巻で風を受ければ速く走れる。

 

 ところが第5惑星の衛星が飛来して月になった。
 月の引力が、上げ潮、引き潮などの潮汐を生み出した。
 結果、海の摩擦が生まれ、地球の自転速度は遅くなり、1日24時間になった。
 自転速度が遅くなったので狂風も収まった。
 結果、人類の祖先が生存しやすい環境が生まれた。
 途中、隕石が落ちて氷河期が起こり、恐竜は滅びたが、人類は何とか凌ぎ、
 南アフリカの洞窟に住んでいた約1000人のクロマニョン人が人類の祖先になった。

 以上をチャットGTPに箇条書きでまとめてもらうと
①地球は月ができる前に、1日が8時間で自転速度が3倍速であり、狂風が吹き荒れていた。
②狂風のせいで生物が陸上に上がることは困難であったが、恐竜は長い首と尾を進化させ、重い体重で飛ばされないように対策した。
③しかし、月ができたことで潮汐が生まれ、地球の自転速度は遅くなり、1日が24時間になった。
 自転速度が遅くなることで狂風が収まり、人類の祖先が生存しやすい環境が生まれた。
④氷河期などの影響があったが、南アフリカの洞窟に住んでいた約1000人のクロマニョン人が人類の祖先となった。

 これがSF作家の空想力の凄さだ。
 第5惑星の消滅から始まって、月の誕生、恐竜や人類の歴史を見事に描いている。
 しかも、ホーガンの空想はここで留まらない。
 第5惑星の文明発生の理由、高度な知性と知能をもった宇宙人とのファーストコンタクトなど、空想がどんどん拡がっていく。
 その空想の規模たるや数100万年単位。

 10年、50年単位で、ああだこうだと言っている自分が小さく思える。
 
コメント (4)
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