最後に見事なオチをつけましたね。
それまでは、あれれ??? と思って見ていた。
物語は、
①指名手配犯・大場三郎(榊英雄)の逃亡
②鷲尾隼人(加藤清史郎)と瀬田江美子(左時枝)の拉致
③ひき逃げ事故で大場の死
という事件を、時系列でバラバラにして見せているだけ?
もちろん、玄関のドアが開いている<家の状況>と<白い物質の入ったビン>から、隼人と江美子が拉致されたことを類推した右京(水谷豊)さんはすごいんですけどね。
拉致が判明してからの、角田課長や伊丹たち警察の緊迫感もよかった。
ビンの白い物質は何なのか? と視聴者に関心を持たせる小道具の使い方も。
でも、江美子が首を絞められる所や隼人が穴を掘らされたり、川で溺れる所を直接見せられるのは、あまり気持ちのいいものではない。
おまけに<難病もの>のお涙頂戴ドラマまでが始まってしまった。
僕は『相棒』って、スマートな作品だと思っているので、<直接的なシーン>や<難病もの>にはちょっと違和感。
しかし、ラストのオチが、それらを払拭してくれた!
これぞ、スマート&クール!
ちょうど「前半の家出少女って何だったんだろう」と思い始めていた頃だったから尚更だった。
写真立ての写真を見せるワンカットでオチをつけてくれたことも、鮮やかだった。
ドラマとしては、大場三郎。
この直情的で、衝動的に罪を重ねる男にも人間性があった。
性善説。
人間の本質は善であると信じたいですよね。
面白かったのは、隼人の12歳の誕生日の豪華な飾り付けに警官達が「偉い財務省の官僚さんがすることだから」と笑うところ。
しかし、豪華な飾り付けにはしっかりとした理由があった。
このひっくり返し方がお見事!
捜索人届けの有無を頼まれた角田課長の「俺、結構偉いんだぞ」のせりふにもうなずいた。
僕も常々、警視庁の課長さんって結構偉い人なんじゃないかって思っていましたから。
何気ないせりふだが、こういう小さなせりふがキャラを造っていくんですね。
あとは前半のカイト(成宮寛貴)と米沢(六角精児)さんのやりとり。
米沢さんが「暇つぶし」で持って来た<白い物質>に、カイトは舐めただけで、それ以上の関心を示さない。
これに対して米沢さん
「杉下さんなら(このネタで)一時間は談じられたのに」
カイトはまだまだなんですね。右京さんにはるかに及ばない。
この米沢さんのカイトを鼻で笑ったような感じが実に楽しい。
それまでは、あれれ??? と思って見ていた。
物語は、
①指名手配犯・大場三郎(榊英雄)の逃亡
②鷲尾隼人(加藤清史郎)と瀬田江美子(左時枝)の拉致
③ひき逃げ事故で大場の死
という事件を、時系列でバラバラにして見せているだけ?
もちろん、玄関のドアが開いている<家の状況>と<白い物質の入ったビン>から、隼人と江美子が拉致されたことを類推した右京(水谷豊)さんはすごいんですけどね。
拉致が判明してからの、角田課長や伊丹たち警察の緊迫感もよかった。
ビンの白い物質は何なのか? と視聴者に関心を持たせる小道具の使い方も。
でも、江美子が首を絞められる所や隼人が穴を掘らされたり、川で溺れる所を直接見せられるのは、あまり気持ちのいいものではない。
おまけに<難病もの>のお涙頂戴ドラマまでが始まってしまった。
僕は『相棒』って、スマートな作品だと思っているので、<直接的なシーン>や<難病もの>にはちょっと違和感。
しかし、ラストのオチが、それらを払拭してくれた!
これぞ、スマート&クール!
ちょうど「前半の家出少女って何だったんだろう」と思い始めていた頃だったから尚更だった。
写真立ての写真を見せるワンカットでオチをつけてくれたことも、鮮やかだった。
ドラマとしては、大場三郎。
この直情的で、衝動的に罪を重ねる男にも人間性があった。
性善説。
人間の本質は善であると信じたいですよね。
面白かったのは、隼人の12歳の誕生日の豪華な飾り付けに警官達が「偉い財務省の官僚さんがすることだから」と笑うところ。
しかし、豪華な飾り付けにはしっかりとした理由があった。
このひっくり返し方がお見事!
捜索人届けの有無を頼まれた角田課長の「俺、結構偉いんだぞ」のせりふにもうなずいた。
僕も常々、警視庁の課長さんって結構偉い人なんじゃないかって思っていましたから。
何気ないせりふだが、こういう小さなせりふがキャラを造っていくんですね。
あとは前半のカイト(成宮寛貴)と米沢(六角精児)さんのやりとり。
米沢さんが「暇つぶし」で持って来た<白い物質>に、カイトは舐めただけで、それ以上の関心を示さない。
これに対して米沢さん
「杉下さんなら(このネタで)一時間は談じられたのに」
カイトはまだまだなんですね。右京さんにはるかに及ばない。
この米沢さんのカイトを鼻で笑ったような感じが実に楽しい。
今回も、胸がふさぐような場面が続き、右京と享が絶望と闘いながら蘇生術を繰り返す緊迫した場面、そして最後の数分には、昇華するような「救われた」感がありました。
このさわやかさは、高いレベルのエンターテインメントですね。
この鮮やかさに対し、特命係周辺の人たちの日々のやり取りはホントにほほえましいです。米沢さんは、すっかり右京さんリスペクトの享をからかって楽しんでますね。
若者が夢をもちにくい時代、享には、尊敬する右京さんの横でしっかり成長して、夢をかなえてほしいです。
久々の古沢良太脚本。
確かに、時系列をずらさなければ、ごく普通の話なんですよね。だから、その点が非常に残念な話に思えたんですが、コウジさんの分析にあるように、古沢さんらしい小ワザの切れがあちこちに見える作品ですね。その点が「相棒」というドラマを見てきてよかったなと思わせてくれます。
ドラマはほとんど加藤清史郎くんと犯人役の榊英雄さんのドラマで、この二人がもたせていましたね。ただ、ドラマギリギリまで清史郎くんの意識が戻るかどうかで引っ張るのは、やりすぎの気がしないでもないです。
右京さんにとっては、今までさんざん会いたいと言っていた「存在」に会えためでたい回ですね。ただ、しっかり享くんや幸子さんにも見えているのは、いいんでしょうか。
それと、隼人が危ないのなら、事件現場のキャンプ場に連れていけばいいような気がするんですが、お婆さんの家までしか連れて行けないのは、アレにも何か能力に限界でもあるんでしょうか?
それと隼人の病気は一体何でしょうか。12歳までに発病しなければ大丈夫な遺伝病・・・筋ジストロフィーじゃないかという話を聞いた気がするんですが、昔、筋ジスの友人がいたので、それは違う気がするので、ドラマの創作のような気がするんですが、どうでしょう・・・
あと、兵ちゃn、誕生日に一人で和菓子を食べるのが侘しいからって、右京さんを誘うのはどうでしょうか?友達いないのかな?店の名前まで出して誘ってるのに、気づかない右京さんも右京さんだけど・・・
いつもありがとうございます。
おっしゃるとおり、<昇華>って言葉がぴったりですよね。
作劇の上でもスカッと<昇華>されましたし、ドラマ上でも救われて<昇華>された感じ。
子供は今まで自分を必死に育ててくれた親を思い、親は子供の生存を必死に願う。
この両者の思いがあったからこそ、彼女が現れたし、大場の心も洗われたんでしょうね。
少し宗教的になってしまいますが、自分を生かしてくれている大きな力だとか、人を思う力の強さみたいなものを気づかせてくれたようにも思います。
古沢良太脚本というのは、どこか変わっていて、ひねりがあって面白いですよね。
小技も巧み。
ミステリとしての犯人探しや謎解きの部分は薄いのですが、その分、卓越したスタイルで見せてしまう。
清史郎くんが息を吹き返した所で、終わったのもあざやか。
おっしゃるとおり、清史郎くんが息を吹き返すことは予定調和として、視聴者にはわかっているので引っ張りすぎの感はありますが、息を吹き返したシーンで終えた所は、やはりお洒落ですね。
これで、もし清史郎くんが両親と抱き合ってめでたしめでたしみたいなシーンがあったら、それこそメロドラマになってしまう。
>ただ、しっかり享くんや幸子さんにも見えているのは、いいんでしょうか。
確かにそうですね(笑)
それと誕生日にひとりぼっちのさびしい兵ちゃんこと甲斐峯秋警察庁次長。
権力者は孤独なんでしょうかね。
それと小野田さんもそうでしたが、なぜ上の偉い人は右京さんに惹かれるんでしょうね(笑)