平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

「Winny(ウィニー)」~警察は未来の技術者・国民にこの逮捕が正しかったと胸をはって言えますか!?

2025年01月31日 | 邦画
 ナイフは犯罪に使われるが、ナイフを発明した人は罰せられるのか?

 映画『Winny(ウィニー)』はこのテーマを扱った作品である。
 現実に起こった事件でもある。

 金子勇(東出昌大)はプログラマー。
 ファイル共有ソフト“Winny”の開発した。

 WinnyはIT用語で言う「P2P」。
 サーバーを介さすパソコンなどの端末同士でデータをやりとりできるソフトだ。
「P2P」はインターネットの次世代型フォーマットだと言われている。
 つまりWinnyは日本がこのジャンルで大きくリードできる可能性を秘めたものだった。

 しかし、Winnyを利用したユーザーが著作権のある著作物を違法にやりとりしたことで、
 金子勇は「著作権法違反」などで逮捕。
 裁判をおこなうことになる。
 結果Winnyは「問題のあるソフト」として使用禁止に。
 ヴァージョンアップも、進化もできず、Winnyはそのまま消えていくことに……。

 そこで冒頭の命題の登場だ。
『ナイフは犯罪で使われるが、ナイフを発明した人は罪に問えるのか?』

 Winnyで違法なデータのやりとりをしたのは別の人間である。
 この人たちは逮捕されていい。
 しかし、開発者はどうなのか?
 金子勇の逮捕は正当なのか?

 金子勇の逮捕の背景には別の理由もあったらしい。
 Winnyを使ったことによるウイルス感染で、愛媛県警の裏金の極秘文書が漏洩してしまったのだ。
 警察とって極秘文書の漏洩は致命的なこと。あってはならないこと。
 それを引き起こしてしまうWinnyは違法なソフトとして消滅させた方がいい。
 だから金子勇を逮捕した?
 もし、これが事実だとしたら、
 警察の事情で優れた開発者や技術がつぶされたことになる。
 とんでもない愚行だ。

 金子勇の逮捕は別の問題も引き起こす可能性がある。
 他の開発者が萎縮してしまうことである。
 自分の開発した技術が悪用されたこと逮捕されるのなら、
 技術者は危なっかしくて技術開発などできない。
 結果、日本の技術は世界からどんどん遅れをとっていく。

 冒頭でも書いたが、Winny事件は実際に起こった事件である。
 映画『Winny』は、優れた開発者や技術が政治的・組織的な思惑で潰される愚かさを描いた作品で
 ある。
 これは現代日本の縮図とも言える。
 30年間ほとんど経済成長していない日本。
 画期的な技術や製品を生み出せないのは、こうしたことが原因なのだろう。

 現在、世界ではAIの開発競争が盛んだが、ぜひWinny事件のようなことがないことを願う。
 再エネ技術で日本は遅れをとっているが、原子力発電にこだわり過ぎている結果ではないか?
 原子力ムラが再エネ技術の発展を阻害している?


※関連動画
 映画『Winny』予告編(YouTube)


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