★芸人・フットボールアワーの後藤さんの得意技に<たとえツッコミ>がある。
それはこんなふうに使われる。
たとえば、共演者の芸人さんがギャグでスベった時、こうツッ込む。
「お前、よくそんなギャグ出せたな。陶芸家やったら割ってるヤツやで」(笑)
スベったつまらないギャグを、陶芸家が自分の作品に満足がいかなくて割ってしまうことと上手く掛けている。
見事なたとえだ。
★後藤さんの<たとえツッコミ>は他にもある。
たとえば、テンションやあるテーマに対する思い入れなどで他の共演者と温度差がある時はこんな感じ。
「温度差あり過ぎて風邪ひくわ」 (笑)
これは、たとえとしては少しフツー?
★しかし、後藤さんには究極・至高の<たとえツッコミ>がある。
たとえば、「ロンドンハーツ」の格付けしあう芸人たちで、千原ジュニアさんが「俺は浮気はしない。好きになったらその女性だけを大事にする」と発言。
すると後藤さんはこうツッ込む。
「全然、ジュニアさんのイメージと違う。イメージの高低差があり過ぎて耳キーン!となるわ」 (笑)
説明は不要でしょうが、一応しておくと、イメージのギャップと飛行機などが低いところから急に高い所にいった時に耳がキーンとなることを上手く掛けている。
★この<たとえツッコミ>は様々に応用される。
共演者の芸人さんが後藤さんにフリを出すのだ。
たとえば、わざとスベるギャグを言う。
すると後藤さんは「よくそんなギャグ出せたな。陶芸家やったら割ってるヤツやで」と突っ込める。
あるいは、わざとイメージギャップの話題を出す。
すると後藤さんは「高低差があり過ぎて耳キーン!となるわ」を言える。
しかし、このやりとりが何度も繰り返されると、段取りでやっていることが視聴者にわかってしまうから、後藤さんはフラれてもやりたがらない。
ここに新たなギャグが生まれる。
★この後藤さんの<たとえツッコミ>を上手く引き出せるのは<ザキヤマさん>ことアンタッチャブルの山崎さんだ。
後藤さんが<たとえツッコミ>をやりたがらないとザキヤマさんが代わりに言う。
たとえば、「うれしすぎて耳キーン!となるわ」と言ったり、後藤さんの耳元で「キーン!」と叫んだり。
すると後藤さんはこうツッ込む。
「うれしすぎて耳キーン!となるわ」←「それはただの中耳炎や!」(笑)
耳元で「キーン!」←「近場のアラレちゃんか!」(笑)
というわけで、<たとえツッコミ>の第一人者になったフットボールアワーの後藤さん。
芸人さんがこういう得意技をひとつ持つといいですね。
それが個性になる。
視聴者は「耳キーン!となるわ」を聞きたくて期待する。
それに芸人さんにとって自分の得意技を引き出してくれる共演者も大事。
後藤さんにとってはザキヤマさん。
それにしても、<得意技を引き出して相手を輝かせる>って完全にプロレスですね。
プロレスも相手の技を受けて、返して、お互いを輝かせていく格闘エンタテインメント。
バラエティでの芸人さんたちのやりとりは<格闘技>なのです。
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