蛤御門の変~会津VS長州。
作品はこの両者以外の第三の視点も描く。
それは庶民の視点だ。
焼け出された人たち
親を失った子供たち
食べ物を乞う人たち
このように、結局、ひどいめに遭うのは庶民なんですよね。
被害に遭った庶民の立場に立てば、西郷(吉川晃司)のカッコイイせりふも虚しく聞こえる。
「薩摩藩、西郷吉之助、御加勢つかまつる!」
覚馬(西島秀俊)も銃のことしか考えていない。
「新式銃のライフル、弾丸筋がブレねえ。薩摩強え……」
いくさが終わって町が焼け野原になった時も
「これがいくさか……。何百年もかかって築いた町をたった一日で焼き尽くしちまった。元の姿に戻るのにどれだけの時がかかるか」
と、どこか他人事だ。
長州側も自分たちのことしか考えていない。
「ここで引けば朝敵になる」
「時間を稼げば、公家たちが騒ぎ、和議を申し出る」
大垣屋清八(松方弘樹)の言葉はどこか皮肉に聞こえる。
「西洋の学問をしても、家を焼かずに済むいくさのやりようは、わからんもんでっしゃろか?」
結局、人は自分の立場でしか物事を考えられないものなのだろうけど、上の者が勝手に戦争をして庶民が被害を受けるという構図は昔も今も変わらない。
この作品『八重の桜』は、この庶民の視点に時間を割いて描いている所に好感が持てる。
一方、会津では八重(綾瀬はるか)と尚之助(長谷川博己)の縁談話。
尚之助って理論的で聡明な人物ですね。
いくさが始まり、山本家一同が不安になる中、「大砲を撃ち込むなんてことを考えるのは覚馬さんしかいない」→「だから覚馬さんは無事」という論理を展開して、皆を安心させる。
いくさの後も、このいくさで銃の果たす役割が認識されたから、藩を説得して「銃器を一新するいい機会だ」と次の手を考えている。
状況に流され、一喜一憂するだけの八重とは大きく違う。
八重に生きる指針を与えてくれる。
もっとも前々回は八重が尚之助に、「頑固なのが会津だ」「認めていただけるまで何度も何度も造り直すべ」と語り、励ましていましたが。
お互いを支え合う八重と尚之助はいい夫婦になりそうです。
そして、八重さんもそろそろブラザーコンプレックスから抜け出さないと。
世の中には、覚馬以外にもいい男はいっぱいいるのですから。
作品はこの両者以外の第三の視点も描く。
それは庶民の視点だ。
焼け出された人たち
親を失った子供たち
食べ物を乞う人たち
このように、結局、ひどいめに遭うのは庶民なんですよね。
被害に遭った庶民の立場に立てば、西郷(吉川晃司)のカッコイイせりふも虚しく聞こえる。
「薩摩藩、西郷吉之助、御加勢つかまつる!」
覚馬(西島秀俊)も銃のことしか考えていない。
「新式銃のライフル、弾丸筋がブレねえ。薩摩強え……」
いくさが終わって町が焼け野原になった時も
「これがいくさか……。何百年もかかって築いた町をたった一日で焼き尽くしちまった。元の姿に戻るのにどれだけの時がかかるか」
と、どこか他人事だ。
長州側も自分たちのことしか考えていない。
「ここで引けば朝敵になる」
「時間を稼げば、公家たちが騒ぎ、和議を申し出る」
大垣屋清八(松方弘樹)の言葉はどこか皮肉に聞こえる。
「西洋の学問をしても、家を焼かずに済むいくさのやりようは、わからんもんでっしゃろか?」
結局、人は自分の立場でしか物事を考えられないものなのだろうけど、上の者が勝手に戦争をして庶民が被害を受けるという構図は昔も今も変わらない。
この作品『八重の桜』は、この庶民の視点に時間を割いて描いている所に好感が持てる。
一方、会津では八重(綾瀬はるか)と尚之助(長谷川博己)の縁談話。
尚之助って理論的で聡明な人物ですね。
いくさが始まり、山本家一同が不安になる中、「大砲を撃ち込むなんてことを考えるのは覚馬さんしかいない」→「だから覚馬さんは無事」という論理を展開して、皆を安心させる。
いくさの後も、このいくさで銃の果たす役割が認識されたから、藩を説得して「銃器を一新するいい機会だ」と次の手を考えている。
状況に流され、一喜一憂するだけの八重とは大きく違う。
八重に生きる指針を与えてくれる。
もっとも前々回は八重が尚之助に、「頑固なのが会津だ」「認めていただけるまで何度も何度も造り直すべ」と語り、励ましていましたが。
お互いを支え合う八重と尚之助はいい夫婦になりそうです。
そして、八重さんもそろそろブラザーコンプレックスから抜け出さないと。
世の中には、覚馬以外にもいい男はいっぱいいるのですから。
そう思うと、今回はなんともせつない回でした。
コメントありがとうございます。
まさに一寸先は闇ですね。
今日の味方が明日には敵になり、歴史の状況はどんどん変わっていく。
大きな歴史の流れの中では、個人や小さな存在は無力ですね。
ただ流されていくだけ。
それで流されまいとして立ち向かうところにドラマが生まれるんでしょうね。
今回と次回本編見られませんが、予通り場面は展開しつつあるようですね。
八重と尚之助の展開がどうなるのかが気になっていましたので、帰国してからチェックします。
ギリシャにいらっしゃるんですね。
世界を舞台に活躍していらっしゃいますね!
TEPOさんがおっしゃっていたように、現在は会津も八重も急展開な時期。
帰国されてから、じっくり愉しんで下さい。
また、わざわざ外国からのコメント、ありがとうございます。
特に私は八重と尚之助との関係に注目していましたが、次回までの二回がかり(祝言はさらに第14話)のようなので、その方は次回の欄に書きましょう。
今回も特に印象的でしたが、本作の視点は実にバランスがとれていますね。
もちろん本作は会津視点なのですが、叙述が客観的なので「長州ファン」「薩摩ファン」「新撰組ファン」など思い入れを異にするどのような視聴者から見ても不快感は覚えないのではないでしょうか。
そしてご指摘の
>それは庶民の視点だ。
この「庶民の視点」の描写も、成り行き上会津藩が京都の庶民から憎まれるに至った事実を冷静に描いているものと理解しました。
ご指摘の言葉を残した大垣屋清八は重厚感のあるキャラですね。
松方弘樹さんが演じておられるところから見ても、今後重要な役割を担ってくる予感がします。
お帰りなさい。
いつもありがとうございます。
>もちろん本作は会津視点なのですが、叙述が客観的なので
おっしゃるとおり、非常にバランスがとれていますよね。
逆に言うと、このバランスの良さがドラマではなく、歴史ドキュメンタリーの印象を与えてしまうのですが、これ以上書くと、いろいろ叩かれそうなので留めます……。