平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

光る君へ 第3回「謎の男」~まひろ、本領発揮! 姫たちの集いで忖度なく勝ちまくる!

2024年01月22日 | 大河ドラマ・時代劇
 キャラクター造形が素晴しい。
 まひろ(吉高由里子)は和歌は上手いが、絵は下手。
 左大臣の娘・源倫子(黒木華)の姫たちの集いでは本領発揮!
 偏継(へんつぎ)ですべての札をゲット!
 苦い顔のやんごとなき姫様たち。
 まひろ、空気を読んで~! ガチすぎ! 忖度して~!笑
 倫子は皮肉で
「すご~い。まひろさんは漢字がお得意なのね~」
 まあ、まひろはまだ子供ですからね……。
 忖度したり、空気を読むことなどできない。
 オタクだから自分の好きなことは必死でやる。

 物語はそんなまひろがたくましく宮廷社会を生きていくものになるのだろう。

 藤原道長(柄本佑)は字が下手くそ。学問も苦手らしい。
 字が下手というのは史実らしく、残されている道長の筆はどれもひどいものだとか。
 ただ権力を持っていくにつれて字が上手くなっていったらしい。
 これは人格が変わっていく暗示なのか?

 こんなふたりが今回のラストで三度目の回合。
 ついにお互いの素性、身分を明かすことになるのか?
 会えない時間がふたりの気持ちを育んでいった。
 しかし、まひろが道長の素性を知った時、どのような反応をするのか?
 波瀾の展開は次回!
 ………………………………………………………………

「謎の男」については僕はある程度予想がついていた。
・権力をからかう散楽の男。
・放免に不当に逮捕されている民を救う男。
 反権力という点でこのふたりの男は一致する。
 男の名は直秀(毎熊克哉)。
 直秀は道長のことを知っている様だし、今回まひろと道長が出会う橋渡しもした。
 直秀は何者なのか?
 ………………………………………………………………

 宮廷では道長の父・藤原兼家(段田安則)が暗躍。
 毒を盛って円融天皇(坂東巳之助)を譲位に追い込む。
 次は東宮・師貞親王(本郷奏多)が即位して花山天皇になるのだが、
 兼家は花山天皇も早く追い落として、自分の孫の懐仁親王を帝の地位につけたい様子。
 一方、円融天皇も自分の直系を帝にしたいので兼家の提案に乗った。
 だが、政敵もいる。
 左大臣・源雅信(益岡徹)は倫子を入内させようとしている。

 この平安の権力闘争、実に面白い。
 こんな政争の中で道具にされているのは女性たちだ。
 この完全な男社会の中で、まひろ、倫子、詮子(吉田羊)たちは何を思うのか?
 今回、まひろは自分が間者にされていることに納得していない様子だった。
 ………………………………………………………………

 貴族のイケメン四人衆が登場!

 藤原公任(町田啓太)
 藤原行成(渡辺大知)
 藤原斉信(金田哲)
 そして道長。

 芸人のはんにゃ金田さんはイケメンなのか? という声もあるかもしれないが、
 金田さん、いわゆる「平安顔」だよね。
 倫子の黒木華さんもそう。

 貴族のイケメン四人衆。
 今回は「雨夜の品定め」みたいなことをやっていたが、今後の言動が楽しみだ。

 今回は次の展開に移る前振り回だった。
 次回、道長の素性がわかってドラマは大きく動き出すのだろう。

 ………………………………………………………………

※追記
 姫たちの集いの先生・赤染衛門(凰稀かなめ)は著名な歌人。本名不詳。
 中国由来の渡来人系貴族・赤染氏の出身らしい。
 だから漢学に詳しかったのか。
 夫は大江匡衡。
 このふたりの子孫が鎌倉幕府の大江広元であり、そのまた子孫が毛利元就だとか。

 この作品、やたら「藤原」が多い。
 何かで読んだが、名字で「藤」がつく人は皆「藤原氏」の系列らしい。
「加藤さん」「佐藤さん」
 これらの名字が多いのは平安時代の藤原氏の権勢の結果なのだろう。

※追記
 道長を誤認逮捕した男たちは検非違使ではなく「放免」と言うらしい。
「放免」~検非違使配下の者たちで元々は罪人。
     罪を不問にする代わりに検非違使の配下になった。
「鬼平犯科帳」とかでも鬼平の手足となって働く元罪人がいましたね。    
 ちなみに「無罪放免」という言葉はここから来ているらしい。

 検非違使がなぜ放免を使ったかというと、検非違使に任命される者は貴族で、
 貴族は汚れ仕事に手を染めてはいけなかったから。
 前回、道兼も血だらけになったことで父・兼家に怒られていましたね。
 おそらく、この「穢れ」の思想が後の武士の誕生に繋がるのだろう。


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6 コメント

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倫子・まひろ・直秀・三郎 (TEPO)
2024-01-22 23:52:45
>まひろ、空気を読んで~! ガチすぎ! 忖度して~!笑
私も、身分の低い新参者のまひろが悪目立ちして「ギャル姫」たちにいじめられるのではないか、とハラハラしていました。
しかしながら、そう思うのは私たち現代日本人の感覚ゆえであって、ことによると本作はその感覚そのものを揺さぶっているのかもしれません。
近代人は、少なくとも建前上は身分の差が無い平等な立場にあるからこそ互いの競争関係を意識します。
これに対して「やんごとなき姫様」は身分の差がある相手には脅威を覚えることがなく、むしろ優れた資質を素直に認める事ができるのでしょう。
少なくとも、倫子のまひろに対する思いはそのようなものだったと思います。

しかし、源倫子は道長の正妻となる女性。
道長とまひろとの間にロマンスを想定するならば、当然三角関係にもなるはずです。
しかし、まひろを娘である彰子の家庭教師的な女房として夫道長と共に推挙するなど、基本的にはまひろを引き立ててくれた「味方」だったようでもあります。
今回同様、身分の差があるからこそ却って問題とならなかったのでしょうか。
また、一夫一婦制的な感覚が現代ほど無かったことも影響しているのでしょうか。
今後、まひろと倫子との関係がどのように描かれるのかは興味深いところです。

>直秀は道長のことを知っている様だし、今回まひろと道長が出会う橋渡しもした。
先週散楽で、御子さえいれば、と帝に棄てられた妃(つまり詮子)を演じていた直秀が「弟よ、どうしたらいいの?」「助けてくれ……弟よ」と言いながら三郎(道長)のところに寄っていったのは、偶然ではなかったわけです。
「情報に通じた芸人」という点で、彼はまさに「道道の輩」の草分けといった存在で、「戦国もの」ならば忍者に相当する役回りとなるのではないかと思います。
おそらく道長、まひろにとって好意的な存在でしょうが、かと言って後世の忍者のようにたとえば道長の配下となるようなことはなく、対等な自由人であり続けるのではないかと予想―と言うか、そうあって欲しいと期待―します。

さて今回の「再会」、下級とは言え「貴族の姫」衣装のまひろは「身バレ」の模様。
予告編で、「藤原でもずーっと格下。だから気にしないで」と言っている時点では、まだまひろは三郎(道長)が庶民だと思っている様子ですが、道長側の素性は次回どうなるのでしょうね。
返信する
面白い子がいるわね、という感じ (コウジ)
2024-01-23 08:47:28
TEPOさん

いつもありがとうございます。

姫君たちとまひろ。
おっしゃるとおり現代劇だと、「面子を潰された」「ムカつく」になるのでしょうが、この時代だと「面白い子がいる」みたいな感じなんでしょうね。
逆に前者だと、ドラマとして当たり前すぎて、ベテラン大石静の脚本になりませんし。

>まひろを引き立ててくれた「味方」だったようでもあります。
それはよかったです!
少なくともまひろと道長まわりの人々は温かい関係でいてほしいんですよね。
倫子、詮子とは女性同士で男社会と戦ってほしいとも思います。
以前、TEPOさんが、「花燃ゆ」の主人公が城勤めデビューして出世物語が始まるのではないか、と書かれていましたが、今回そうなりそうです。

直秀のことを道長は知っている様な表情でしたね。
おそらく幼い頃の友人だったのでしょう。
道長の庶民感覚も直秀との交流で作られたのかもしれません。

第4話の予告は想像力をかき立てられますよね。
確かにまひろは「藤原でもずーっと格下」と言っていましたし、道長は「実は……」みたいなことを言っていました。
道長の素性も明らかになりそうですね。

「花郎」見ています!
第1話の前半を見た時はどうなるかと思いましたが、後半からグングン面白くなって来ました。
1話で履き物のシーンが出て来ましたね。
花郎のイケメン軍団は今回の藤原四人衆(ネットでは「花より男子」になぞらえてF4)に通じるものがあります。
現在6話まで視聴しています。
ご紹介いただきありがとうございました。
返信する
Unknown (TEPO)
2024-01-24 14:10:43
「花郎」ご覧になっているのですね。
タイトルからして臆面もない(笑)「イケメンまつり」の新羅時代に場を借りた青春学園ドラマですが、「ひたすら楽しい」作品ですね。
物語の骨格に絡むネタバレは慎みますが、第6話前後ですと、賤民村出身で全く教育を受けていなかった主人公ムミョンが超人的な学習・吸収能力を発揮して、文武両面において驚異的な成長を遂げて貴族の御曹司たちを圧倒してゆくあたりが痛快かと思います。

「光る君へ」に戻っての追記
制作側によれば、「源氏物語」そのものは描かないが「源氏物語」へのオマージュは随所にある、とのこと。

>「わたしは帝の血を引く者なのよ。母上が女房をしていて帝にお手付きされたの」
>こう三郎に嘘を語るまひろは「空想好きな子」であることもわかる。(第1話についてのコウジさん)

「オマージュ」は初っ端から来ていました。
「帝の子ながら母親の身分が低いために宮中を出た(臣籍に下った)」というのはまさに「光源氏」の設定でした。
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マニア心をくすぐられる作品 (コウジ)
2024-01-25 08:50:27
TEPOさん

「花郎」はアロが可愛いですよね。
無名との恋はどうなっていくのでしょう?
勉強シーンのイチャイチャもよかったです。
無明が乗れなかった馬をあっという間に乗りこなせるようになった描写も上手いと思いました。
韓流ドラマは人物造形が上手いんですよね。

源氏物語へのオマージュ。
これからもマニアックな考察がなされるんでしょうね。
ちなみに、これはYouTubeの考察動画の受け売りですが、まひろが代筆で「夕顔」の歌を書いた絵師の住まい・六条の辻は、源氏物語の「夕顔」がいた場所だそうです。
宮廷での複雑な人間関係といい、マニア心をくすぐられる作品ですよね。
返信する
アラさん (TEPO)
2024-01-25 14:25:28
以前、「どうする家康」での「お葉さん」を連想させる、「強くデキる女」ながら色恋には不器用な「超真面目人間」として、「ヘチ」という作品のヒロイン「チョン・ヨジ」に言及しました。
アロ役のアラさん(カタカナ表記だと役名と似ていますね)はそのヨジも演じていました。
公開されている「ヘチ」のメイキング動画を見ると、アラさんは役柄(ヨジ)とは打って変わって陽気な人だったのが印象的でした。
ヨジのストイックな可憐さも悪くないのですが、喜怒哀楽の表現豊かなアロの方がアラさんの「地」が活きて、魅力的だと思います。

「光る君」の「源氏物語」ネタについてはこれからマニアの皆さんの深堀りが進むのでしょうね。
私はさほど「源氏物語」に詳しい訳ではないので、皆さんの情報に学ばせて頂こううと思っています。
返信する
忙しくなりそうです! (コウジ)
2024-01-25 18:00:17
TEPOさん

「ヘチ」調べましたが、NHK-BSなんですね。
DVDボックスも出ているようなので再放送は難しい……?
アラさんもインプットしました。
僕はパク・ウンビンさんのファンで、彼女の作品を見ていますが、韓国の俳優さんをチェックし始めると、忙しくなりそうです。

もうひとつ「源氏物語」のオマージュを思い出しました。
第1話でまひろが小鳥を逃がしてしまったシーンは、葵の上のエピソードにあるようです。
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