右大臣・藤原道長(柄本佑)誕生!
関白にならない理由は、現場にいて共に考えたいから。
その政治姿勢は、民を蔑ろにしない。
その人事は、縁故主義にとらわれない。
軽い策略も使う。
策略を担うのは源俊賢(本田大輔)。
俊賢はなかなか有能な人物で、参内しない伊周(三浦翔平)、隆家(竜星涼)を参内させた。
妹の明子(瀧内公美)からは「いい所がない」と言われていたのに。笑
まずは道長らしい政治のスタートだ。
一条天皇(塩野瑛久)も「民を思う御心」を持っている人物で、
疫病で苦しむ民の租税1/4軽減を言い出した。
道長とはいい関係になりそうだ。
そんな一条天皇はまひろ(吉高由里子)と遭遇。
「高者いまだ必ずしも賢ならず。下者いまだ必ずしも愚ならず」
新楽府を引用したまひろの言葉が響いた様子。
いはく、
「あの者が男であったら登用してみたいと思った」
一条天皇、聡明な帝ですね。
これに私事に無欲な道長が実務を担えば、最強のコンピになりそう。
「公明正大」は実資(秋山竜次)も権中納言に抜擢されたし、いい政権になりそうだ。
そんな道長が唯一、私事で人事をおこなったのが、まひろの父・為時(岸谷五朗)の人事だ。
為時は参内が許される「従五位の下」に。
国司の任につくことも可能になった。
この人事をどう考えるべきだろう。
必ずしも、まひろの父だからという理由だけではなさそう。
悲田院の看病の朝、「内裏にお帰り下さい」と進言したことを買ったのかもしれない。
まひろとの関係を知っているのに、それを利用しない為時の潔さを評価したのかもしれない。
「従五位の下」という「位階」だけを与えて、「官職」を与えなかった人事はなかなか絶妙だ。
ここで官職を与えたら、行き過ぎた私事の人事になってしまう。
とはいえ、宋人70人がやって来て越前に住まうことになった。
ここで宋の言葉を話せる為時が抜擢されるのだろう。
………………………………………………………………
清少納言(ファーストサマーウィカ)はいい立ち位置の登場人物だ。
今回は定子(高畑瑞希)とまひろを繋ぎ、偶然とはいえ一条天皇とも交流させた。
宮中でも道長の評価を伝える役割にもなっている。
前回は「ケチで人望がない」と言っていたのに、今回は「なかなかやる」笑
ただ定子はまひろにいい感情を持っていない感じ。
おそらく政治のことで、まひろが帝と対等に話したことが面白くなかったのだろう。
伊周と隆家一派は自滅。
何と一条天皇の父で、前帝の花山院(本郷奏多)に矢を放ってしまった!
「長徳の変」の始まりである。
ちなみに花山院が渡って来たのは、溺愛した忯子(井上咲楽)の妹。
やっぱり忯子が好きなんですね。
関白にならない理由は、現場にいて共に考えたいから。
その政治姿勢は、民を蔑ろにしない。
その人事は、縁故主義にとらわれない。
軽い策略も使う。
策略を担うのは源俊賢(本田大輔)。
俊賢はなかなか有能な人物で、参内しない伊周(三浦翔平)、隆家(竜星涼)を参内させた。
妹の明子(瀧内公美)からは「いい所がない」と言われていたのに。笑
まずは道長らしい政治のスタートだ。
一条天皇(塩野瑛久)も「民を思う御心」を持っている人物で、
疫病で苦しむ民の租税1/4軽減を言い出した。
道長とはいい関係になりそうだ。
そんな一条天皇はまひろ(吉高由里子)と遭遇。
「高者いまだ必ずしも賢ならず。下者いまだ必ずしも愚ならず」
新楽府を引用したまひろの言葉が響いた様子。
いはく、
「あの者が男であったら登用してみたいと思った」
一条天皇、聡明な帝ですね。
これに私事に無欲な道長が実務を担えば、最強のコンピになりそう。
「公明正大」は実資(秋山竜次)も権中納言に抜擢されたし、いい政権になりそうだ。
そんな道長が唯一、私事で人事をおこなったのが、まひろの父・為時(岸谷五朗)の人事だ。
為時は参内が許される「従五位の下」に。
国司の任につくことも可能になった。
この人事をどう考えるべきだろう。
必ずしも、まひろの父だからという理由だけではなさそう。
悲田院の看病の朝、「内裏にお帰り下さい」と進言したことを買ったのかもしれない。
まひろとの関係を知っているのに、それを利用しない為時の潔さを評価したのかもしれない。
「従五位の下」という「位階」だけを与えて、「官職」を与えなかった人事はなかなか絶妙だ。
ここで官職を与えたら、行き過ぎた私事の人事になってしまう。
とはいえ、宋人70人がやって来て越前に住まうことになった。
ここで宋の言葉を話せる為時が抜擢されるのだろう。
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清少納言(ファーストサマーウィカ)はいい立ち位置の登場人物だ。
今回は定子(高畑瑞希)とまひろを繋ぎ、偶然とはいえ一条天皇とも交流させた。
宮中でも道長の評価を伝える役割にもなっている。
前回は「ケチで人望がない」と言っていたのに、今回は「なかなかやる」笑
ただ定子はまひろにいい感情を持っていない感じ。
おそらく政治のことで、まひろが帝と対等に話したことが面白くなかったのだろう。
伊周と隆家一派は自滅。
何と一条天皇の父で、前帝の花山院(本郷奏多)に矢を放ってしまった!
「長徳の変」の始まりである。
ちなみに花山院が渡って来たのは、溺愛した忯子(井上咲楽)の妹。
やっぱり忯子が好きなんですね。
「伊周一派との確執」を予想していましたが、道長の方にはまったく「闘争的」な動きはありませんでした。
それどころか、俊賢を用いた「軽い策略」は敵対関係の緩和が目的。
道長の政治姿勢は公正そのもの。
「長徳の変」による「中関白家の没落」は史実なのですが、本作では完全に伊周と隆家一派の「自滅」として描かれるようです。
おそらく次回、伊周たちの処断も「道長が政敵を葬る」という形ではなく、むしろ一条天皇のイニシアチブによる形で描かれるのではないかと予想されます。
他方、為時の出世は「道長が唯一、私事でおこなった」人事とのことですが、まひろが直接道長に働きかけたりするようなことはありませんでした。
まひろは道長とは無関係に、清少納言を介して定子、一条天皇と接触し、天皇から一定の好意的評価を得た形になっていました。
むしろ道長は一条天皇経由でまひろのことを聞いたところから為時を「引き」にかかります。
同じ「国司」でも、「正六位の上」でも望み得た「淡路守」と「越前守」とでは格が違うようです。
為時が「越前守」に抜擢される経緯は次回の楽しみですが、おそらくおっしゃる通り「宋人」が鍵となり、また「越前編」では宋人との接触が描かれるのでしょう。
道長もまひろ親子も、清廉なままで運が回りはじめ、これまでの「不遇期」を埋め合わせるような気分の良い展開となってきました。
やっぱり今回、新楽府に絡めてきましたね。
実は白楽天の新楽府はほとんど知りません。白氏文集はかなりの分量なので、うっかり手を出せないという感じで、恥ずかしながら読んだことはなかったんですね。
それに、詠み人知らずの古楽府の方が、漢詩のうるさいルールにとらわれない伸び伸びしたものが多いせいか、惹かれるものがあります。
ただ、何とかのひとつ覚えで「売炭翁」だけは知ってます。
月並みですが、この一節は泣けます。
可憐身上衣正單(かわいそうに、着ているのはペラペラの着物一枚だけ)
心憂炭賤願天寒(なのに、炭の値下がりをおそれ、もっと寒くなれと願っている)
ですからね…
このあと、じいさんの炭は、通りがかったお役人にただ同然で「押し買い」されてしまい、茫然自失というオチになります。
今後道長を善人として描こうとすれば、こういった展開になる可能性もあります。
「おのれの思うまつりごとを為さんとして権力を持ったのに、周りが忖度して口をつぐみ、本当のことを言わなくなっている」
いっぽうまひろは越前で「グローバル社会」の片鱗を知るんでしょう。
宋はあまり軍事力はなく、北方民族には圧迫されていたものの、経済的には非常に発展し、一方で貧富の格差は大きくなりました。
荘園や貴族階級が残る中世的な日本と、科挙により世襲貴族に頼らない社会システムを構築していた宋との差は埋めがたく、一条帝はそういった状況も把握していたでしょう。
それでもまひろの言葉を聞いたとすれば、いったい何を思ったのでしょうか。
貴族たちに忖度しなくてはならず、思うように動けない自分の立場をふがいなく思っているとすれば、「鼻クソのような女」ではなく「男なら登用してみたい」という言葉にもつながります。
>何と一条天皇の父で、前帝の花山院(本郷奏多)に矢を放ってしまった!
銀河英雄伝説、ミッターマイヤー提督(森功至)が吐き捨てるように言った「貴族のバカ息子」という言葉が浮かんでしまいました(笑)。
「大丈夫、当ててはおらん」と誇らしげな顔が、すがすがしいくらいの「バカ息子」でした(笑)。
いつもありがとうございます。
確かに、伊周一派を権力で潰そうとしなかった所が清々しいですね。
今までの大河ドラマでは、権力を握った者は必ず政敵を弾圧・粛清していきました。
為時の出世も、おっしゃるとおり、まひろ→一条天皇→道長という流れ。
このまひろと道長の距離感がいいですよね。
道長が為時を従五位下にしたのには、まひろの父親だからという理由の他に「下の者にも優秀な人材がいて登用すべきだ」という考えに共鳴したからなのでしょう。
まひろは父のことを道長に頼みにいきませんでしたが、実に品があります。
詮子などは「わたしにもつき合いがあるのよ」と無理矢理、知り合いの登用をねじ込んで来ましたが。
国司は、宣孝叔父が雄弁に語っていたように、さまざまな利権があって、美味しい職業なんでしょうね。
越前利権は利権の宝庫なのでしょうが、為時にはぜひ清廉潔白でいてほしいです。
>道長もまひろ親子も、清廉なままで運が回りはじめ、これまでの「不遇期」を埋め合わせるような気分の良い展開となってきました。
同じことを感じました。
今回のエピソードは実に心地よかったですね。
いつもありがとうございます。
「売炭翁」
これは今でも通用するエピソードですよね。
・庶民 ~円安→物価高で生活が苦しい。
・大企業~円安→為替差益で大儲け。
あとのオチも現在を繁栄していて、
・海外資本が円安で安くなった日本の企業を買う。
という流れが起きています。
>越前で「グローバル社会」の片鱗を知るんでしょう。
>「鼻クソのような女」ではなく「男なら登用してみたい」という言葉
なるほど!
一条天皇への忖度の件はよくわかりませんが、一条天皇と道長は「いいパートナー」になりそうですね。
つまり、
・一条天皇がやりたい政策を道長が実務で実行していく。
・ふたりの考え方に大きな相違はない。
という政治のパートナーです。
伊周は急に「バカ息子」キャラになりましたよね。笑
もともと、こういう底の浅い人物だったのかもしれませんが。