平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

真田丸 第23回「攻略」~大殿は名家・北条を滅ぼされるおつもりか!

2016年06月13日 | 大河ドラマ・時代劇
 北条氏政(高嶋政伸)。
 高いプライドと甘い現状認識が滅びに結びついてしまったようだ。
・名家・北条へのこだわり
・貴族趣味~蹴鞠、薄化粧、香
・巨大な小田原城
・予想を上まわる21万の大軍
・伊達さえ来れば……
・誇り高き死
 他人の忠告に耳を傾けないのも災いした。
 氏政には、家康(内野聖陽)のような慎重さもしたたかさもない。
 頭が凝り固まっている。
 愚かなリーダーで国が滅ぶの典型だ。
 このあたり太平洋戦争末期の指導者たちに似ているなぁ。

 一方、秀吉(小日向文世)。
 自分の強大な権力を行使することを楽しんでいるかのようだ。
・戦国オールスターによる21万の大軍。
・忍城、鉢形城を落とせば、北条側の心が折れて、戦わずして勝てるのに、力攻めをしようとする。
・家族や踊り子を呼んでの観光気分。
・氏政は湯に浸かっている間に敵が来たら…と不安で風呂にも入れないのに、秀吉は茶々(竹内結子)と悠々と温泉へ。
 秀吉は自らの権力に酔っている。
 これが権力の魔力。
 万能感にとらわれ、行動がどんどんエスカレートして狂気に向かう。

 石田三成(山本耕史)の腹痛。
 石田三成はお腹が弱かったようですね。
 司馬遼太郎の『関ヶ原』では、お腹を下して疲労する三成の姿が描かれていた。
 引用すると、
『腹痛である。
 三成はもともと体が頑健な方でなく、平素から痰があり、胃腸も弱かった。ただでさえ弱い腹がこの雨で冷え込んだらしく、しぼられるような痛みが、継続して訪れてくる。
 たえかねて馬を降りることがある。
 降りて用を足し、また鞍の上にのぼる』~新潮文庫「関ヶ原」下巻

 茶々は取り囲まれた小田原城を見て何を思ったのだろう?
「せっかく来たからには城が焼け落ちるところを見てみたいわ」
 滅びゆく北条と小田原城の姿は、浅井家が滅び、柴田勝家の北の庄城が落ちた時の記憶とオーバーラップしたに違いない。
 三谷幸喜さん、個々の人物を丁寧に描いていますね。

 信幸(大泉洋)も丁寧に描かれた。
「ここで秀吉を倒してどうされる。また乱世に逆戻りするだけじゃ」
 信幸は〝いくさのない世〟になることを望んでいる。
 だから、北条と手を結び、ふたたび乱世をつくりだそうとした出浦昌相(寺島進)を諫めた。
 信幸にとって大義は〝いくさのない世〟をつくることだった。
 このあたりは、機会があればのし上がろうとする、バリバリの戦国世代の昌幸(草刈正雄)や出浦昌相とは違うようだ。

 最後は、関東の連れ小便。
 まさか、こんなふくらまし方をしてくるとは!
 ほとんどの視聴者が、秀吉が家康の服で手を拭くと思いましたよね(笑)
 おまけに「家康、驚きのあまり、小便止まっておったわ」(笑)
 事情を知っている信繁(堺雅人)は苦笑い……。
 三谷さん、さりげなくギャグを入れてきます。

 

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2 コメント

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伏線 (TEPO)
2016-06-13 11:33:02
一昨年は黒田官兵衛が小田原城に乗り込んでいましたが、今年は信繁が乗り込む訳です。
秀吉の馬廻衆だったことくらいしか知られていないこの時期の信繁に、歴史を変えない範囲で目一杯の活躍をさせていますね。
実は、前回の「戦国法廷劇」は単なる茶番だったということで少々不満でしたが、あれは今回のための伏線だったと知り、なるほど!でした。
あの場面で渡り合った板部岡江雪斎と本多正信から弁舌と度胸とを買われ信頼を受けていた、という点が重要だったわけです。
黒田官兵衛ならいざ知らず、いくら主人公特権でも秀吉の馬廻衆に過ぎない信繁が起用されるためには理由が必要だったでしょうから。

>「せっかく来たからには城が焼け落ちるところを見てみたいわ」
常に落城側に身を置いていた茶々が、折りあらば小田原城に関心を示していた点は印象的でしたが、この台詞は遙か先の「大阪の陣」への複線なのかも知れません。

>北条と手を結び、ふたたび乱世をつくりだそうとした出浦昌相(寺島進)を諫めた。
>バリバリの戦国世代の昌幸や出浦昌相とは違うようだ。

出浦昌相については前回の「哀愁」の続きでしたが現代人の目からは「ご乱心?」とまで見えました。
それよりも、前回の本多忠勝の時と同様、真田家家臣とはいえ父昌幸の対等の盟友であった出浦をぴしりと抑えた信幸の成長ぶりが印象的でした。
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伏線 (コウジ)
2016-06-13 19:19:32
TEPOさん

いつもありがとうございます。
おっしゃるとおり、伏線の張り方、上手かったですよね。
信繁の沼田裁定参加も今回の伏線だった。
茶々も信幸の描写も後のエピソードへの伏線。
三成のお腹のことも関ヶ原に繋がると思います。

ドラマで伏線を張るのは当然のことですが、今までの大河はそれすらもやっていなかったんですよね。
人物の出入りもすべてが行き当たりばったり。
今回はラストで、兄上・小山田茂誠 が出てきましたが、忘れられていなかったんですね(笑)
次回、どう絡むのか、楽しみです。

出浦昌相もどうなるんでしょうね。
信幸にははねつけられましたが、何らかのリアクションをしそうです。
個々のキャラクターが丁寧に描かれていて、すべてにドラマがありそうです。
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