上手い脚本である。さすが古沢良太さん。
徳松醤油社長の徳松嘉平氏は認知症だったのか?
裁判でこう尋ねられて、黛千春(木南晴夏)は迷い、葛藤する。
「認知症だった」と証言すれば、裁判は勝訴。
徳松醤油は三男・徳松紀介(丸山智己)のものになる。
しかし、紀介は徳松醤油を大手醤油会社に売り渡そうとしている。
紀介は「もう、そんなことはしない」と言っているが、本当か?
紀介の言葉を信じるべきか、否か。
この葛藤のシーン。
『クイズ・ミリオネア』のように、ともかくためる。尺を十分にとって、千春の葛藤を描く。
視聴者も、千春は何と答えるのだろう? と画面に釘付けになる。
今回の一番のクライマックスだ。
ドラマは<葛藤>だと言われるが、千春の葛藤が見事に描かれている。
こういうAかBかという葛藤のシーンを作り出した古沢良太脚本は実に見事だ。
そして千春の答え。
「大旦那さまは……、認知症ではなかったと思います」
これで裁判は敗訴。
主人公の側が負けてしまった。
これはテレビドラマの定石ではあり得ないこと。
普通なら、千春は「大旦那さまは……、認知症でした」と解答。紀介は心を入れ替えて徳松醤油の経営にあたり、千春と恋に落ちるといった展開かな。
これでハッピーエンド。めでたし、めでたし。
しかし、現在のドラマはそんな安易なゆる~い解決を許さない。
だから、主人公側の敗訴。
視聴者は、この状況をどう解決するしていくんだろう、とますます画面に釘付けになる。
その解決方法が、漱石の本の裏表紙に書かれた嘉平の遺言書。
遺言書には、相続人として<千春>の名!!
徳松醤油を心から愛している千春が引き継ぐことに!!
これならすべて丸く収まる。
視聴者も納得する。
<嘉平が認知症でなかったこと>も千春宛の遺言書の正当性を裏づける根拠になっていて、伏線としても上手い。
しかし脚本家・古沢良太はこれで満足しない。
さらに一捻り(ひとひねり)を加える。
それは、<千春が、死ぬ間際の嘉平に『千春を相続人にする』という遺言書を書かせた>という一捻り。
すべては千春の書いた筋書きどおりに進行していたのだ。
真知子(新垣結衣)たちは千春の手のひらの上で踊らされていた。
ここで、千春像が<凡庸な田舎娘>から、財産を奪った<したたかな悪女>に変貌する。
最後にドッキリ! 視聴者は「あっ、やられた」「見事にダマされた」と思い、拍手喝采する。
『相棒』なんかでもそうですけど、現代のドラマは最後の一捻りが大切なんですね。
視聴者が予想もしない結論を見せて、「やられた」と思わせる。
『リーガル・ハイ』は毎回このような一捻りを見せてくれるが、今回のは秀逸でした。
徳松醤油社長の徳松嘉平氏は認知症だったのか?
裁判でこう尋ねられて、黛千春(木南晴夏)は迷い、葛藤する。
「認知症だった」と証言すれば、裁判は勝訴。
徳松醤油は三男・徳松紀介(丸山智己)のものになる。
しかし、紀介は徳松醤油を大手醤油会社に売り渡そうとしている。
紀介は「もう、そんなことはしない」と言っているが、本当か?
紀介の言葉を信じるべきか、否か。
この葛藤のシーン。
『クイズ・ミリオネア』のように、ともかくためる。尺を十分にとって、千春の葛藤を描く。
視聴者も、千春は何と答えるのだろう? と画面に釘付けになる。
今回の一番のクライマックスだ。
ドラマは<葛藤>だと言われるが、千春の葛藤が見事に描かれている。
こういうAかBかという葛藤のシーンを作り出した古沢良太脚本は実に見事だ。
そして千春の答え。
「大旦那さまは……、認知症ではなかったと思います」
これで裁判は敗訴。
主人公の側が負けてしまった。
これはテレビドラマの定石ではあり得ないこと。
普通なら、千春は「大旦那さまは……、認知症でした」と解答。紀介は心を入れ替えて徳松醤油の経営にあたり、千春と恋に落ちるといった展開かな。
これでハッピーエンド。めでたし、めでたし。
しかし、現在のドラマはそんな安易なゆる~い解決を許さない。
だから、主人公側の敗訴。
視聴者は、この状況をどう解決するしていくんだろう、とますます画面に釘付けになる。
その解決方法が、漱石の本の裏表紙に書かれた嘉平の遺言書。
遺言書には、相続人として<千春>の名!!
徳松醤油を心から愛している千春が引き継ぐことに!!
これならすべて丸く収まる。
視聴者も納得する。
<嘉平が認知症でなかったこと>も千春宛の遺言書の正当性を裏づける根拠になっていて、伏線としても上手い。
しかし脚本家・古沢良太はこれで満足しない。
さらに一捻り(ひとひねり)を加える。
それは、<千春が、死ぬ間際の嘉平に『千春を相続人にする』という遺言書を書かせた>という一捻り。
すべては千春の書いた筋書きどおりに進行していたのだ。
真知子(新垣結衣)たちは千春の手のひらの上で踊らされていた。
ここで、千春像が<凡庸な田舎娘>から、財産を奪った<したたかな悪女>に変貌する。
最後にドッキリ! 視聴者は「あっ、やられた」「見事にダマされた」と思い、拍手喝采する。
『相棒』なんかでもそうですけど、現代のドラマは最後の一捻りが大切なんですね。
視聴者が予想もしない結論を見せて、「やられた」と思わせる。
『リーガル・ハイ』は毎回このような一捻りを見せてくれるが、今回のは秀逸でした。
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