通常の原発と事故を起こした福島第一原発の違い。
この図が通常の原発の内部だ。

①燃料棒に触れた冷却水(薄紫の部分)は金属の管の中を循環して外に出ることはない←ここ重要!
②その金属の管を冷やしているのが2次冷却水(青色の部分)だ。
だから2次冷却水は燃料棒に直接触れていない。
③そして、冷やす際に金属の管から出て来る中性子と水が結合して、トリチウムが生まれる。
④この2次冷却水は外に放出される。
中国、韓国、欧米の原発からトリチウムが出ているが、出ているのはこの2次冷却水のこと。
………………………………………………………………………
以下の図がメルトダウンした福島第一原発の内部。

①燃料棒の冷却水や雨水が底の燃料デプリ(赤い部分)に直接触れている。
②これが汚染水(紫の部分)だ。
汚染水の中にはトリチウムを始め、セシウム・ストロンチウムといった核種が含まれている。
③東電と政府はこの汚染水をALPSで浄化しようとしている。
ALPSで浄化した水が処理水だ。
④しかし、ALPSではトリチウムは除去できない。
だから希釈して海に流している。
⑤では、トリチウム以外の核種(セシウム・ストロンチウムなど)はどうか?
政府と東電はこれらをALPSで処理できるとしている。
高濃度の汚染水も何度もALPSで浄化すれば、安全基準を下まわると主張している。
⑥しかし、高濃度の汚染水をALPSで浄化する作業は、まだおこなわれていない。
理論上は可能だと言っているレベルだ。
⑦政府はやたら「IAEA(国際原子力機関)が安全だと認めている」と主張しているが、
IAEAが「妥当だ」と、認めているのは上記の作業手順だ。
やり方が理論的に正しいと言っているに過ぎない。
だから東京電力の皆さん、この汚染水処理の手順をしっかり守って下さいね。
くれぐれもコストがかかるからと言って手抜きをしないように。
もうひとつの懸念材料がある。
食物連鎖の生物濃縮だ。
政府と東電は安全基準を下まわるセシウム・ストロンチウムなどを海に流す。
それらはトリチウムと違って水に溶けないから、海底に沈殿する。
そんな沈殿したセシウム・ストロンチウムを、プランクトンが食べ、そのプランクトンを小魚が食べ、その小魚を大きな魚が食べれば、高濃度の核種を持った魚になる。
これを人が食べたら……。
政府や東電は排出されるセシウム・ストロンチウムなどは基準値以下の微量であるから、
「生物濃縮は起こらない」と主張しているが、果たして本当か?
これから30年流し続けるんだろう?
1000個のタンクの汚染水に含まれる核種の総量も把握できてないそうじゃないか。
それでどうしてそんなことが言える?
以上が、原発処理水放出に関する僕の理解です。
まだ不明瞭な部分が多いのだから、いったん停めた方がいいと思うんだけどなあ……。
コンクリート固化など、他の方法を模索すべきだと思うんだけどなあ……。
原発処理水放出については新しい事実が出て来れば、随時紹介していきます。
毎回繰り返しになりますが、もう原発はやめませんか?
廃炉も大変だし、核廃棄物の処理方法も決まっていませんし、
いったん事故が起これば今回のように莫大な労力と不安とコストがかかります。
これが今を生きる大人の将来世代に対する責任だと思うのですが……。
この図が通常の原発の内部だ。

①燃料棒に触れた冷却水(薄紫の部分)は金属の管の中を循環して外に出ることはない←ここ重要!
②その金属の管を冷やしているのが2次冷却水(青色の部分)だ。
だから2次冷却水は燃料棒に直接触れていない。
③そして、冷やす際に金属の管から出て来る中性子と水が結合して、トリチウムが生まれる。
④この2次冷却水は外に放出される。
中国、韓国、欧米の原発からトリチウムが出ているが、出ているのはこの2次冷却水のこと。
………………………………………………………………………
以下の図がメルトダウンした福島第一原発の内部。

①燃料棒の冷却水や雨水が底の燃料デプリ(赤い部分)に直接触れている。
②これが汚染水(紫の部分)だ。
汚染水の中にはトリチウムを始め、セシウム・ストロンチウムといった核種が含まれている。
③東電と政府はこの汚染水をALPSで浄化しようとしている。
ALPSで浄化した水が処理水だ。
④しかし、ALPSではトリチウムは除去できない。
だから希釈して海に流している。
⑤では、トリチウム以外の核種(セシウム・ストロンチウムなど)はどうか?
政府と東電はこれらをALPSで処理できるとしている。
高濃度の汚染水も何度もALPSで浄化すれば、安全基準を下まわると主張している。
⑥しかし、高濃度の汚染水をALPSで浄化する作業は、まだおこなわれていない。
理論上は可能だと言っているレベルだ。
⑦政府はやたら「IAEA(国際原子力機関)が安全だと認めている」と主張しているが、
IAEAが「妥当だ」と、認めているのは上記の作業手順だ。
やり方が理論的に正しいと言っているに過ぎない。
だから東京電力の皆さん、この汚染水処理の手順をしっかり守って下さいね。
くれぐれもコストがかかるからと言って手抜きをしないように。
もうひとつの懸念材料がある。
食物連鎖の生物濃縮だ。
政府と東電は安全基準を下まわるセシウム・ストロンチウムなどを海に流す。
それらはトリチウムと違って水に溶けないから、海底に沈殿する。
そんな沈殿したセシウム・ストロンチウムを、プランクトンが食べ、そのプランクトンを小魚が食べ、その小魚を大きな魚が食べれば、高濃度の核種を持った魚になる。
これを人が食べたら……。
政府や東電は排出されるセシウム・ストロンチウムなどは基準値以下の微量であるから、
「生物濃縮は起こらない」と主張しているが、果たして本当か?
これから30年流し続けるんだろう?
1000個のタンクの汚染水に含まれる核種の総量も把握できてないそうじゃないか。
それでどうしてそんなことが言える?
以上が、原発処理水放出に関する僕の理解です。
まだ不明瞭な部分が多いのだから、いったん停めた方がいいと思うんだけどなあ……。
コンクリート固化など、他の方法を模索すべきだと思うんだけどなあ……。
原発処理水放出については新しい事実が出て来れば、随時紹介していきます。
毎回繰り返しになりますが、もう原発はやめませんか?
廃炉も大変だし、核廃棄物の処理方法も決まっていませんし、
いったん事故が起これば今回のように莫大な労力と不安とコストがかかります。
これが今を生きる大人の将来世代に対する責任だと思うのですが……。
>能率の問題です。まじめにやろうとすると、コストも手間もかかりそうです。
ポイントはここですよね。
東電が経営の見地から、手抜きをしないことを願うばかりです。
それと、現在も地下水は流れ込んでいるわけで、デブリを取り除かない限り、汚染水は作られ続ける。
おそらく東電と政府が想定している30年間では終わらないでしょう。
ちなみに事故から12年経って、取り出せているデブリは耳かき一杯程度……。
というわけで福一は完全な負の遺産です。
六ヶ所村の核燃サイクルも負の遺産になるでしょう。
何度も繰り返してしまいますが、こんな原発を新規で作ろうとするのは狂気の沙汰です。
わたしが見た東電の資料(平成25年3月29日)だと、セシウムだけを分離できる除去装置がまず実用化されたものの(これがゼオライト使用の装置のようです)、それでは除けない核種をALPSに通すという図解でした。
さらに、ALPSを通す前に逆浸透膜を通して脱塩するような仕組みになっていました。
つまり、2013年時点での汚染水の浄化は
1.ゼオライト
2.逆浸透膜
3.ALPS
の順番になっているわけです。
この資料にあるALPSのイメージ図をしみじみ見ると、やはり金属をイオン的に扱う装置がメインのように読み取れます。
物理的な濾過とか、コロイド状態にあるものを吸着させるといったことではなさそうです。
もっとも、ヨウ素や炭素といった非金属は別の処理になるんでしょうし、ルテニウムのようなイオン化傾向が小さそうな金属も、また別の処理になるんでしょうが。
ただ、そうなると、やはり順番が引っかかります。
逆浸透膜よりもあとにALPSをもってくることが、どうも腑に落ちません…
あとは、能率の問題です。まじめにやろうとすると、コストも手間もかかりそうです。
それから、おっしゃるように「やたら濃度が高い汚染水」の処理の困難さでしょう。
ALPSの内部の構造図を見たことがあるのですが、セシウムにはセシウム専用の濾過器があり、ストロンチウムにはストロンチウム専用の濾過器があるようです。
つまり核種ごとに専門の濾過器がある。
だからALPSで処理できる核種は62種類。
いずれにしても、いくらALPSで処理してもセシウム、ストロンチウムなどを完全に除去することができないので(=このことは東電も国も認めている)、問題は「30年以上放出した時の生物濃縮」であると僕は考えています。
あるいは2020さんが調べていらっしゃるように、放出をいったん停止して、ALPSの性能を高める努力をするべきなんですけどね。
おそらく東電にしてみれば「1キロの海底トンネルが完成したから放出するぞ」みたいなノリで決定したんでしょうね。
サリーという愛称のようです。ゼオライトを使っているそうです(検索すれば東電の資料も出てくると思います)。
ゼオライトの名前はよく聞きますが、いろいろ種類があるそうで、このレベルになると、わたしの知識ではちょっと理解が難しいです。
ただ、分子構造上微細な穴が開いていて、かつ負に帯電する性質があるようで、カチオン系のイオン(セシウムイオンも含まれます)をその穴に取り込んで吸着する効果は期待できそうです。
ただ、この原理を使えば、化学的な性質が似ているストロンチウムも、別の種類のゼオライトを使うことで、サリーで分離できるはずですが、セシウムだけしか分離できないことになっています。
分かったかも、と思ったら、次のナゾが出てきます。
まあ、わたしのアタマのレベルも高くないので、これくらいが理解の限度なんでしょうけど。
国会での政府、東電の説明に拠ると、
・燃料デブリの核種は210種類(理論上の推定)
・ALPSが処理できる核種は62種類
・放出の際に測定するのは30種類 だそうです。
仮に放射性塩化セシウムが生成されているとしたら、この過程で抜け落ちているのかもしれませんね。
なぜ30種類しか測定しないかと言えば、それ以外の核種に実害がないからだとか(政府・東電の説明)。
いずれにしても、疑念が持たれていることは徹底的に調査し、政府・東電の持っているデータはすべて公開すればいいんですよね。
それが不安払拭に繋がるのに。
ただ、逆浸透膜を通したあとの水をALPSに通しているようにも読み取れます。
原理的には、吸着や沈殿や濾過がメインのALPS処理よりも、逆浸透膜を使った処理の方が高度な処理のはずなんですけど…
海水の塩分(塩化ナトリウム)を抜くために逆浸透膜を使っているということのようですが、汚染水の中に、たとえば「塩化セシウム」はないんでしょうか。
塩化セシウムは、塩化ナトリウムとは結晶構造は多少違いますが、まあ似ている物質です。炉心から出てくる放射性セシウムが、塩素イオンと反応して、放射性塩化セシウムになる可能性も、ありそうな気がするんです。
そうなると、その放射性塩化セシウムを除去できるのは、ALPS型の除去装置より、逆浸透膜のように思えるんですよね…
よく分かりません…
2020さんの案は、不勉強な僕には理解不能で「ほ~」と感心するしかないのですが、いろいろ方法はありそうですよね。
いったん放出を停め、ALPSなどの性能を向上させて、中国を含めて誰もが納得する形で放出する。
これがベストなような気がします。
もっとも東電や政府は、今のALPSの性能で十分だ、と言い張るのでしょうが……。
これも「安全神話」ですよね。
恥ずかしながら、逆浸透膜の存在は、今まで10年以上忘れていました。
というのも、応用されているのは、純水製造や海水淡水化関連なので、アタマの中で原子力と結びつかなかったためです。
もしかしたら、もうALPSに導入されているのかもしれませんが、導入しているのであれば、相当画期的な技術導入になるので、それなりに広報しているでしょう。つまり、まだやっていない可能性が高いです。
問題点は、かなり繊細な高分子化合物膜を使うので、放射性物質に対する耐久性がどこまであるかです。放射線にさらされてすぐにボロボロ、ということもあり得ますし…
あと、処理作業中は処理水に人為的に水圧をかけ続けないといけませんし、水の量もとんでもない量になるので、装置を動かすエネルギーは莫大に必要でしょう。
使用済みのフィルターユニットは、放射性廃棄物として処理すればいいでしょうが、装置そのものの誘導放射能も未知数ですね(これは従来のALPSにしても同じですが)。
でも、本気で海洋放出をするのであれば、頑張って逆浸透膜のような技術も使って「ここまでやっています」と見せるべきでしょう。またそれができれば、日本の「本気」を世界に見せることにもなるでしょう。
実際には、荏原、オルガノ、クリタといった、原発系ではない水処理系の会社の技術が必要になるでしょう。原子力以外の会社が入ってくるのは何となくイヤということはあるのかもしれませんが、そのうち、そんなことは言っていられなくなるかもしれません。早めにやる方がいいでしょう。
まあ、どれもこれも、しょせんは素人考えなのですが…
教えていただきありがとうございます。
さらに調べて、情報と思考をヴァージョンアップしていきます。
大切なのは東電や政府の言っていること、ネットで語られていることを鵜呑みにしないで調べることですよね。
今回の処理水(汚染水)の問題点が一目で分かります。
ただ、僭越ながら申し上げると、二次冷却系という言葉は、福島のような沸騰水型原子炉では用いなかったと思います。海の水で蒸気を冷やす装置は、復水器(コンデンサー)です。ちなみに、二次冷却系があるのは加圧水型原子炉です。
繰り返しになりますが、ALPSの処理は、尋常な方法ではできないと思います。
よく話題になるセシウムやストロンチウムに関しては、水中でどういう形態になっているかが鍵になります。
もし何かの化合物の微粒子やコロイドであれば、濾過という方法もありますが、イオン化傾向の大きさから考えて、おそらく塩化物や水酸化物などのイオン化合物の形態をとっているでしょう。水溶性である可能性が高く、錬金術並みのウルトラCでないと、処理は困難でしょう。
コウジさんからは、チタンに付着させるというお話もありましたが、どういう原理なのか、ちょっと想像がつきません。
最後の手段としては、純水製造に使う逆浸透膜かもしれませんが、時間と手間、消費するエネルギーは相当のものになるでしょう。
あと、おっしゃるとおり食物連鎖の問題…
原子力関係をまじめに考えると、ムカムカします。実験室レベルや医学への応用ならともかく、産業や軍事用途に使うべきではないと思います。
いつもありがとうございます。
もうひとつの問題は、対中国問題ですよね。
これには双方のプライドもあり、簡単に解消しないでしょう。
苦しむのは日本の水産業者の方。
高市早苗氏などは、今回の中国の輸入差し止めに関して、WTO(世界貿易機関)に提訴すると息巻いているようですが、大いにやればいいと思っています。
公の場で争って、真実があきらかになって白黒つけることが一番ですから。
その際の日本の拠り所はIAEA。
ただIAEAは日本の海洋放出を完全に支持しているわけではないので、負けると思いますが……。
いつもありがとうございます。
さまざまな人の動画や経産省や環境省のHPも確認して何とかここまで理解しました。
一応、政府側の言い分も紹介しているので、ある程度はバランスが取れていると思います。
ポイントは──
・本当にALPSでトリチウム以外の核種を取り除けるかどうか。
・セシウム、ストロンチウムなどの生物濃縮は本当に起きないのか?
ALPSの処理能力については今後の処理状況を確認していかないとわかりません。
生物濃縮がわかるのは1年後かもしれませんし、10年後かもしれません。
それと、もし隠蔽したりデータを改ざんしたりしているのなら明らかにして、今すぐ放出を停めてほしいと思います。
でも認めないでしょうね。
隠蔽や改ざんがわかったら東電や日本国政府は世界中から訴訟を起こされますから。
国内問題の水俣病でさえ、ユージン・スミスの写真が出るまで、なかなか認めませんでしたし……。
今となっては政府や東電の言い分が正しいことを願うばかりです。
記事の作成お疲れ様です
本とに色々と調べられて凄いです。
此れはもう将来 大変な事態になる事が予想されますね。 中国の嫌がらせも
予想してたと思うのですが?
ネトウヨもここぞとばかりに中国大批判日本共産党
小池晃氏の発言叩き
愚か
トリチウムの濃縮ではなく、”トリチウム水”の濃縮でした。
まず食物連鎖ですが、海底に沈殿した高濃度の核種は魚を経て人間(母体)を通じ幼児へと被爆します。これは水俣と全く同じですね。
次にコンクリ硬化ですが、トリチウムは濃縮できるし、セシウムは結晶化出来る。故に処理水をプラント内で濃縮し、コンクリ硬化すれば、理想的にも思えます。
勿論、簡単には行かないとは思いますが、暴挙とされる海洋放出に比べればずっといい方法ですよね。
一方で中国の嫌がらせをしてまでも防ぎたい気持ちも判るけど、正攻法なやり方で反対してほしいですよね。