池江璃花子選手のコメントに「電通」をからめると、違ったことが見えて来る

　水泳の池江璃花子選手がコメントを発表した。
　池江さんのSNSへ寄せられた「辞退してほしい」という意見に対するコメントだ。

『私たちアスリートはオリンピックに出るため、ずっと頑張ってきました。
　ですが、今このコロナ禍でオリンピックの中止を求める声が多いことは仕方なく、当然のことだと思っています。
　私も、他の選手もきっとオリンピックがあってもなくても、決まったことは受け入れ、やるならもちろん全力で、ないなら次に向けて、頑張るだけだと思っています。
　１年延期されたオリンピックは私のような選手であれば、ラッキーでもあり、逆に絶望してしまう選手もいます。
　持病を持っている私も、開催され無くても今、目の前にある重症化リスクに日々不安な生活も送っています。
　私に反対の声を求めても、私はなにも変えることができません。
　ただ、今やるべき事を全うし、応援していただいている方達の期待に応えたい一心で日々の練習をしています。
　オリンピックについて、良いメッセージもあれば、正直、今日は非常に心を痛めたメッセージもありました。
　この暗い世の中をいち早く変えたい、そんな気持ちは皆さんと同じように強く持っています。
　ですが、それを選手個人に当てるのはとても苦しいです。
　長くなってしまいましたが、わたしに限らず、頑張っている選手をどんな状況になっても暖かく見守ってほしいなと思います。』

　う～ん、卒のないきれいな文章だな。
　明らかに推敲は入っているだろう。

　発言されたことは勇気のある素晴らしいことだと思うが、
　僕が気になるのは『政治や大会組織委員会に対する批判がない』ことだ。

『オリパラに関わる政治家、大会組織委員会の皆さん、もっとしっかりして下さい。
　アスリートに心の負担をかけないで下さい』

　こういう発言があってもいいのではないか、と思う。
　要するに彼らに気を遣ってるんだろうなあ……。
　ヤフコメには、こんな辛辣なコメントも。

『自分に意思、意見はないんだろうか。
やると言われたから、やるだけ、って・・・ただの駒だな』

『難しい話ではない。
スポーツマンシップというか、人としての在り方を問われているだけなんだと思うが』

　…………………

　さて、この上記の池江選手のコメント、次の点がわかると違ったことが見えて来る。

・池江選手の兄は電通勤務。
・池江選手をマネージメントしているのは電通関連の会社。

　要は、オリンピックを行ないたい電通は『池江璃花子』をオリンピック推進の広告塔として使おうとしているのだ。
　今や『池江璃花子』はオリンピックの最大のインフルエンサー。
　彼女を使って否定的な空気を変えたいという意図が垣間見える。

　ネットでは、こんな分析情報も。

　池江選手のコメントは５回に分けられてツィッターにUPされているのだが、
　３回目～５回目のコメントがUPされる前にデイリースポーツが全文を発表。

　つまり池江さんのコメント全文は事前にマスコミに渡されていた？
　デイリースポーツのミスでこれが発覚してしまった？
　まあ、十分にあり得る。
　僕はレコード会社に勤めていたことがあるが、
　主催者がプレスリリースとしてマスコミに事前に資料を渡すことは多々ある。
　今回もそれ。
　だから先程のコメントも当然マネージメント会社の推敲が入っている。
　池江さんとして泣く泣くカットした部分もあるだろう。

　電通は池江選手でひと商売しようとしているんだろうな。

　難病を克服してオリンピックに出場！
　これはドラマになるからなあ。
　現に開会式の最終ランナーは池江選手で、聖火台に点火するのは彼女ではないか、と言われている。
　これで日本中が感動の渦に巻き込まれるというシナリオだ。
　安っぽい筋書きだが、仮にメダルでも獲れば、日本中が池江フィーバー！
　ＣＭやイベントで引っ張りだこ。

　まあ、企業として池江璃花子で商売するのは当然なんだけど、
　池江さんはそれでいいのかな？

　アスリートの純粋さはどんどん利用され、商品化されていく。
　池江さんがどこまで自覚しているかわからないが、
　やがて商品化されている自分を受け入れる時がやって来る。
　もし現在すでに商品化されている自分を受け入れているのなら、
　無垢でひたむきなアスリートを演じるのはやめてほしい。


※関連記事
　池江璃花子　辞退求める声へ、５つの投稿で複雑な思い吐露「私は何も変えることができない」（デイリースポーツ）
　池江選手擁護コメばかりかと思っていましたが、批判コメも多くて面白いです。